参加登録者無料特典付き:【8/26 無料オンラインイベント開催】ExchangeWire JAPAN ThoughtLeaders #010 WEDとpHmediaが解説「広告施策に閉じない、購買を起点としたリテールメディア活用」
ThoughtLeadersは、ExchangeWire JAPAN編集部と、業界に影響力のある専門家によるキートピックスに関するプレゼンテーション、Q&Aトークやパネルディスカッションなどをお届けする、無料で参加できるバーチャルミニライブイベントです。 第10回は「広告施策に閉じない、購買を起点としたリテールメディア活用」をテーマとして、8月26日(水)17時より開催いたします。 今回のゲストは、レシート買取アプリ「ONE」を提供するWED株式会社代表取締役CEO新井俊樹氏と、日本最大級の総合ディスカウントストアであるドン・キホーテなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと博報堂が共同設立した株式会社pHmediaのCOOを務める松居達也氏です。 新たなリテールメディアが次々と立ち上がっている中で、広告主及び広告代理店がそれらのリテールメディアを具体的にどのように活用しているかについては、まだ広く共有されていません。購買データに基づくマーケティング施策は、属性データや閲覧履歴を用いた施策とは根本的に異なるものなのでしょうか。 そこで本セミナーでは、広告代理店等に対して、広告施策に留まらず、購買に活きるより広範なマーケティング施策としてリテールメディア活用の提案を行ってきたご両人を招聘。セミナー当日は、ExchangeWireJAPAN 編集部とのQ&Aトークなどを通じて、リテールメディアだからこそ実現し得る消費者理解や顧客理解そしてマーケティング施策のあり方を探ります。 セミナーの主な論点 ・リテールメディアの種別ごとの強み・弱み ・ブランド及び商品ごとの活用シーンの違い ・リテールメディアを活用する上で意識すべきこと なお、本イベントへの参加登録者の皆様には、株式会社ギフティより抽選で100名様にeギフトを贈呈させていただきます。奮ってご参加ください。 開催概要 ■日時 8月26日(水)17:00~17:50ごろ ■開催方法 ZOOMにて開催 ※URLは、お申し込みをいただいたのち、開催日当日14時までにお送りします。 ■費用 無料 ■プログラム 17:00-イントロダクション 17:05-WED社・pHMedia社からのプレゼンテーション 17:35-登壇者とExchangeWireJAPAN 編集部とQ&Aトーク 17:50ごろ-終了 ■スピーカー WED株式会社 代表取締役CEO 新井俊樹氏 株式会社pHmedia COO 松居達也氏 ■モデレーター ExchangeWireJAPAN 編集部 角田 知香 ■お申込み締め切り 8月25日(火)10時 ■本イベントの対象となる方 ・リテールメディアを含めた広告プランニングを実施及び検討中の広告代理店様 ・リテールメディアの活用に関心を持つメーカー企業の広告担当者様 ・リテールメディアの運用実態を知りたいオンライン広告業界関係者様 ■ウェビナー視聴方法 ・お申込みページに必要事項をご記入ください。 ・申込後、メールにてご案内しますリンクからご覧ください。 ・メールアドレスに誤りがある場合、メールが届かない可能性がございますのでご注意ください。 ・お申込者様にお送りするURLは、お申込みいただいた方のみがご視聴できる限定URLです。 ・第三者への共有や公開はご遠慮いただきますようお願いいたします。 (※注)主催者が、登壇企業と競合性が高いとみなした法人・個人の方からのお申し込みにつきましては、お断りすることがございます。恐れ入りますが、予めご了承ください。 ■注意事項 本イベントに登録されたお客様の個人データは、本イベントの適切な運営管理や情報提供及び各社のマーケティング活動に関する情報の連絡などを目的として、主催社である株式会社デジタルインファクト及びWED株式会社及び株株式会社pHmedia及び株式会社ギフティが利用します。個人情報の削除をご要望される場合は、以下までご連絡ください。 E-mail: info@digitalinfact.com 株式会社デジタルインファクト プライバシーポリシーはこちら WED株式会社 プライバシーポリシーはこちら 株式会社pHmedia プライバシーポリシーはこちら 株式会社ギフティ プライバシーポリシーはこちら (※注)主催者が、登壇企業と競合性が高いとみなした法人・個人の方からのお申し込みにつきましては、お断りすることがございます。恐れ入りますが、予めご了承ください。
Intent IQ会長が語る「失われた収益機会」とアイデンティティ戦略[インタビュー]
シグナルロスにゼロクリック検索といった諸課題に見舞われながら、パブリッシャーは広告在庫の質と量の両面を維持することに苦心している。この苦境に立ち向かうための武器を提供するのが、米国発のテクノロジー企業であるIntent IQだ。来日した経営幹部にインタビュー取材を実施した。 (Sponsored by Intent IQ) 「失われた収益機会」を取り戻す ―自己紹介をお願いします。 シュケディ氏:次世代のユーザー識別ソリューションを提供するIntent IQ会長のロイ・シュケディと申します。同社の親会社であるAlmondNetグループ社のCEO及びもう一つの子会社であるDatonics社の会長を兼務しています。 シュブ氏:Intent IQの事業開発担当上級副社長を務めるタミル・シュブです。オンライン動画のマネタイズ分野で約15年の経験を積み、複数の企業の幹部や顧問職を経て、過去5年間はIntent IQにて事業戦略の開発などを担当しています。 ―貴社の事業を改めて教えてください。 シュケディ氏:生成AIの台頭によって各サイトやアプリに流入するトラフィックが減少し、パブリッシャーはこれまで以上に一つひとつのインプレッションを効率的に収益化する必要に迫られています。その上で避けて通れないのが、IDレス環境への対応です。 プログラマティック広告在庫のターゲティングは、主に閲覧中のコンテンツの内容ではなく、ユーザーの過去のオンライン行動履歴に基づき行われます。しかしながら、サードパーティCookieやIDFAがなければ、過去のオンライン行動を把握することができません。そこで当社ではIDレス環境にいるユーザーに対して93%以上の精度を誇る当社IDを注入することで過去のオンライン行動に基づくターゲティングを可能にしています。 ―具体的にはどのような技術を用いるのでしょうか。 シュケディ氏:業界では「IDブリッジング」、当社では「Bid Enhancement(入札強化)」と呼ばれる技術を用いて、ChromeとSafariなど異なるブラウザ間をまたいで単一のユーザープロファイルに統合した独自のアイデンティティグラフに基づく識別子を提供しています。この識別子を使えば、DSPがユーザーを識別し、適切にターゲティングすることが可能です。 現在は入札リクエストに識別子がないことによる収益機会の損失が発生しています。当社では、識別子の提供を通じて、広告主、広告代理店、DSP、SSPに対してアドレサビリティを確保し、パブリッシャーが一度失ってしまった収益機会を新たに取り戻すための手段を確保しています。 ―GoogleがサードパーティCookie廃止を撤回したことで、IDソリューションの必要性はやや薄まったのではないですか。 シュケディ氏:Googleが引き起こした一連の騒動によって、課題はむしろより顕在化されたと思います。状況を改めて整理しましょう。オンライン広告配信を目的としてユーザーを識別するために、長らくブラウザではサードパーティCookie、スマートフォン端末ではモバイル広告ID(MAID)などが用いられてきました。iPhoneでは、ブラウザ上でも端末上でも既に事実上のIDレスに陥っているため、広告収益はAndroidの3分の1にまで低下しています。 ただし、広告主が本当にリーチしたいのはiPhoneユーザーの方です。米国のスマートフォン市場では53%、日本は60%をiPhoneユーザーが占めており(※1)、さらに米国ではiPhone世帯の収入はAndroid世帯と比較して40%、日本では33%(※2)も高いです。 (※1)statcounter調べ(2026年4月)/(※2)aso index調べ(2023年5月) さらに近年著しく成長しているCTV広告でもIDレスが課題となっています。Rokuのように専用端末を提供する方式であれば端末ごとの専用IDを付与できる場合がありますが、その他多くのFAST(Free Ad-Supported Streaming TV)と呼ばれる広告付き無料ストリーミング形式では広告配信用のIDが統一されていません。 プライバシー保護は「企業DNA」 ―IDレスが進行した背景には、ユーザーのプライバシー保護意識の高まりがあったかと思います。貴社のユーザー識別ソリューションはユーザーのプライバシーを保護できるのですか。 シュケディ氏:プライバシー保護こそ当社技術の核心であり、また当社の企業DNAに刻み込まれています。広告バナーの右上に出てくる「AdChoices」という表示を目にしたことがあるかと思います。これをクリックすると、行動ターゲティング広告の配信を拒否(オプトアウト)する選択肢が示されます。この仕組みを考案し、業界全体に普及させた企業こそ、Intent IQの親会社であるAlmondNetなのです。 なお、Intent IQの識別子はユーザーの氏名やメールアドレスの取得を必要としません。またEU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州個人情報保護規則(CCPA)を始めとする各市場の法規制にも準拠しています。 ―貴社IDソリューションの一般的なユースケースを教えてください。 シュケディ氏:当社の顧客には、パブリッシャー全般に加えて、ヘッダービディング事業者やアプリ内広告関連のベンダーや動画配信プラットフォームなどが含まれます。いずれもCPMやフィルレートといったKPIの改善を目的として導入いただくことが多いです。当社IDを付与することで広告在庫の価値が上がるので、単価上昇や入札増を見込むことができます。 ―いわゆるゼロクリック検索によって各パブリッシャーのトラフィック及び収益は減少しつつあります。CPMやフィルレートの改善によって、減少した収益をどれほど取り戻すことができるのでしょうか。 シュケディ氏:例えば、生成AIの台頭によってある特定のサイトが20%のトラフィックを失ったとしましょう。そして、そのサイトのトラフィックの60%をiPhoneが占めると仮定します。また、Intent IQの増収効果は主にPrebid経由での収益となるので、25%がPrebid経由と仮定します。 Intent IQを導入することで、Prebid経由の収益は平均で20~40%増加します。全体収益でも3%〜6%は取り戻すことができます。少なく感じるかもしれませんが、実際にはPrebid経由でのオークションプレッシャーが高まることによって、Intent IQでは把握できない他のデマンドソースの収益もアップするため増収効果は更にあると考えられます。 常態化したIDレスに対応せよ ―日本市場の独自性は何だと思いますか。 シュケディ氏:まずiOSの普及率が高いことが挙げられます。加えて、日本では仕事用と家庭用など複数の携帯電話を持つことが一般的なので、IDブリッジング技術を活用する余地が大きいと思います。 また日本人は概して正確性を追求し、責任感が強くて忠誠心があり、各機能が実際に作動している証拠を目にしたいとの要望を示すことが多いとの印象を持っています。こうした価値観は、当社の企業文化とも一致します。当社でも各種のソリューションが正確に機能することを実際の作業環境で示すことを重視し、また欧米企業では珍しく、数十年単位で勤務を続けている社員がたくさんいます。 ―IDレスは今後さらに深刻化すると思いますか。 シュケディ氏:オンライン広告業界に長らく従事してきましたが、分かっていることはこの業界は絶えず変化しているということだけであり、市場の未来を予測することなど誰もできません。「サードパーティCookieが使えると思っていたら使えなくなりそうだったが気付いたらまた使えるようになっていた」というような事態は今後も起こり得るでしょう。 ただし、確実に言えるのは、IDレスは既に現実と化しているということです。 シュブ氏:つまりパブリッシャーは、未来を見通すまでもなく、目の前にある現実に対応する手段としてID戦略を検討することが求められています。 市場には既に各種のIDソリューションが普及していますが、パブリッシャーの皆様にはそれらのソリューションを一通りテスト導入することをお勧めします。そうすれば、自社のトラフィックとオーディエンスにとってどのようなソリューションが最適であるかを把握できるからです。 シュケディ氏:IDレスが常態化したことで、IDソリューションは今や基盤的な設備となりました。ありとあらゆるパブリッシャーが、その事業を営む上では何らかのIDソリューションを導入することが求められる時代になっていると私は思います。
「なんでも食べてしまう帽子」が街を飛ぶ──LIVE BOARD×電通が生んだキャラクター「ライブボーシ」の舞台裏【インタビュー】
LIVE BOARDをもっと街ゆく人々の目に止まるようなものにしたい──。デジタルOOHアドネットワークを展開する株式会社LIVE BOARDは、その課題意識から2025年初頭、オリジナルコンテンツの企画に着手した。株式会社電通と約1年半の構想・制作期間を経て生まれたのが、帽子型キャラクター「ライブボーシ」である。「なんでも食べてしまう」、この少し不条理なキャラクターは、LIVE BOARDが掲げるセレンディピティ(偶然の出会い)という価値をどう体現しているのか。 制作を担当した株式会社電通の萬田氏と、LIVE BOARDで本プロジェクトを推進した佐野氏に、今回の取り組みを聞いた。 (Sponsored by LIVE BOARD) ※インタビュー出席者の名前・所属等は写真の左から次のとおり。 萬田 翠 氏:株式会社電通 第1CRプランニング局 クリエイティブディレクション1B部 アートディレクター/ CMプランナー 佐野 祥子 氏:株式会社LIVE BOARD ストラテジー部/インサイト部 スペシャリスト LIVE BOARDらしさを説明せずにどう生活者に伝えるか ―自己紹介をお願いします。 萬田氏:電通でアートディレクターをしている萬田と申します。普段はアートディレクションを中心としながら、企画・映像プランニングにも関わっています。また、会社の仕事とは別に絵本を作るなど、イラストレーターとしての活動もしております。 佐野氏:LIVE BOARDでデザイン業務を中心としながら、広報やインタラクティブな配信手法の開発、クリエイティブ関連などに関わっています。LIVE BOARDのことをより知っていただき、広告主と街ゆく人々とのワクワクするコミュニケーションを活性化させることができれば、と日々業務に取り組んでいます。 佐野氏 -今回、オリジナルコンテンツ・キャラクターを制作することになったきっかけを教えてください。 佐野氏:発端は「LIVE BOARDをもっと街ゆく人々の目に止まるようなものにしたい」という想いです。 元々はLIVE BOARDのコーポレートカラーであるブルーを使ったクールなクリエイティブを放映していたのですが、それだと街行く人の足を止めることはなかなか難しい。もっと「LIVE BOARDを街中でよく見るよ」、という声を増やしたり、「この媒体には価値があるな」と思っていただきたい。そう考えて、魅力のあるコンテンツを作ろうということになりました。 2025年の年明けから様々なクリエイティブチームの方々とコミュニケーションを重ねてきましたが、その中で、今回の私たちの目指す方向性や課題に対して、最も深く共鳴し、具体的な形としてご提案くださったのが萬田さんを含めたクリエイティブチームの皆さまでした。 -オファーを受けた際、萬田様は率直にどのような感想を抱かれましたか。 萬田氏:チームのみんなで会話を進めるなかで「キャラクターを1つのコンテンツとして作れば絶対に効果があるよね」という話は挙がっていました。 ただ、LIVE BOARDさんは、データを使って様々なことができるメディアなので、その特性をきちんと伝えるキャラクターを作るべきなのか、それとも本当にシンプルにすごく可愛いキャラクターを作るべきなのか、その塩梅の難しさは率直に感じていましたね。 佐野氏:我々からも「LIVE BOARDはこんなことが出来る」という直接的な宣伝をするのではなく、街行く人々がワクワクして、もっとLIVE BOARDのことを知りたくなるようなコンテンツにしたい、とお伝えしました。 ただし、そのうえでLIVE BOARDらしさも組み込んで欲しい。一見矛盾してしまうような、難しいお願いをしました。 OOHの魅力として、偶然の出会い=セレンディピティというものがあります。街を歩いていたら偶然目に留まる広告があり、その広告がその人のモーメント(生活者の状況や気分)をうまく捉えられた場合、広告の効果が最大化する。 LIVE BOARDのいいところは、ドコモのビッグデータを活用・分析して、この偶然の出会いを広告プランニングとして設計し、生み出すことができるという点だと思っています。ただ、これをそのまま説明してしまうと、まさしく「宣伝」で街中の生活者には響かないメッセージになってしまう。 そうではなくて、生活者の方には街中での偶然の出会いを偶然だと感じずにワクワクしてもらい、何度も見たくなる。そのようなコンテンツを実現できないかというところを、かなり丁寧にご相談させていただいて、様々な案をいただいたという形です。 萬田氏 不条理=偶然、ライブボーシが生み出す様々な出会い -「ライブボーシ」はどのような着想から生まれたのでしょうか。 萬田氏:佐野さんが話してくださったような「偶然の出会いを演出するメディアである」というところは下敷きにしましたが、それをそのまま行儀良く説明するようなものだと、やはり街に馴染んで愛されるキャラクターにはなりづらいかなと。 という上で、ある種の不条理な感じというか、理屈だけではうまく説明しきれないところが大事なような気がしました。そうなったときに、これは言葉遊びでもあるのですが、ライブボードで「ライブボーシ(帽子)」だと。 帽子自体の感情だったり、なぜこの子がこういう行動をするのかが、あまりわかりきらない。だけど、みんなに被さったり、頭にぴょこんと乗ったりして偶然の出会いを演出してくれる、ちょっと不思議な子。そういう、少しだけ謎を残したような塩梅の帽子のキャラクターに着地していきました。 -デザイン面でのこだわりのポイントはどこにありますか。 萬田氏:本当にシンプルな帽子のキャラクターなので、顔の表情の絶妙な感じみたいなところは、こだわったつもりです。「なんだこいつ、憎めないな」と思わせる、若干の間抜け感みたいなところは大切にしました。 OOHメディアさんというのはどうしてもビジネスっぽい、真面目でかっちりした印象を持たれてしまいがちかなと思ったので、そういうイメージを少しでも柔らかくできるような、少し手作りの温かみ、揺らぎがあるニュアンスを大切にしました。 -ライブボーシを使ったキャラクター映像と企業用映像を制作されました。それぞれのコンセプトや狙い、ストーリーを教えてください。 萬田氏:大きく分けて、15秒のものが3本と、30秒のものが1本あります。 15秒のほうは、ライブボーシが色々なものを「食べちゃう」という内容です。羊だったり、おじいさんだったり、カニだったりを、偶然の出会いということで、急に食べてしまう。その結果として、彼らに少しだけ、予想もしなかったハッピーな出来事が起こる、というストーリーになっています。 こちらはシンプルにコンテンツとして楽しめるものになっています。街で流れていて「これはなんだ?」と思うような、ちょっと不条理でおかしい感じ。そういう印象がより強く出るように作っていました。 一方、30秒の少し長いものは、LIVE BOARDさんのセレンディピティな出会い、皆さんに色々な素敵な出会いをもたらしたいという思いを汲み取ったものになっています。色々な人の出会いを通じて、ライブボーシが世の中に広がっていくことが伝わりやすいようにしようと思って作りました。 15秒CM(羊ver) 30秒CM ライブボーシが広告にいたずら?広告クリエイティブとの連動も視野に -ライブボーシはどのような形で一般生活者の目に触れていく予定ですか。 佐野氏:7月1日からライブボーシのCM放映が開始されまして、全国のLBオウンドメディアを通じて色々な街で放映されています。社内でもとても好評なので、ぜひ第2弾、第3弾とコンテンツ映像を一緒に作っていけたらと思っています。また、Tシャツやステッカーなどのグッズ展開のほか、名刺やホームページにも入れたいなど、様々なアイデアが社員からも出ています。 -放映メディアとのコラボレーションも検討されていると伺いました。 佐野氏:LIVE BOARDの特徴として、媒体周辺の環境、天気や気象情報に合わせて広告配信を制御できる機能があります。例えば30度以上なら暑い日用のクリエイティブを放映する、雨が降っていたら雨の日用のクリエイティブを放映する、といったことが可能になっています。 ここにライブボーシが、広告に勝手にいたずらを加えるような形で登場しても面白いですね。雨の日には広告内の登場人物にライブボーシが勝手に傘をさしてあげる。花粉が強い日には、画面を埋め尽くす花粉をライブボーシがふーふーして画面を綺麗にしてくれる。 そんなふうに周りの環境と連動して、ライブボーシが広告にいたずらをする。それによって、街行く人々が「面白いな」とワクワクしてもらう瞬間を作れないかなと思っています。 ほかには実写化にも取り組んで行けたら面白いですね。実写のライブボーシとゲストが対談し、最後にゲストがライブボーシを被る。対談を通じて仲良くなれていたらハッピーになれるけど、仲良くなれていなかったら食べられちゃう、、、というのはどうでしょうか(笑) まだまだ構想段階ではあるのですが、ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。 萬田氏:私たちのチームでも、冬はニット帽になるとか、気温によってキャップになるとか、そういうこともできたりしたら面白そうだよね、という話はしたりしていました。 納品して「はいありがとうございました」で関係性が終わることも多い中で、これほど色々なご意見を出していただけるのは、すごく嬉しいですし、ありがたいです。ぜひ一緒に展開出来たらいいなと思います。 佐野氏:LIVE BOARDは2019年に創業した比較的新しい会社ですが、ゼロから作り上げてきたという思いもあり、自社への愛が強いメンバーが多いです。そうした中で初めて作っていただいたキャラクターの「ライブボーシ」というキャラクターは、私たちメンバーの思いを体現していると感じています。「ライブボーシのいたずらにより、街ゆく人々がちょっとハッピーになる」というコンセプトは、まさしくLIVE BOARDが実現したい未来の姿そのものです。なので、どうやってライブボーシを盛り上げていこうかという意見が活発に出ていますね。 LIVE BOARD「AOYAMA STREET BOARD」前にて撮影 ワクワクするコミュニケーションが生まれる環境へ -最後に、ライブボーシを通じて今後、一般の生活者やクライアント企業に、LIVE BOARDをどのような存在として認知していってほしいですか。 佐野氏:広告主と生活者がワクワクするコミュニケーションを取ることができる媒体であると、認知してもらえるきっかけにできればいいなと思っています。 とはいえ、それを直接的に伝えるのはなかなか難しいので、まずはLIVE BOARDではハッピーなクリエイティブが流れていることを認知していただければと考えています。 私たちの願いは、生活者の潜在的な欲求を引き出すコミュニケーションを、適切なタイミングで取れるようにすることです。そういうコミュニケーションを、クライアント企業と一緒に設計できる環境を提供したい。想像していなかったけれど、本当は出会いたかったもの。そういうものとの出会いを作れる仕事なのだと、改めて感じる機会になりました。 萬田氏:まず広告業界内の方々には、LIVE BOARDの機能としての面白さや、チャレンジングな姿勢を持っているメディアだということをより知ってもらいたいですね。そのうえで、みんなで楽しい使い方を生み出して、考えていきたいなという気持ちがあります。 それこそクリエイターの方からも「面白い映像を流すにはどの場所が良いか」ではなく、「LIVE BOARDを使ってどんな面白い映像を流せるか」と、メディアを起点とした発想が出て来ても面白いですよね。 そのうえで一般の生活者の方からも、「あのメディアを見たら面白い映像が放映されているから見てみよう」と思われるようなものになったらいいですよね。まずは [...]
RTB House、日本オフィス開設8周年記念パーティーを開催。日本が主要市場へ成長、AIとLLMで進化するアドテクノロジー
独自のディープラーニング技術を活用し、高精度なデジタル広告ソリューションを提供するRTB Houseは、日本オフィス開設8周年を記念したパーティーを開催した。同社キーパーソン3名による発表では、日本市場における歩みと飛躍が続いている現状、組織体制の強化、さらにRTB Houseが開発を進める最新の次世代マーケティングテクノロジーが明らかになった。 (Sponsored by RTB House) 日本の顧客数はRTB Houseグローバル全体で最大へと成長 イベントの幕開けとして登壇したのは、同社の北アジア地域新規事業開発を統括するヴェロニカ・クレク氏。冒頭、会場に集まった数多くのクライアントやパートナー企業に対し、日頃の支援への深い感謝の意を表明した。 ポーランド発祥のグローバルアドテク企業であるRTB Houseにとって、8年前の日本市場への進出は大きな挑戦だったという。「遠く離れた日本市場への第一歩でしたが、振り返れば間違いなく正しい決断でした」とヴェロニカ氏は語る。 同氏が示したデータによると、現在日本オフィスは同社グローバル全体において、売上規模でアメリカ、ドイツ、本社を置くポーランドに次ぐ世界第4位へ成長。さらに、顧客数においてはグローバル最大の市場へと飛躍を遂げたとのことである。 今後の展望として、ヴェロニカ氏は「今後18ヶ月以内に日本市場におけるリーダーになること」という野心的な目標を掲げ、グローバルの技術知見とローカル市場への深い理解を融合させることで、十分に実現可能であるとの強い自信を示して挨拶を締めくくった。 今後の成長を支える組織再編 続いて登壇したRTB House Japanカントリーマネージャーの奥内 鉄治氏は、日本国内における具体的な事業成長の推移と、今後の成長を支えるための組織の再編について発表を行った。 同社の事業推移データによると、日本市場におけるアカウント数と売上高は右肩上がりの成長となっている。特に2025年後半以降、ベースラインが大きく引き上がっている点に触れ、大型クライアントにおける新規導入・運用が開始したことに起因しているとした。日本国内でのディープラーニング広告への信頼感が強まっていることを物語っている。 さらに、急増する需要への対応を進めるため、奥内氏は組織の再編を発表した。これまで一つのAPACリージョンだった組織を、日本と韓国を「ノースアジアリージョン」、その他の国を「グレーターアジアリージョン」の2つに分割し、各リージョンに責任者を配置。各国のマーケットに対し、より迅速かつきめ細かい対応が期待される。 奥内氏は、「日本の体制は現在53名となり、ノースアジアのコアとして機能しています。新体制のもと、既存のお客様への運用支援と新規セールス、テックサポート、パブリッシャー対応の各チームが一丸となり、更なる価値提供を目指します」と今後の意気込みを語った。 AIとLLM時代のリターゲティング 最後に登壇したのは、RTB House VP, Global Product Commercializationのジェイセン・グレスピー氏。「改善(KAIZEN)」のプリンシパルと合致した、継続的改善できるような取り組みをエンジニアリングチームの核に据えているとし、RTB Houseの全製品を支えるAI・ディープラーニング・大規模言語モデル(LLM)の進化についてプレゼンテーションを行った。 ジェイセン氏はまず、アメリカのデータを参照し、OpenAIのChatGPT経由でのEC流入が現時点でまだ約0.3%程度にとどまっているものの、AIがユーザーに対して新しいブランドや商品を紹介することで購買の選択肢が増えており、広告主にとっては多くのユーザーの目に触れる機会が増えていることに触れた。一方で、選択肢の増加により、ユーザーが購買に至るまでの比較・検討時間が長くなっている点を指摘。低価格から高価格商品まで、消費者は複数回サイトを訪問して慎重に購入を決定する傾向が強まっているとのことである。 また、従来の機械学習やコンテキストターゲティングの問題点として、文脈認識のミスを挙げた。キーワードマッチングにおいては、例えば「犬」について書かれたウェブページに、企業が「犬用のセーター」の広告を配信したとする。しかし、そのページが実際には犬に関わる事件や事故といったネガティブな内容であった場合、そこへの広告配信は明らかに不適切となる。 こういったコンテキストターゲティングのミスを防ぐため、非構造化データを自然に処理できるディープラーニングと大規模言語モデル(LLM)こそが鍵になると論じた。 RTB Houseが提供する「Semantic Intelligence」は、LLMを活用してウェブページ上の文章や文脈、パブリッシャーのファーストパーティデータ、ユーザーの行動履歴を高度に理解し、広告配信に活用する。インターネット上の数億のURLの内容を精緻に分析し、商品カタログと最適なマッチングが行われる。たとえば、乗馬用ヘルメットに関する記事を読んでいるユーザーに対して、関連する乗馬に必要な器具をレコメンドするといった、従来のアプローチでは難しかった、深いコンテキストの紐付けが可能となる。 最後に、ジェイセン氏は「Semantic Intelligence」を支えるAI基盤のコア技術「Transformerモデル」の進化に触れた。 従来の機械学習が「過去に購入履歴がある」「14ページ閲覧した」といった集計データのみを扱っていたのに対し、Transformerを組み合わせることで、より細かい粒度のデータを見ることができる。「購入された正確な日時」「購入した商品」「正確なSKU」といった詳細なデータにより、ユーザーの未来の行動を精密に予測することが可能になるという。このディープラーニングにTransformerを組み合わせる技術は現在テスト段階であるが、RTB Houseは実用化に向けて、大きな期待を寄せている。 「これらの技術開発は「改善(KAIZEN)」の一環であり、この仕組みはあらゆる言語で機能し、広告キャンペーンにも自動的に適用される予定です。ECには商品詳細、カート追加、ウィッシュリストといった独自の言語が存在します。Transformerによって、私たちは初めてコマースの言語をネイティブのように話せるようになるのです」と結び、熱のこもったプレゼンテーションを締めくくった。 イベントの後半は、株式会社ベルーナ EC事業本部Eマーケティング部 部長代理の蓮沼 光紀氏による乾杯の挨拶に始まり、Top Agency Awardsの表彰、豪華景品が当たるクイズ形式でのゲームが催され、ゲストを楽しませた。 閉会の挨拶には、同社北アジア地域マネージングディレクターのヤコブ・ラタイチャック氏が登壇し、来場者への感謝と引き続きの支援・協力を呼びかけた。RTB Houseの日本市場におけるめざましい発展が印象的であり、またゲストへの温かい心遣いが感じられる8周年記念パーティーとなった。
ジェイアール東日本企画、JR四国主要4駅のデジタルサイネージをMASTRUMで販売ほか|ExchangeWire Japan YouTube第5回
ExchangeWire Japan編集部は8月7日、デジタル広告業界の主要ニュースを映像と音声で伝える動画の第5回をYouTubeで公開した。 目と耳でニュースに触れられる新しい形式として、継続シリーズでお届けする。 ■Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@ExchangeWireJapan ▼【ニュース】ジェイアール東日本企画、JR四国主要4駅のデジタルサイネージをMASTRUMで販売ほか:ExchangeWire Japan(ExchangeWire Japan公式YouTubeチャンネル) 第5回となる今回の動画では、ジェイアール東日本企画によるJR四国主要4駅のデジタルサイネージ販売開始を中心に取り上げている。 ジェイアール東日本企画は7月28日、広告配信プラットフォーム「MASTRUM」で、JR四国の主要4駅に設置されたデジタルサイネージの販売を開始したと発表した。対象は、高松駅のコンコース正面入り口とコンコース、松山駅の自由通路、徳島駅と高知駅のコンコースに設置された計20面。四国エリアの駅デジタルサイネージがMASTRUMで販売されるのは、今回が初となる。販売方法は1週間単位のフィックスド配信で、掲出終了後にはインプレッション数やリーチ、属性などの広告接触者レポートを広告主へ提出する。MASTRUMは、先端技術と独自データを活用して国内OOHメディアのDXを進め、広告費用対効果の可視化や媒体取引の自動化など新たな価値の提供を目指している。 ■プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000635.000041458.html このほか、動画では以下のニュースを紹介している。 Hakuhodo DY ONE:Googleの直接取引インフラ「Buyer Direct」を活用したプレミアム動画広告配信の実証実験を実施、新規ユーザーへのユニークリーチが約20%向上 ■プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000140732.html Nielsen:AI活用の広告インテリジェンスツール「Ad Intel AI」を発表 ■URL:https://www.prnewswire.com/news-releases/nielsen-launches-ad-intel-ai-the-only-product-of-its-kind-that-transforms-fragmented-ad-data-into-actionable-intelligence-302834319.html ジグザグ:越境ECの海外向け広告支援サービス「WorldShopping BIZ Growth」の提供を開始 ■プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000349.000018480.html Vusion:スペインの店舗内リテールメディア企業In-Store Mediaの買収に向け契約を締結 ■URL:https://www.vusion.com/fr/newsroom/vusion-annonce-un-accord-en-vue-dacquerir-in-store-media/ Guideline:広告インテリジェンス製品に約200億ドルの広告費・価格データを追加 ■URL:https://www.prnewswire.com/news-releases/guideline-expands-the-size-of-its-ad-intelligence-product-adding-20-billion-in-spend-and-pricing-data-through-several-new-partnerships-302835367.html ZETA:電通出身の古谷宗章氏が8月1日付でCMOに就任、リテールメディア広告・エージェンティックコマース事業を統括 ■プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000638.000038104.html WebFX:約60万件のAI経由セッションを分析、92%が比較検討・意思決定段階のコンテンツに流入 ■URL:https://www.prweb.com/releases/webfx-study-analyzes-nearly-600-000-ai-sessions-finds-92-of-traffic-lands-on-consideration-and-decision-stage-content-302834597.html ぜひ目と耳でも、ExchangeWire Japanをご覧いただきたい。
AI全盛期にトラック広告が伸びる理由──ohpner土井健氏に聞く、モビリティ広告市場の成長構造-[MarketInインタビュー]
デジタル広告におけるAI活用が進み、狙った層へ的確に届けられるようになった一方で、「決まった池の中で同じ魚を釣り続ける」状態への課題意識も広がっている。そのなかで、30年以上の歴史を持ちながら整備が進まなかったアドトラック市場が、「モビリティ広告」として再び注目を集めている。 運用型テレビCM事業での出稿経験を経てこの市場に参入したのが、ohpner株式会社(オープナー)代表の土井健氏だ。同氏は、事業の本質は「販売」ではなく「製造」と「運用」にあると語り、台数の拡張局面でこそ事業者間の差が表れると指摘する。 本記事では、ユーザー・広告主・事業者それぞれの視点から見た市場成長の背景、複合接点を前提とした最近の出稿トレンド、地域条例による規制動向、そして自動運転を見据えた市場の将来像について聞いた。 1. 事業概要と、この市場に取り組んだ経緯 ―― まずohpnerの事業概要と、モビリティ広告に取り組むことになった経緯を教えてください。 ohpnerは大きく二つの事業を手がけています。一つはオフライン広告の媒体づくり、つまりオフラインメディア事業。もう一つは、オフライン広告を使った企業の成長支援、いわゆる代理店事業です。その中で、オフラインメディアの領域でモビリティ広告──これまで「アドトラック」と呼ばれてきた分野に注力して取り組んでいます。 取り組もうと考えた背景には、前職の運用型テレビCM事業時代の経験があります。当時、自社で3年間に10億超の広告費を投じ、タクシー広告やエレベーター広告に出稿していました。その中でアドトラックにも出稿してみたところ、確かな反応があるということを自分の実体験として感じたのです。 一方で、この業界は30年以上の歴史がありながらも、非常に混沌としており、さまざまな整備がなされていませんでした。大きなポテンシャルがあるにもかかわらず、整備が行き届いていないという歪みを見つけたのです。そこで、自ら参入し、もう少し体制を整えたうえで、しっかりとした広告主、ナショナルクライアントにも使っていただけるものにして提供したい──そう考えて始めた、というのが背景です。 ※参考:アドトラックをモビリティ広告へ再定義した理由——業界課題とその背景 ※本記事は、株式会社デジタルインファクトが運営する情報プラットフォーム「MarketIn」の連載企画「マーケットリーダーズ」からの抜粋転載です。 MarketInでは、本インタビューの全文を掲載しています。 ・ユーザー・広告主・事業者から見た、市場成長の3つの背景 ・現在の市場規模感と成長スピード ・複合接点を前提とした、直近の出稿トレンド ・地域条例による規制動向 ・自動運転を見据えた、市場の将来像 続きはこちら 取材・構成:株式会社デジタルインファクト
ブランドを伝えるアイデアは異業種から得る-Magnite Doris Sun氏
デジタル広告業界で働く広報・マーケティング担当者は、専門性が高く難解な業界用語と向き合いながら、形として見えにくい自社プロダクトやサービスを、日々顧客をはじめとする様々なステークホルダーに、ストーリー性をもって分かりやすく伝え、自社のブランド価値を高めていくことが求められる。 そんなミッションをもつ広報・マーケティング担当者は日々何を考え、どんなことに向き合っているのだろうか。デジタル広告業界の広報・マーケティングのプロフェッショナルにインタビューを行い、彼らのリアルに迫る。第9回は、MagniteのDoris Sun氏にお話を伺った。 (聞き手:ExchangeWire JAPAN 角田 知香) 【インタビュー対象者】 Doris Sun(ドリス・サン)氏 Magnite シニアマーケティングマネージャー シンガポールで複数の企業で消費者向けのマーケティング担当を経験し、SSPのSpotXに入社。Magniteの買収後、同社のAPACマーケティングチームに所属する。シンガポールオフィスで勤務ののち東京オフィスに配属となり、現在は日本市場向けのマーケティングを担当する。 【インタビュー対象企業】 Magnite デジタル広告取引を支えるグローバルアドテクノロジー企業。主にSSP(Supply-Side Platform)を提供し、メディア企業やCTV/動画配信事業者の広告収益最大化を支援している。広告主・DSP・パブリッシャーをつなぐプログラマティック広告取引基盤を運営し、オープンインターネットにおける効率的で透明性の高い広告取引を推進している。 -現在ご担当されている業務領域を教えてください。 サン氏: 主な業務は、イベントの企画運営、リサーチやインサイトの収集、ケーススタディの作成、営業担当者への支援業務です。APACを管轄するマーケティングチームに所属しており、私の担当は日本です。オーストラリアの上司、グローバルでのマーケティングチームやレベニューチーム、プロダクトチームなど多くの人と協業します。 マーケティングから広がる世界 -これまで様々な場所でマーケターを務められていたのですね。 サン氏:シンガポールでは、BtoC企業のマーケター、またアフィリエイトマーケティング企業などで働きました。テクノロジー業界に深く関わるようになったのはMagniteからです。以前のBtoCの仕事に比べると、アドテク業界は毎年すごいスピードで変化していきます。少し混沌としているときもありますが、停滞することのないこの業界は楽しいです。 3年前にMagniteのシンガポールオフィスから東京に移ってきました。BtoC・BtoB両方のマーケターとして経験を積んできましたが、「会社のメッセージを外部にどのように伝えるか」をクリエイティブに考えることは共通しており、マーケティングの汎用性に楽しさを見出しています。世界中の人々と仕事ができ、それぞれの専門性に触れることができる点もとても面白いです。 -主な顧客層を教えてください。 サン氏:Magniteはデジタルエコシステムの中心にいる存在なので、SSPとして媒体社、バイサイドではDSPや広告主、代理店などとも関わります。また計測を行うデータベンダーなどのサードパーティベンダーとも関わります。主に営業チームが顧客と直接向き合い、私は間接的に顧客が必要とするものを把握します。 -会社全体の雰囲気はいかがですか。 サン氏:東京オフィスは20人に満たないメンバーで、皆とても協力的で社員同士の結びつきが強く、楽しい職場環境です。全員と英語でコミュニケーションをとることができます。 20・30代の社員が多く、カラオケなどの社内イベントがあったりと、仕事以外の場でもメンバー同士の関係は良好です。 Magniteにはコラボレーションや助け合いといったカルチャーがあり、それは世界各国のオフィスに共通しています。社員一人ひとりのウェルビーイングを大切にし、それぞれが最大限の力を発揮できる環境づくりに力をいれています。 その一環として、Magniteでは年間を通じてグローバル全体や各チーム単位でさまざまなイベントを開催しており、社員が学びやコラボレーション、知識の共有を目的に集まる機会があります。こうしたイベントは、全員が共通の目標を再確認するとともに、グローバルで一つのチームとしてのつながりを深める大切な場となっています。 普段は違う国で働く同僚と、イベントで実際に会う機会があることは、非常に大きな価値があります。マーケティング部門は常に、営業、プロダクト、リサーチ、グローバルマーケティングなど、多くの部門と密接に連携しながら業務を進めているので、直接顔を合わせることで、部署を超えた連携がスムーズになり、より強い信頼関係を築くことができます。また、共通の目的意識を持つことは、日々の業務にも良い影響があると思います。 アイデアやインスピレーションは消費者向けコンテンツから -どのような業務に時間を割くことが多いですか。 サン氏:時期によりますが、最近は特定の顧客向けのイベントを開催したので、その運営に時間を割くことが多かったです。こういったイベントは媒体社向け、バイサイド向けなど様々な顧客に向けて行い、また、外部イベントへの出展もあります。以前は東南アジアのイベントも多く担当していたので、ほぼ毎月違う国に行っていましたが、今は人手が増えたこともあり、基本的には日本だけを担当しています。 グローバルのリサーチチームと連携して、リサーチやインサイトの作成にも取り組みます。アジアの市場ではデータやインサイトが重視され、アメリカでは数字よりもストーリーが重視される傾向があります。日本向けにはオムニチャネル、ほかの国ではストリーミング、と国によって焦点を変えたリサーチを作り発表しています。 いつも複数の業務が同時並行で進んでいるので、最も大きな課題のひとつは、適切に優先順位をつけることです。ひとつひとつの締切を考えながら、すべてのプロジェクトにそれぞれ必要な時間を確保しなければなりません。 特にイベントなどの大規模でチームを横断して進めるプロジェクトでは、時間の配分がとても重要だと思います。プロジェクトの成功は私だけでなく、営業、マーケティングなどのさまざまなチームメンバーと時間や優先順位を調整しながら進められるかどうかにも左右されるためです。明確なコミュニケーション、綿密な計画、そして早い段階で優先順位を設定することが、プロジェクトを円滑に進めると同時に、関係者全員の時間を有効に使ううえで欠かせないと考えています。 -業務で注力していることは何ですか。 サン氏: 常に「私たちのマーケティング施策が、チームの事業目標をサポートできているか」を確認することです。Magniteブランドをより魅力的に見せる方法もいつも考えています。 Magniteのブランドがマーケットで適切に表現され、明確なメッセージを発することができているか。技術的な内容を分かりやすく伝えるために、最近は動画やアニメーションにも挑戦しています。 新しいアイデアはマーケティングチームと一緒に考えますが、その過程はとてもクリエイティブで楽しいです。ブランディングは、アドテク以外の業界の企業からインスピレーションを得ることが多いです。BtoC、消費者向けマーケティングはクールで独創的なアイデアにあふれているので、同業者やBtoBから離れて、様々なアイデアを応用したいと考えています。イベントもやりがいがありますが、こういったプロセスには新しいものを実験する楽しさがあります。 -いま最もPRしたいことを教えてください。 Magniteは、日本においてより信頼性が高く、高品質でAIを活用したプログラマティック広告エコシステムの構築を推進しています。近年では、デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の認証を取得し、広告主・媒体社双方に対する透明性と品質への取り組みをさらに強化しました。また、AIエージェント同士の連携を可能にする新たなコーディネーションレイヤー「Magnite Orchestration」を発表し、プレミアム広告在庫の価値を最大化しながら、広告取引の自動化と効率化を支援しています。 Magniteは、日本を代表する独立系セルサイド広告プラットフォームとして、CTV、ストリーミング、デジタル動画、モバイル、デジタル音声広告、プレミアムデジタルパブリッシャーなど国内有数のメディア企業と連携し、媒体社の収益最大化と、広告主による信頼性の高いメディア環境での広告配信を支えています。 ぜひ最新情報をご覧ください。 [ https://www.exchangewire.jp/2026/07/14/news-magnite-jicdaq/] [ https://www.exchangewire.jp/2026/06/19/news-magnite-magnite-orchestration/]
運用型広告を蘇らせるIntent IQのID技術-「運用型広告の限界」と「PMPが売れない壁」をどう突破するか?[イベントレポート]
2026年5月13日、東京・六本木にてメディア向けイベント「「運用型広告の限界」と「PMPが売れない壁」をどう突破するか?〜『運用型広告』を蘇らせるID技術と、『高単価PMP』を引っ張る直営業の裏側〜」が開催された。プレゼンテーションに登壇したのはアイデンティティソリューションを展開し日本に市場を広げているIntent IQと、ウェブメディア運営企業及びアプリ開発者向けにメディアパートナー事業を展開する株式会社フォーエム。それぞれパブリッシャーの収益最大化を実現する独自のソリューションを紹介し、パブリッシャーが直面する課題への取組実績を共有した。 (Sponsored by Intent IQ) パブリッシャーの収益課題に挑むIntent IQ IDソリューション企業Intent IQは、クッキーレス時代に対応した技術を用いて、パブリッシャーの広告収益向上を実現するアイデンティティソリューションを展開している。プレゼンテーションには事業開発担当上級副社長のタミル・シュブ氏が登壇し、同社の技術概要やグローバルでの実績、日本市場での成果について紹介した。 Intent IQはiOS及びSafari環境における広告収益課題の解決に特化したIDソリューションを提供する。Safariでは取得可能な識別子が限られることで、CPMやフィルレートの低下が起こりやすいが、同社は独自のデバイスグラフ技術を活用してこの課題に対応している。同ソリューションの特徴は、共通IDに依存せず、Safariユーザーのシグナルを補完することで、広告主側のターゲティング精度を向上させる点にある。さらにPrebidやサーバーサイド連携など、多様な実装方式にも対応している。 同社は近年アドテクノロジー業界で高い評価を得ており、2023年・2024年にはThe AdExchanger Awardsにおいてベスト・アイデンティティ・テクノロジー賞を連続受賞。さらに2025年には、Digiday Technology Awardsでベスト・クッキーレス・アイデンティフィケーション・テクノロジー賞を受賞するなど、媒体社向けソリューションとしての革新性が評価されている。 IAB標準にも採用された「Bid Enhancement」 Intent IQの中核プロダクトが「Bid Enhancement(入札強化)」。同社が開発したIDブリッジング技術を基盤としており、その仕組みはオンライン広告の技術標準を策定するInteractive Advertising Bureau(IAB)の正式仕様として採用されている。 Safariユーザーがサイトへアクセスした際、通常はそのままSSPへ送られるビッドリクエストに対し、Bid EnhancementではIntent IQが介在する。独自のデバイスグラフを活用し、「このSafariユーザーはChrome環境ではどのIDに該当するか」をリアルタイムで推定し、その情報をSSPやDSPが利用可能な識別子として補完することで、広告主側はより精度の高いターゲティングを行えるようになる。これにより、媒体社はSafari環境でも広告価値を高めることができる。さらにIntent IQでは、ABテストやリアルタイム分析も実施し、「IDあり・なし」での収益差分を継続的に可視化しているとのことである。 Safar収益の向上を記録した国内外のパブリッシャー Intent IQのソリューション導入は全世界的に進んでいる。まず導入事例として紹介されたのが英大手新聞社デーリー・メール。同社はiOS及びSafari経由のトラフィック比率が高く、識別子不足によるCPM低下が課題となっていた。Intent IQとの連携によりSafari収益は平均27%向上。その成果は過去3年間にわたり継続的に維持されているとのこと。Safari環境でも広告主が適切にターゲティングできるようになった好例である。 フィルレートの大きな改善が見られたのはエンターテインメント系UGCサイトFandom。Fandomもまた、iOS比率の高い媒体としてSafari収益に課題を抱えていたが、Safari収益55〜80%向上に加え、フィルレートは50%改善したという。媒体社にとってフィルレートの改善は、在庫価値最大化の点で大きなインパクトを持つ。 日本国内でも着実に導入が進んでいる。神戸新聞社では2025年初頭から導入を開始し、主にPrebid経由のSafari収益が平均27%向上しているとのことである。その他複数媒体への導入も進んでおり、IDソリューション需要の高まりがうかがえる。 Cookieレス時代において、媒体社が広告収益を維持・向上させるためには、単なる広告配信技術ではなく、「ID戦略そのもの」が競争力になる。Intent IQの事例は、国内パブリッシャーにとって大きな示唆となったのではないだろうか。 プレミアムブランドを惹きつけるFourMのPMP配信 続いて登壇した株式会社フォーエムのデマンドチームを率いる小山氏は、パブリッシャーの収益性低下という課題に対し、パブリッシャーが持つ良質なアセットと連携することで、多くのブランド広告主からの予算獲得を牽引している実績を語った。現在、同社のPMP取扱高は前年比200%以上と急成長を遂げている。 同社が注力するPMP(プライベートマーケットプレイス)配信は、従来のオープンオークションが抱える不透明さを解消し、特定の広告主とメディア間で高単価な取引を実現する仕組みである。CPMは一般的なオークションの5〜10倍にものぼり、メディア側の開発負担がない「ハイインパクトな広告フォーマット(通称:SKINフォーマット)」を自社開発することで、ユーザーのアテンションを最大限に引き出している。 小山氏は「SNSなどのウォールドガーデンに対し、能動的なユーザーが集まるオープンウェブにはコンテンツに対する深い没入感や、メディアそのものへの強い信頼がある」と強調。PMPにおけるSKINフォーマットの導入やメディアのデータ活用など、パブリッシャーと共に広告価値を発見し、連携を強めることで、広告主へその真価を伝えていくという。こうしてメディアに還元された広告収益がコンテンツの質を高め、さらなるトラフィックを生む「収益の好循環」を業界全体に創り出すビジョンを語り、プレゼンテーションを締めくくった。 選ばれるメディアは何を考えている? イベントの後半では、「選ばれるメディアは何を考えているのか」をテーマにパネルディスカッションが行われた。女性向け出版メディアを展開する株式会社Donutsの清水氏、海外エンタメ専門メディア「THE RIVER」を運営する株式会社riverchの中谷氏が登壇し、司会の株式会社フォーエム森脇氏とともに、メディアでの広告運用について議論が交わされた。 ユーザー体験とブランド価値を両立するリッチ広告 FourMを介したメディアでのSNS第三者配信について、Donutsの清水氏は「導入当初は、編集部側がコンテンツの見え方やユーザーの心象を懸念していた」と振り返る。しかし、FourMの販売力の強みと信頼関係から導入を決断。結果としてユーザーからのネガティブな反応はなかった。 大手配信プラットフォームの案件を中心に成果を上げているTHE RIVERの中谷氏は、FourMのSKINフォーマットという大型のディスプレイ広告を導入している。「メディアのトップページに、洗練されたクリエイティブが大きく載ることで、メディアに箔がつく。他の広告主へのアピールという副次効果も期待できると考え、嬉しく受け入れた」とのこと。ブランディングの観点からもポジティブな効果を実感している。 「PMP配信の運用上で意識していること」という問いに対し、両者が共通して挙げたのは「案件の可否判断におけるスピード感」であった。広告業界特有のタイトなスケジュールに対応するため、清水氏・中谷氏ともに、Slackなどの通知を受け取るとできるだけ迅速に可否を返答しているという。司会の森脇氏も「スピード感を持って対応してくれる媒体には優先的に案件を提案しやすくなる」と応じ、パブリッシャーとパートナー同士の柔軟で迅速な協力体制が、継続的な案件を引き寄せる鍵の一つになっていることがわかった。
やはり決め手はデータ・楽天が説く古くて新しい郵送DM進化論[インタビュー]
「DM」と言えばSNS上でのやり取りをまずは想起するようになった現代において、楽天の広告は郵送DMという旧来のソリューションを磨き上げてきた。効率化を極めたディスプレイ広告やメルマガ配信といった他のデジタル施策との違いは何か。他の大手広告プラットフォームが積極的に郵送DMに取り組まない背景と併せて探る。 (Sponsored by 楽天グループ) 正確かつ最新の住所データ ―デジタルプラットフォームに位置づけられる貴社がなぜ郵送DMというアナログのサービスに注力しているのでしょうか。 楽天グループの各事業を通じて、楽天会員の消費行動分析データと正確な住所情報を併せ持っているからです。これまで郵送DMサービスの主な担い手はクレジットカードの発行会社様やポイントプログラムを提供するサービス事業者様でしたが、こうした企業が持ち得ないデータを楽天グループは持っています。 さらには「楽天市場」というEC事業を運営しているので、住居が変更される度に住所情報が更新されます。つまり正確かつ最新の住所データから利用規約に基づいて発送することができることが他の広告プラットフォームにはない当社ならではの強みとなっています。 ―架空の住所や古い住所の登録が少ないということですね。 はい。クレジットカード事業やモバイル事業が蓄積する公的証明データが正確性を、「楽天市場」などのEC事業が住所データの最新性を担保しています。その結果として、DMを発送したにも関わらず、きちんと届かなかった割合を示す「未着率」が極めて低いのです。 近年では郵便料金の値上げを受けて、DMの発送費用が増しています。一方で、DMを発送する企業様の目標CPAは変わりません。正確なデータを用いて未着率を可能な限り低下させることがこれまで以上に求められています。 ―確かに自宅の郵便受けに届く紙のハガキや新聞が減った現代において、郵送DMはある種のブルーオーシャンかもしれませんね。 加えて、DMの特性として家族コンバージョンが挙げられます。メールやディスプレイ広告はパーソナル配信に相当します。一方で郵送物は帰宅時に郵便受けから取り出して、居間のテーブルにとりあえず置いておくといったことになりがちなため、家族全員が目にすることが多く、発送件数よりも実際のリーチの広がりが期待できます。DMを手にした家族によるレコメンドも非常に効果的です。 郵送DMはなぜ傍流だったのか ―テレビCMやSNS広告などと比較して、郵送DMにはそれほど多くのマーティング予算が投下されてこなかったように感じます。 正直なところ、郵送DMはマーケティングチャネルの主流ではなかったですよね。これまでは郵送DMを有効に活用できる商材がある程度限定されていたという事情があるかと思います。 というのも、郵送料とデータ利用料を合わせると1件あたり100円以上の費用が発生するからです。単純計算をすると、仮にコンバージョン率が1%であれば、CPAは1万円以上。高単価やLTV型の商品でなければ採算が合わないことになります。 ―どのような商材が郵送DMとの相性が良いのでしょうか。 教育、不動産、自動車などです。まず教育についてですが、塾や通信教育関連の事業者様がマーケティングを行うにあたっては「子どもがいる家庭」というデータだけでは不十分で、「来年4月に小学4年生になる子どもがいる」といった粒度での情報を必要としています。当社は「楽天ママ割」というメンバーシッププログラムへの登録情報や「楽天市場」でのランドセルの購買データなどを通じて、1歳刻みの年齢でお子様がいる家庭を精度高く推測することが可能です。 資料提供:楽天グループ株式会社 不動産については、「楽天カード」を通じて把握した年収帯に基づき富裕層にターゲティングすることも可能です。また、新しい住居を選ぶ際に住み慣れた街であるということに加えて、職場近くであることを重視する方がいると思います。フィンテック事業を通じて勤務地情報も蓄積する当社であれば、勤務地近辺に新設されるマンションを案内するDMを郵送することもできます。 さらに自動車の場合は、「楽天Car車検」のデータに基づき、車の買い替えを行うタイミングでDMを発送できます。 ―逆に言うと、教育、不動産、自動車以外では郵送DMはあまり有効活用されていないのでしょうか。 本来ならば有効活用できるはずなのに、単に「DM担当者がいない」という理由で試していないというケースはかなりあると感じています。 先ほど言及した教育、不動産、自動車関連の企業様の多くは、マーケティング部署にDM担当者を配置しています。それ以外の商材では、デジタル広告に関しては担当を細分化していたとしてもDM担当者の存在は珍しいのではないでしょうか。 勤務先や年収帯データに基づく精緻なターゲティングが可能な当社の郵送DMは、例えば人材サービスにも有効活用し得ると考えていますが、最先端のデジタルマーケティングを駆使している人材サービス企業様でさえ郵送DMについてはノウハウをお持ちでないケースも多く、クリエイティブ制作にまで手が回らないということが往々にしてあります。 ただし、生成AIがこれだけ普及してきたので、クリエイティブ制作に係る課題は解消されつつあるとも思います。 ―教育、不動産、自動車関連企業は自社データに基づく郵送DMを実施しているからこそ担当者がいるのでしょうね。 ただし、各社の会員情報に基づく郵送DMは主に広義のCRMとしてアップセルやクロスセルを行う場合が圧倒的に多いです。 一方で広告が果たすべき主な役割の一つは新規の顧客獲得であり、そのためには非会員つまり外部データを必要とします。会員データと楽天のデータが一部重複する場合は重複部分を除外して配信していただくことが可能です。 ―郵送DMは関東圏全体など一定規模以上のエリアを対象にマーケティング施策を展開する事業者に適しているのでしょうか。一地区だけであれば郵便システムを利用せずに直接投函できてしまいますよね。 DMには、1件あたり100円以上の封入型・郵送型と、ビラ1枚あたり数円程度のポスティング型があります。ポスティング型は圧倒的な低予算で実施できる一方で、年収や職業別のターゲティングができません。 また昨今ではタワーマンションの建設が進み、共同玄関に管理人を配置したり、オートロックをかけたりして、投函目的で建物内部に入ることに制限を設けた建築設計が広がりつつあります。そのような場所には郵送型の方がDMを確実に届けることが可能です。 郵送DMの発展形とは ―自宅の住所に届く郵送DMでは、ターゲティングをされる消費者のプライバシー保護の必要性がさらに高まるのではないでしょうか。 郵送DMを受け取った方が不快な気持ちを抱かぬように様々な配慮が必要だと思います。まず大前提として、当社の郵送DMサービスはあくまでも「楽天グループが楽天会員様向けに送付」するものであり、同サービスを利用してマーケティングを行う外部事業者様に楽天会員情報を受け渡すことは絶対にありません。 また当然のことながら受取人に対してはオプトアウトできることを明示し、受け取った郵送DMの内容またはサービス自体を不快に思われた方がいれば速やかに配信先から除外いたします。 さらに当社では「楽天ポイント」という日本最大級のインセンティブツールを持っております。こちらを郵送DMと組み合わせる事で広告を能動的に受け取ってもらえるような環境の整備を行い、DMに対する価値観自体を変えていきたいと思っています。 ―郵送DMという比較的歴史のある手法にもまだまだ発展の余地はあるということですね。 加えて当社は、実際の商品の送付、つまりサンプリング封入サービスを提供しています。仕組みはDMと全く一緒で、送る内容がメッセージのみかサンプル商品まで付いているかの違いだけです。暑い日に路上で飲料水のサンプルを受け取るとうれしいですよね。サンプル商品であればありがたみを覚えるという人は多いはずなので、サンプリング封入サービスを含めて満足感を得られるようなユーザー体験を設計していきたいです。 ―貴社としては郵送DM及びサンプリング封入サービスを今後どのように発展させていく予定ですか。 当社では現在、「楽天エコシステム(経済圏)」で蓄積したデータに加えて、「楽天ポイント」を提供する店舗サービス企業様とのPOSデータ連携の取り組みを拡大中です。今後はオフライン購買データに基づくサンプリング封入の拡大を進めています。 具体的には、競合メーカーの商品を購入した消費者に対して自社の新商品のサンプルを送付してブランドスイッチを促すことができます。また、商品の送付だけでなく、ブランドリフト調査を含むアンケート調査を実施することで、その後の継続的な購買につながっているか検証できるのが当社の強みです。低単価商品であったとしても、LTVを指標としてマーケティングを行うメーカー企業様に対してこうした統合的なサービスを提供していきたいです。
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