オープンインターネットの貴公子、ATS Tokyo2024登壇の意気込みを語る
雑司ヶ谷 アドテク語る 秋の風
グローバル大手DSP、The Trade Desk Japan株式会社 ビジネスディベロップメントディレクターの鈴木 哲郎氏が、 ATS Tokyo2024に急遽登壇が確定した。登壇するセッションタイトルは、「三方良しのデジタル広告戦略:生活者を引きつけるメディア選定の鍵」で、KDDI株式会社 ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 メディア企画グループ 高村 真介氏と共に語る。
長年キャリアを積み重ねたアプリ広告業界から華麗にWeb広告業界へと転じ、今やオープンインターネット界を彩る期待の星ともいえる、そんな鈴木氏の今年のイベント登壇歴とそこで話してきたことを振り返っていただき、来るATS Tokyo 2024での登壇の意気込みを語っていただいた。
取材協力:十兵衛
(聞き手:ExchangeWireJAPAN 野下 智之)
―今年もデジタル広告業界では様々なイベントが開催され、鈴木さんは各所で数々のご登壇をされたかと思います。どのようなイベントに登壇されて、どのようなメッセージを伝えてこられましたか?
お疲れ様です!今年は数々の著名なブランドさんが集まる名のあるイベントで、登壇をさせていただきました。
Brand Summit、Advertising Week Asiaといった広告業界イベントの他、Vogue Businessというファッション業界のイベントでも登壇の機会がありました。Vogue Businessには、普段お会いする機会もあまりないような多くのラグジュアリーブランドのマーケティングのご担当の方々が集まられていましたが、そこでアドテク事業者がどういうバリューを提供できるかという観点でお話しました。
イベントによってお話ししたテーマは様々ですが、最近感じることは、広告主の方にとって、事例ありきの話でないと、なかなか自分事として聞いていただくことが難しいのではないかということです。ですので、ケーススタディードリブンで、ブランドさんと一緒に登壇し取り組みを紹介したり、事例をもとにオープンインターネットの領域で、アドテクをどう活用していただければいいのかということなどを、主にお話ししてきました。
広告主の方は今、インターネット広告全体に対して、漠然とした不安感をお持ちです。一連のサードパーティークッキーの件や、アドフラウドのことなど。そして、自分たちの出稿先が大手プラットフォームに依存してることの課題感についても、皆さん何となく理解されています。そこで、私たちはその不安や課題を払しょくするようなメッセージを皆さまに伝え続けてきました。
―オーディエンスの方から何らかの反響やフィードバックはありましたか?
一定数いただきました。正直なところ、やはりスポンサー登壇の場合はポジショントークと捉えられることは否めないのですが、そこはお客さんの事例と共にお伝えすれば、共感していただきやすいことも事実です。実際に登壇後、お取引が始まり一緒に次のお取り組みへと進めさせていただいている例も多くあります。
―まだまだ伝え足りないことはあるのでしょうか?
大きな話になるのですが、10-20年後のオープンインターネットの行く末を真剣に考えるべきである、ということです。インターネットが存在するのは、広告ありきです。広告が安心でなくなると、広告収入で運営しているパブリッシャーは維持できなくなり、無料で視聴できる良質なメディアがどんどん減っていってしまう。オープンインターネットの存在そのものが危うくなっています。
大手プラットフォームに広告予算が寄り過ぎてしまっていることも課題ですし、10-20年後にはどうなってしまうのか、と思うのです。健全なインターネットが存続するためには、パブリッシャーがオープンインターネットでしっかりとマネタイズが出来る環境を作っていくことが求められるのです。
―これまでのご登壇での、成功体験と失敗体験をお聞かせください。
失敗体験・・ではないのですが、登壇で笑いをとることができず、それが悩みというか、弱みであるような気がします。
―貴公子のイケメンだからかもしれませんね。なので、知らずと笑いを取るハードルが上がっているような気もしますが。
ちょっと照れるじゃないですか。笑
まあ、ですのでATS Tokyo2024では、なんかこう、色々といじっていただけると有難いです。
―今回どんな気持ちでご登壇されるのかと併せて、ATS Tokyo2024への意気込みをお願いします。
KDDI 高村 真介さんが、昨年のATS Tokyo 2023で登壇して話されていた、三方よしのマーケティングというセッションのフォローアップセッションにできればと思ってます。先に話したように、健全なインターネットのエコシステムの存続のためには、ユーザー、パブリッシャー、広告主のすべてがWin-Winになるべきであり、三方よしという考え方はとても重要です。今回は高村さんとご一緒させていただけるので、KDDIさんと一緒に取り組んできたキャンペーン事例なども含めてお話させていただきたいですし、自分自身もとても楽しみにしています。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。