ExchangeWire ATS Tokyo 2025、11/21(金)開催が正式決定[ニュース]
ExchangeWireが、欧州やアジア地域を中心に開催する大型イベントとなるAd Trading Summit(ATS)が、昨年に引き続き、東京で開催することが正式に決定しました。 今年は2025年11月21日(金)に東京ドームホテルにて開催します。 ATSは、広告主、広告代理店、パブリッシャー、テクノロジー企業やデータ企業などに所属するオンライン広告関係者の方々が、一つの空間に集まり、プレゼンテーションやパネルディスカッションを通じて集中的に議論を行う形式が特徴的なイベントです。 またロンドンに本社を構えるExchangeWire社の知見やネットワークを最大限に駆使してスピーカーやコンテンツを用意しているので、グローバル動向の最前線に触れることができる機会としても評価されています。 昨年は延べ421名にご来場にいただき、多くの方々には終日にわたりご参加いただきました。 ATS Tokyoは、2014年に開催されて以降、今回で7回目を数えます。 11月21日に東京ドームホテルで皆様にお会いできることを、ExchangeWireそしてExchangeWire JAPANのメンバー一同楽しみにしております。 今後、イベントのプログラム、チケットの先行販売、スピーカー情報などを随時更新してまいりますので、ご期待ください。 【開催概要(予定)】 ■日時:2025年11月21日(金)終日 ■場所:東京ドームホテル ■定員:400名 ■お問い合わせ イベントに関するご質問・お問い合わせは、以下までお問い合わせください。 Mail: info@digitalinfact.com
編集部より5/16(金)開催ExchangeWire JAPAN説明会のご案内
先日告知した5/16(金)開催のExchangeWire JAPAN説明会につきまして、改めて編集部よりご案内申し上げます。 ExchangeWire.jpは、2012年8月の立ち上げ以来、日本国内のアドテク及びデジタル・マーケティング関係者の皆様に支えられてきました。今回は、日頃のご愛顧に対する御礼をお伝えすることに加えて、そうした市場関係者の皆様がマーケティングや広報活動を行う上で参考となるような情報を提供することを目的とした説明会を開催します。 まず、昨年に好評だった「ExchangeWire JAPAN人気記事ランキング」を今年も発表します。国内の市場関係者が現在どのような話題に関心を持っているかを示す資料としてもご参考にいただけたらと思います。 加えて、米国や欧州またはアジアに拠点を置く本社機能は巨大だが、日本国内では少数精鋭体制を敷く外資系企業様がExchangeWire JAPANのスポンサー企業様に多いことを踏まえて、「ひとりマーケター 成果を出す仕事術 (Compass Booksシリーズ)」の著者である大澤心咲氏にご登壇をお願いしております。普段はなかなか理解されにくい「ひとりマーケター」が抱える課題と解決策を真正面から取り上げる予定です。ご都合がつけば、「ひとりマーケター」特有の課題を共有すべき他部門の関係者の方々等もぜひともご同伴ください。 またExchangeWire JAPANが運営支援を行う年1回の大型イベントであるATS TokyoのプレミアムスポンサーとなったUNICORN株式会社より田井花佳氏をお迎えし、参画を決めた理由や同イベントの体験報告を行っていただきます。ATS Tokyoのような大型イベントへの参画に際してどのような準備や検討を行っているのかについての参考事例を知る機会としてご利用いただけたらと存じます。 さらに軽食とともにネットワーキングの機会と参加者特典もご用意しております。デジタル広告市場の活性化に向けたネットワーク作りや新しい知見を得るための場としてもぜひご活用ください。 アドテクやデジタルマーケティング業界で活動し、ExchangeWire JAPANを通じた広報・マーケティング・事業開発を検討する方々のご関心に沿うことができればと編集部一同願っております。皆様と当日お会いできることを楽しみにしております。 イベントURL:https://eventregist.com/e/20250516-exchangewire-media-2025 開催概要 【日時】 2025年5月16日(金)16:00-19:45(予定) 【場所】 東京カルチャーカルチャー 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti SHIBUYA 4階 東京メトロ「渋谷駅」B1(旧13番)出口正面 JR・東急・メトロ各線「渋谷駅」より明治通りを原宿方面に徒歩4分 【対象者】 ExchangeWire JAPANをご愛読いただいている、オンライン広告またはデジタル・マーケティング関連業務に関連したサービスやソリューションを提供するテクノロジー・ベンダーやデータ企業などの広報・マーケティング担当者の皆様 【定員】 100名 【セミナー内容】 ■ひとりマーケターが成果を出す仕事術:特別編(特別ゲスト:大澤心咲) ■2年連続でATS Tokyoへの参画を決めた理由(特別ゲスト:田井花佳) ■過去1年間のExchangeWire JAPAN人気記事ランキング ■ネットワーキングパーティー
「ABEMA」の視点で読み解く、CTV広告の課題と可能性 — 現代の視聴者に受け入れられる広告とは?
近年、CTV (コネクテッドTV) 広告市場は、ストリーミングサービスの普及や視聴行動の変化を背景に急成長を遂げています。広告主にとっては、新たなブランド訴求の場として期待が高まる一方、視聴者の広告回避傾向の強まりや、ブランドセーフティの確保といった課題も浮かび上がっています。 こうした状況の中で、「CTV広告のあるべき姿とは何か?」を考えることが、業界全体にとって重要なテーマとなっています。 今回、「ABEMA」にて広告メニューの企画・開発を統括し、CTV広告の新たな可能性を追求する綾瀬龍一氏に、本市場が直面する課題と視聴者に受け入れられる広告体験を実現するための取り組みについて執筆いただきました。 (Sponsored by GumGum Japan) 現在のCTV市場が直面している課題 近年、CTVを含むインストリーム動画広告市場は、CTV視聴の増加や地上波離れなどを背景に急速に成長を遂げています。2025年2月にサイバーエージェント/デジタルインファクトから発表された「2024年国内動画広告の市場調査」では、2025年のインストリーム動画広告規模は4,099億円と推計されていますが、過去の同調査 (2016年発表) では2015年が319億円規模と、この10年間で13倍近く成長しています。 その一方で、成長しているこの動画広告市場はいくつかの課題に直面しており、その1つとして、動画視聴中の広告に対する視聴者の広告回避傾向・嫌悪感の強まりが挙げられます。同じテレビデバイスであっても、地上波テレビCMでは放送法や業界規制によって高い広告体験品質が保たれていますが、CTVを含むインストリーム動画広告ではそのような統一された品質が存在しません。 「ABEMA」を含む放送局由来の動画サービスやプロコンテンツを提供する多くの動画サービスでは、地上波テレビCMと同水準のルールを設けて高い広告体験品質を提供する一方で、ユーザー投稿型動画サービスの広告体験は、「広告が表示されるタイミングが悪い」「怪しい広告が多い」「広告が表示される頻度が多い」といった声が他サービスよりも多く、視聴者が動画広告を回避したくなってしまう広告体験が存在しています*。 また今年は、日本民間放送連盟による2024年11月からの1ヶ月の調査を通じて、YouTubeやSNSなどの違法コンテンツ上に多くのブランド広告主のCMが表示され、YouTubeだけでも17億円もの広告費が違法コンテンツに流出していたという事態も発覚しました。このような顕在化している社会的リスク・ブランドリスクに対して、短期的にはブランドセーフティー・Ad Suitabilityを確保するためのソリューション活用などが重要な施策の1つとして挙げられますが、中長期的には視聴者視点に立った「広告回避傾向・嫌悪感」を解消していく動きが必要になるはずです。 そのためには、安全安心な広告在庫を提供するプロコンテンツメディアを中心に、CTVなどの視聴体験に寄り添った「視聴者に受け入れられやすい」広告フォーマットを開発していくことで、視聴者が広告を煩わしく感じることなく、自然に受け入れられる広告体験を通じて、結果的により多くの消費者に広告主のブランドメッセージを効果的に伝えることができる取り組みを進めていくことが重要だと考えています。 *引用:Nielsen VideoContents&AdsReport 2024 CTV広告に求められる役割と「ABEMA」の取り組み・新広告フォーマットへの挑戦 先に挙げた動画広告市場の課題を踏まえ、持続性のある市場成長を実現するためにも、視聴者に寄り添った広告体験の開発が重要になっていくと考えています。単純に「スキップできる」「回避しやすい」というだけでは、広告は煩わしいものであり、広告主のブランドメッセージが届きづらいことに変わりはありません。目指すべき広告体験は「広告もコンテンツの1つ」として視聴者が自然に、かつ前向きに受け入れることができるフォーマットでありクリエイティブであると考えています。 それらの背景を踏まえ、「ABEMA」では、CTV視聴の増加や、スポーツ中継などのライブコンテンツの視聴機会の増加など、多様化する視聴環境に合わせた「良質な広告体験」の開発によって、広告主に新しい広告価値の提供と視聴者に優良コンテンツの継続的な”無料視聴”機会の提供を目指しています。 そこで、「ABEMA」は2024年にGumGumと共同で新しい広告体験「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」の実証実験にチャレンジをしました。「ABEMA」が実施した「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」は、従来のウェブメディアにおけるコンテクスチュアル広告の技術や広告手法を番組などの映像を対象に応用するもので、番組内の特定のシーンや場所に関連する広告を該当する映像の枠内に表示する新しい広告手法として、近年注目を集めています。 この手法により、広告主は訴求したい商品・メッセージと関連性の高いシーン内でブランドストーリーを伝えることができ、視聴者は視聴を中断されることなく、番組の文脈と共に自然に広告を受け取る事ができるため、「良質な広告体験」として広告効果も期待できます。 実証実験では、大手総合旅行サイトが参加し、「ABEMA」の恋愛リアリティーショーの「旅」を想起させるシーンに当該旅行サイトの広告を統合することで、広告視聴者群では非視聴者群と比べてブランド助成想起は51%向上、興味関心意向は27%向上など、非常に高いブランドリフト効果を確認することができました*。またアテンション解析をした結果でも、広告が挿入されたスペースに視聴者の視線が集中していることが明らかになりました。 これらは、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」が、映像の文脈に自然に溶け込みながら視聴者の注目を効率的に集める特性を持つことで得られた高い広告効果を示すもので、視聴体験を損なわない「良質な広告体験」としての可能性を感じさせる結果となりました。 *参考記事:「ABEMA」、国内初実施の“番組の文脈に合ったシーンに広告を配信する”新手法 「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」実証実験でのブランド認知と興味関心向上の効果を発表 市場全体に向けた提言・今後の展望 CTV広告を含むインストリーム動画広告市場は今後も成長が期待される一方で、「ブランドメッセージを安全に伝えることができる場所」を長期的にどう確保し続けるかが重要な課題です。この課題を解決し、持続的な動画広告市場の発展を実現するためには、業界全体での協力が不可欠です。 そのためには、まずはプロコンテンツメディアが視聴者の視聴環境や視聴態度を十分に熟知し、広告主のブランドメッセージをより安全に、より効果的に伝えることができる広告体験を開発していくことが重要です。また、広告主に対して広告表示場所など詳細なレポートを提供することで透明性を高めていく必要性もあります。 次に、広告主については自社のブランドメッセージがどのような広告体験の中で伝えられているかを把握し、品質の高い広告体験を提供するメディアを選定し、ブランドセーフティが確保されているメディアで信頼性の高い広告環境を確保していくことが重要なのではないでしょうか。 広告会社は、より強いリーダーシップを持って両者の連携を強化し、広告主のブランドメッセージを最大限に活かすための戦略に沿って、最適なメディアとフォーマット・クリエイティブを選定することが重要になっていくのではないでしょうか。 これらの取り組みを通じて、メディア、広告主、広告会社が一体となり、視聴体験と広告効果を両立させる健全なCTV広告市場の持続的な成長を目指すことが重要だと考えています。
「ABEMA」について 「ABEMA」はテレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信事業。登録は不要で、24 時間編成のニュース専門チャンネルをはじめ、オリジナルのドラマや恋愛番組、アニメ、スポーツなど、多彩なジャンルの約25チャンネルを24時間365日放送しています。 また、オリジナルエピソード数は国内発の動画サービスで日本 No.1(※)を誇り、注目の新作映画、国内外の人気ドラマ、話題のアニメなど豊富なラインナップの作品や、様々な音楽や舞台のオンラインライブも展開。テレビ、オンデマンドなど、時間にとらわれることなくいつでも作品をお楽しみいただけるほか、スマートフォンや PC、タブレット、テレビデバイスで、場所にとらわれることなくライフスタイルに合わせて番組を視聴いただけます。 さらに、月額1,080円(税込)の「ABEMAプレミアム」にご登録いただくと、限定の作品を視聴できるほか、「追っかけ再生」や「ダウンロード機能」などの限定機能をお楽しみいただけます。また、月額580円(税込)の「広告つきABEMAプレミアム」では「ABEMAプレミアム」限定コンテンツを広告つきで視聴いただけます。 (※)2024年10月時点、自社調べ コラム執筆者 綾瀬 龍一 株式会社AbemaTV ビジネスディベロップメント本部 / シニアプロダクトマネージャー 2009年サイバーエージェントに新卒入社。 メディア事業「アメーバブログ」のプログラマティック領域のマネタイズ責任者やディスプレイ広告/動画広告のプロダクトマネージャーを担当。2019年からは「ABEMA」に出向し、動画広告のプロダクトマネージャーを務める。現在は「ABEMA」における広告メニューの企画・開発やアドテクを活用したソリューション開発、及びCTV含めた視聴体験に沿った新しい広告体験の開発に従事。
電通デジタル、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」を大型アップデート
株式会社電通デジタルは、3月24日都内にて、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」に関する新発表についてメディア向け発表会を行った。株式会社電通デジタルCAIO(Chief AI Officer:最高AI責任者)兼執行役員の山本覚氏が登壇し、「∞AI」における各ソリューションにAIエージェント技術を導入した大型アップデートについて説明した。 デジタルマーケティングの分野において、生成AIとの協働が加速する中、電通デジタルは2023年にAIサービスブランド「∞AI」を発表している。これまでの同サービスでは、企業の目的に沿った最適なAIソリューションの活用や、企業が保有するデータとAIのシームレスな連携などを提供していたが、今回、生成AI活用において必要なシステムやデータに能動的にアクセスしタスクを実行するAIエージェント技術を、「∞AI」の各ソリューションに導入した。 AIエージェントの導入により、担当者がAIエージェントと自然に対話する中で解決策を生み出すことができ、施策の分析から戦略立案・改善までPDCAサイクルの高速化が期待される。「∞AI Marketing Hub」の中に、以下4つのソリューションを開発する。1,2ではAIエージェントに適したデータの整備、3,4ではデジタルマーケティングのエージェント化を目的としている。 1, ∞AI Customer Data Hub ファーストパーティデータやAIチャットで取得した対話や各種調査から得られたデータに加え、電通デジタルの各種マーケティングデータなどを自動的に統合し構造化する。顧客一人一人のカルテとしてリアルタイムで生成が可能となる。 2, ∞AI Customer Twin ∞AI Customer Data Hubにて蓄積・統合されたデータをもとに、仮想顧客AI(カスタマーツイン)を生成。担当者は仮想顧客AIと対話し、インタビューや調査を行うことで、施策における仮説検証や施策の提案・検討を迅速に行うことができる。 3, ∞AI MC Planning AIエージェントの対話によって、広告配信におけるメディアプランニングや広告コピーの企画・効果予測などを実現する。AIエージェントは∞AI Customer Data Hub・∞AI Customer Twinと連携し、顧客一人一人がどのような特性でどういったマーケティング施策が効果的か、などを提案する。 4, ∞AI CX Planning AIエージェントの対話によって、顧客体験(CX)の改善を目的とした、サービスのアイデア創出や既存事業の高度化を実現する。蓄積された顧客データとの連携により、広告担当者はよりスピーディに顧客体験を設計することができる。 上記4つのソリューションの開発に加え、これまでの「∞AI Ads」にもAIエージェント技術を融合し、こちらでもAIエージェントとの対話を通じてより効率的な広告運用を目指す。 今回のアップデートでは、「AIとの対話」を通じて、デジタルマーケティングにおけるプロセスの自動化、マーケターの業務支援が可能となる。山本氏は質疑応答の中で、「AIに任せられるところは任せ、もっと人間の頭脳を社会現象を起こしていくことに使っていくことができるとよいのではないか」と述べ、さらなるAI活用に意欲を見せた。
Rokt導入パートナー ゼビオ・出前館が語る、『ノンエンデミック広告』で生み出す新たな顧客体験価値
EコマーステクノロジーのリーディングカンパニーであるRoktが2024年11月21日にTokyo American Clubにて『The Future of Ecommerce Summit』を開催した。 本記事では、Rokt ビジネス開発 久保信輝氏、ならびにパートナー企業である出前館 広告事業責任者 大枝千鶴氏、ゼビオ スポーツポイント運営部 次長 坂紀子氏によるRokt導入の背景と成果について、率直な意見を交えたセッションの様子をレポートする。 (Sponsored by Rokt) 「Rokt Thanks」を導入した 出前館、ゼビオから読み解く購入完了画面が秘める価値 デリバリーサービスの出前館とスポーツ用品を手掛けるゼビオは、「Rokt Thanks」を導入した。購入完了画面(サンクスページ)に顧客の関心が高い広告が表示されるRoktのソリューションにより、両社は広告収入という新たな収益源の確保に成功している。 出前館は年間7,000万件以上(2024年8月期)の注文が入るため、サンクスページにおけるリテールメディアとしての価値は非常に高い。しかし、「食品を扱う」という特性上、掲載する広告には細心の注意が必要だ。また、顧客体験を大切にする同社は、商品を注文後の画面にユーザーに関連性の低い広告が表示されないことを重要視していた。 そんな中で、Roktの導入を決めた背景として出前館の大枝氏は、「Roktの安心感」がポイントだったと語る。 「食欲を削ぐような広告の表示は絶対に避けたかったので、カテゴリー選択機能や厳格な審査を通過した広告のみが表示されるRoktには大きな『安心感』がありました」 実際にRokt導入後、広告表示に関するクレームは1件も発生していないという。広告表示に関するクレームゼロという驚きの結果は、Roktの『安心感』を裏付ける結果と言えるだろう。 出前館 広告事業責任者 大枝千鶴氏 ゼビオの坂氏は、自社ECサイトの効果的なデータ活用を模索していたことが、Rokt導入の背景にあると語る。 同社のECサイトのマーケティング戦略は、スポーツ用品の購入意欲が高い新規顧客に重点を置いている。そのため、サイト利用者はスポーツ用品に関心の高い層に特化しており、「広告効果の最大化やコンテンツの最適化、データ分析の精度向上といった点で、広告主にとって価値の高いECサイトになっている」と坂氏は分析する。 ファーストパーティデータを基にリテールメディアとしての価値を活かした新たな収益源の確保にあたり、懸念されたのがブランドロイヤリティへの影響だ。その点に関して坂氏は、「サンクスページにのみ広告が表示されるという点もポジティブに受け入れました。2カ月間のPoC(実証実験)でしっかりと精査した結果、期待以上の成果を得られたため、本導入を決定しました」と説明する。 導入にあたっては、情報セキュリティに関する懸念が経営層から提起されたほか、サービス利用規約の一部改訂なども必要になったが「豊富な導入実績を誇るRoktのサポートもあり、経営層を説得することができました」と振り返った。 今回の事例は、Roktが持つ多様な懸念への対応力と、豊富な導入実績に基づいたサポート体制の有効性を示す好例と言えるだろう。 顧客体験を損なわずに大きな付帯収益獲得を実現 坂氏は、Rokt導入当初のeCPM(*1)は約1万1000円だったが、現在では1万9000円を超えるまでに成長している。クリック率も高く、わずか8カ月で月額広告収益は2倍以上になったと報告する。 (*1)eCPM:effective Cost Per Milleの略。インプレッション数1,000回ごとにパブリッシャーが得る広告収入額を表し、広告インベントリの収益性を示す指標。 eCPM = 広告の総収益 ÷ 総インプレッション数 × 1,000で算出することができる。 この高い収益性を実現できた背景には、ECサイトのファーストパーティデータを活用した広告主のオファーと、それに関心を持つ顧客とのマッチングを最適化した点が挙げられる。さらに、顧客がどのような広告に反応したかというインサイトは「既存顧客へのオファーに活用できる」など、新たなビジネスチャンスの創出にもつながっていると、収益以外の導入効果も強調する。 Rokt導入による付帯収益に加え、顧客インサイトの獲得という副次的な効果も得られたこの事例は、リテールメディアの可能性を追求する上で、多くの企業にとって参考になるはずだ ゼビオ スポーツポイント運営部 次長 坂紀子氏 大枝氏は、「出前館のサンクスページは、インプレッション数が多く、顧客の注目度も高いです。そのタイミングで広告を表示できるRoktとの連携は、当社にとって顧客体験を損なわずに広告収益を向上させる、最適なソリューションでした」と語る。 出前館の注文経験者ならご存知の通り、サンクスページには配達員の現在地や配達状況が表示されるため、顧客は注文が手元に届くまで頻繁にアクセスする。この特徴が、「サンクスページにのみ広告を表示する」というRoktのソリューションと合致した。 さらに、出前館はRokt導入当初からの月間収益は5倍に改善したという目覚ましい成果を達成した。 付帯収益の増加について大枝氏は、「できることを積極的に試して改善を行った」と説明する。 導入後は、Roktのチームから運用改善に向けた具体的な提案が寄せられ、それに基づき継続的な改善を実施。当初は最低限のデータ実装でスタートしたが、提案を受けて追加データの実装を決定したほか、デザイン等の細やかなチューニングを行った。試行錯誤を重ねながらも迅速に改善を進めた結果、さらなる収益向上につながった。 リテールメディア事業における 「Rokt Thanks」の可能性 大枝氏は「Rokt Thanks」の優位性として、広告主への営業活動、広告のスケジュール管理、決済オペレーション、クリエイティブチェックといった煩雑な運用業務がほぼ不要という、「管理負担が軽い」点を強調する。広告営業などに人的リソースを割く必要がないため、今後はウェブサイトへの導入範囲拡大によって、一層の収益向上を目指す意向を明らかにした。 一方の坂氏は、Rokt導入で得られた顧客インサイトを分析し、さらなる広告効果の最適化や顧客体験の向上につながる取り組みを進めていくと語る。 そして出前館と同様に、未導入のECサイトへのRokt展開も視野に入れ、付帯収益のさらなる増加を図る考えを示した。 「Rokt Thanks」は、出前館とゼビオという異なる業種の企業に、顧客体験を損なうことなく新たな収益源をもたらした。両社の事例を鑑みるに、それぞれの企業の状況に合わせて柔軟なサポートを行うRoktの姿勢も、今回の成果につながった要因の一つと考えられるだろう。 リテールメディア事業の可能性を追求する上で、「Rokt Thanks」の導入は、有力な選択肢になることは間違いない。
ExchangeWire ATS Tokyo 2025、11/21(金)開催が正式決定[ニュース]
ExchangeWireが、欧州やアジア地域を中心に開催する大型イベントとなるAd Trading Summit(ATS)が、昨年に引き続き、東京で開催することが正式に決定しました。 今年は2025年11月21日(金)に東京ドームホテルにて開催します。 ATSは、広告主、広告代理店、パブリッシャー、テクノロジー企業やデータ企業などに所属するオンライン広告関係者の方々が、一つの空間に集まり、プレゼンテーションやパネルディスカッションを通じて集中的に議論を行う形式が特徴的なイベントです。 またロンドンに本社を構えるExchangeWire社の知見やネットワークを最大限に駆使してスピーカーやコンテンツを用意しているので、グローバル動向の最前線に触れることができる機会としても評価されています。 昨年は延べ421名にご来場にいただき、多くの方々には終日にわたりご参加いただきました。 ATS Tokyoは、2014年に開催されて以降、今回で7回目を数えます。 11月21日に東京ドームホテルで皆様にお会いできることを、ExchangeWireそしてExchangeWire JAPANのメンバー一同楽しみにしております。 今後、イベントのプログラム、チケットの先行販売、スピーカー情報などを随時更新してまいりますので、ご期待ください。 【開催概要(予定)】 ■日時:2025年11月21日(金)終日 ■場所:東京ドームホテル ■定員:400名 ■お問い合わせ イベントに関するご質問・お問い合わせは、以下までお問い合わせください。 Mail: info@digitalinfact.com
編集部より5/16(金)開催ExchangeWire JAPAN説明会のご案内
先日告知した5/16(金)開催のExchangeWire JAPAN説明会につきまして、改めて編集部よりご案内申し上げます。 ExchangeWire.jpは、2012年8月の立ち上げ以来、日本国内のアドテク及びデジタル・マーケティング関係者の皆様に支えられてきました。今回は、日頃のご愛顧に対する御礼をお伝えすることに加えて、そうした市場関係者の皆様がマーケティングや広報活動を行う上で参考となるような情報を提供することを目的とした説明会を開催します。 まず、昨年に好評だった「ExchangeWire JAPAN人気記事ランキング」を今年も発表します。国内の市場関係者が現在どのような話題に関心を持っているかを示す資料としてもご参考にいただけたらと思います。 加えて、米国や欧州またはアジアに拠点を置く本社機能は巨大だが、日本国内では少数精鋭体制を敷く外資系企業様がExchangeWire JAPANのスポンサー企業様に多いことを踏まえて、「ひとりマーケター 成果を出す仕事術 (Compass Booksシリーズ)」の著者である大澤心咲氏にご登壇をお願いしております。普段はなかなか理解されにくい「ひとりマーケター」が抱える課題と解決策を真正面から取り上げる予定です。ご都合がつけば、「ひとりマーケター」特有の課題を共有すべき他部門の関係者の方々等もぜひともご同伴ください。 またExchangeWire JAPANが運営支援を行う年1回の大型イベントであるATS TokyoのプレミアムスポンサーとなったUNICORN株式会社より田井花佳氏をお迎えし、参画を決めた理由や同イベントの体験報告を行っていただきます。ATS Tokyoのような大型イベントへの参画に際してどのような準備や検討を行っているのかについての参考事例を知る機会としてご利用いただけたらと存じます。 さらに軽食とともにネットワーキングの機会と参加者特典もご用意しております。デジタル広告市場の活性化に向けたネットワーク作りや新しい知見を得るための場としてもぜひご活用ください。 アドテクやデジタルマーケティング業界で活動し、ExchangeWire JAPANを通じた広報・マーケティング・事業開発を検討する方々のご関心に沿うことができればと編集部一同願っております。皆様と当日お会いできることを楽しみにしております。 イベントURL:https://eventregist.com/e/20250516-exchangewire-media-2025 開催概要 【日時】 2025年5月16日(金)16:00-19:45(予定) 【場所】 東京カルチャーカルチャー 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti SHIBUYA 4階 東京メトロ「渋谷駅」B1(旧13番)出口正面 JR・東急・メトロ各線「渋谷駅」より明治通りを原宿方面に徒歩4分 【対象者】 ExchangeWire JAPANをご愛読いただいている、オンライン広告またはデジタル・マーケティング関連業務に関連したサービスやソリューションを提供するテクノロジー・ベンダーやデータ企業などの広報・マーケティング担当者の皆様 【定員】 100名 【セミナー内容】 ■ひとりマーケターが成果を出す仕事術:特別編(特別ゲスト:大澤心咲) ■2年連続でATS Tokyoへの参画を決めた理由(特別ゲスト:田井花佳) ■過去1年間のExchangeWire JAPAN人気記事ランキング ■ネットワーキングパーティー
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