Rokt導入パートナー ゼビオ・出前館が語る、『ノンエンデミック広告』で生み出す新たな顧客体験価値
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on 2025年4月02日 in
EコマーステクノロジーのリーディングカンパニーであるRoktが2024年11月21日にTokyo American Clubにて『The Future of Ecommerce Summit』を開催した。
本記事では、Rokt ビジネス開発 久保信輝氏、ならびにパートナー企業である出前館 広告事業責任者 大枝千鶴氏、ゼビオ スポーツポイント運営部 次長 坂紀子氏によるRokt導入の背景と成果について、率直な意見を交えたセッションの様子をレポートする。
(Sponsored by Rokt)
「Rokt Thanks」を導入した
出前館、ゼビオから読み解く購入完了画面が秘める価値
デリバリーサービスの出前館とスポーツ用品を手掛けるゼビオは、「Rokt Thanks」を導入した。購入完了画面(サンクスページ)に顧客の関心が高い広告が表示されるRoktのソリューションにより、両社は広告収入という新たな収益源の確保に成功している。
出前館は年間7,000万件以上(2024年8月期)の注文が入るため、サンクスページにおけるリテールメディアとしての価値は非常に高い。しかし、「食品を扱う」という特性上、掲載する広告には細心の注意が必要だ。また、顧客体験を大切にする同社は、商品を注文後の画面にユーザーに関連性の低い広告が表示されないことを重要視していた。
そんな中で、Roktの導入を決めた背景として出前館の大枝氏は、「Roktの安心感」がポイントだったと語る。
「食欲を削ぐような広告の表示は絶対に避けたかったので、カテゴリー選択機能や厳格な審査を通過した広告のみが表示されるRoktには大きな『安心感』がありました」
実際にRokt導入後、広告表示に関するクレームは1件も発生していないという。広告表示に関するクレームゼロという驚きの結果は、Roktの『安心感』を裏付ける結果と言えるだろう。
ゼビオの坂氏は、自社ECサイトの効果的なデータ活用を模索していたことが、Rokt導入の背景にあると語る。
同社のECサイトのマーケティング戦略は、スポーツ用品の購入意欲が高い新規顧客に重点を置いている。そのため、サイト利用者はスポーツ用品に関心の高い層に特化しており、「広告効果の最大化やコンテンツの最適化、データ分析の精度向上といった点で、広告主にとって価値の高いECサイトになっている」と坂氏は分析する。
ファーストパーティデータを基にリテールメディアとしての価値を活かした新たな収益源の確保にあたり、懸念されたのがブランドロイヤリティへの影響だ。その点に関して坂氏は、「サンクスページにのみ広告が表示されるという点もポジティブに受け入れました。2カ月間のPoC(実証実験)でしっかりと精査した結果、期待以上の成果を得られたため、本導入を決定しました」と説明する。
導入にあたっては、情報セキュリティに関する懸念が経営層から提起されたほか、サービス利用規約の一部改訂なども必要になったが「豊富な導入実績を誇るRoktのサポートもあり、経営層を説得することができました」と振り返った。
今回の事例は、Roktが持つ多様な懸念への対応力と、豊富な導入実績に基づいたサポート体制の有効性を示す好例と言えるだろう。
顧客体験を損なわずに大きな付帯収益獲得を実現
坂氏は、Rokt導入当初のeCPM(*1)は約1万1000円だったが、現在では1万9000円を超えるまでに成長している。クリック率も高く、わずか8カ月で月額広告収益は2倍以上になったと報告する。
(*1)eCPM:effective Cost Per Milleの略。インプレッション数1,000回ごとにパブリッシャーが得る広告収入額を表し、広告インベントリの収益性を示す指標。
eCPM = 広告の総収益 ÷ 総インプレッション数 × 1,000で算出することができる。
この高い収益性を実現できた背景には、ECサイトのファーストパーティデータを活用した広告主のオファーと、それに関心を持つ顧客とのマッチングを最適化した点が挙げられる。さらに、顧客がどのような広告に反応したかというインサイトは「既存顧客へのオファーに活用できる」など、新たなビジネスチャンスの創出にもつながっていると、収益以外の導入効果も強調する。
Rokt導入による付帯収益に加え、顧客インサイトの獲得という副次的な効果も得られたこの事例は、リテールメディアの可能性を追求する上で、多くの企業にとって参考になるはずだ
ゼビオ スポーツポイント運営部 次長 坂紀子氏
大枝氏は、「出前館のサンクスページは、インプレッション数が多く、顧客の注目度も高いです。そのタイミングで広告を表示できるRoktとの連携は、当社にとって顧客体験を損なわずに広告収益を向上させる、最適なソリューションでした」と語る。
出前館の注文経験者ならご存知の通り、サンクスページには配達員の現在地や配達状況が表示されるため、顧客は注文が手元に届くまで頻繁にアクセスする。この特徴が、「サンクスページにのみ広告を表示する」というRoktのソリューションと合致した。
さらに、出前館はRokt導入当初からの月間収益は5倍に改善したという目覚ましい成果を達成した。
付帯収益の増加について大枝氏は、「できることを積極的に試して改善を行った」と説明する。
導入後は、Roktのチームから運用改善に向けた具体的な提案が寄せられ、それに基づき継続的な改善を実施。当初は最低限のデータ実装でスタートしたが、提案を受けて追加データの実装を決定したほか、デザイン等の細やかなチューニングを行った。試行錯誤を重ねながらも迅速に改善を進めた結果、さらなる収益向上につながった。
リテールメディア事業における
「Rokt Thanks」の可能性
大枝氏は「Rokt Thanks」の優位性として、広告主への営業活動、広告のスケジュール管理、決済オペレーション、クリエイティブチェックといった煩雑な運用業務がほぼ不要という、「管理負担が軽い」点を強調する。広告営業などに人的リソースを割く必要がないため、今後はウェブサイトへの導入範囲拡大によって、一層の収益向上を目指す意向を明らかにした。
一方の坂氏は、Rokt導入で得られた顧客インサイトを分析し、さらなる広告効果の最適化や顧客体験の向上につながる取り組みを進めていくと語る。
そして出前館と同様に、未導入のECサイトへのRokt展開も視野に入れ、付帯収益のさらなる増加を図る考えを示した。
「Rokt Thanks」は、出前館とゼビオという異なる業種の企業に、顧客体験を損なうことなく新たな収益源をもたらした。両社の事例を鑑みるに、それぞれの企業の状況に合わせて柔軟なサポートを行うRoktの姿勢も、今回の成果につながった要因の一つと考えられるだろう。
リテールメディア事業の可能性を追求する上で、「Rokt Thanks」の導入は、有力な選択肢になることは間違いない。
ABOUT 町田貢輝

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。