電通デジタル×ジーニー対談 広告効果の可視化で広がるDOOHの可能性
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on 2024年11月19日 inDOOH(Digital Out-Of-Home)の広告市場は、急速なデジタル化とともに拡大を続けています。街中の大型ビジョンや交通機関、さらには小売店舗におけるデジタルサイネージの導入が進み、その市場は年々広がりを見せています。
株式会社ジーニー(以下:ジーニー)が開発・提供する「GENIEE DOOH」は、実際にDOOH広告の接触数や、DOOH広告を見た後に接触者がどのようなアクションを取ったのかといったこれまで計測できなかった効果を携帯電話の位置情報などを元に計測できるという特徴を持っています。この機能を活用することで、適切なタイミングで狙ったターゲットに広告を配信し、商品やサービスの認知効果を高めることができます。
この度、ジーニーと株式会社電通デジタル(以下:電通デジタル)が共同で新世代MINIファミリーの大型発表イベント「MEET NEW EMOTION - はじめましてのワクワクに、会いに行こう - 」(以下:MINIイベント)におけるプロモーションを実施。ジーニーが開発した国産デジタル屋外広告プラットフォーム「GENIEE DOOH」を活用し、渋谷スクランブル交差点をジャックする広告配信を行いました。
ジーニー独自の計測方法で行ったイベント会場への来場調査では、広告配信の7日間において来場者数が「GENIEE DOOH」非活用時と比べて86%増加しており、多くの人々にリーチできたことが確認されています。
今回の対談では、両社の関係者がこの取り組みを通じて明らかになった、DOOHの可能性を語ります。
(Sponsored by Geniee)
左から大山氏(ジーニー)、坂野氏(電通デジタル)、為ヶ井氏(電通デジタル)、毛利氏(ジーニー)
-顧客接点をオンラインからオフラインへ広げる
株式会社ジーニー・大山氏(以下:大山):電通デジタルとMINIイベントプロモーションに取り組むことができて嬉しく思います。まずはじめに、皆様の役割についてお話いただけますか?
株式会社電通デジタル・為ヶ井氏(以下:為ヶ井):私は販売促進を目的としたデジタルメディア戦略立案や運用型広告の管理・統括を担当しております。特に今回はShibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)にて開催されたMINIイベントの来場事前予約を促進するため、認知度の向上に注力し、ターゲット層への効果的なアプローチを展開致しました。
株式会社電通デジタル・坂野氏(以下:坂野):私は今回のMINIの案件において、デジタルメディアプランニングリードとしてデジタル広告の年間メディア戦略策定やKPI設計を主導し、メディアプランの策定およびレポーティングまで実行しております。現在、MINI様のブランド認知度を高めるため、キャンペーンやイベントを通じて効果的なメディア施策を展開し、施策の成果を最大化することに注力しています。
株式会社ジーニー・毛利氏(以下:毛利):私はDOOHを中心としたBranding領域の事業責任者として、クライアントの認知を最大化させるプラットフォームの選定および配信管理を今回担当しました。
大山:自分はデマンド事業の全体を見ていますが、今回は電通デジタルと初の取組みだったため、施策に携わりました。早速ですが、今回のイベントプロモーションの背景や重視したポイントをご説明いただけますか?
為ヶ井:今回のプロモーションの主な目的は、MINIイベントの参加者に事前予約を促すことでした。2024年初頭、新型MINIの発売前に実施したフォーカスグループインタビュー(FGI)では、MINI自体の認知度は高いものの、実際に車に触れる機会が少ないという意見が多く聞かれました。そこで、新しいMINIが世間に出たことを世のユーザーに広く知らせ、ユーザーに車に触れてもらう機会を提供するためのイベントの実施が6月にありました。そこで我々は複数のメディアを活用したMINIの存在とイベント実施に関する発信、オンラインからオフラインへユーザーを誘導することでイベント来場を促す施策を展開しました。
大山:なるほど。オフラインにつなげる前のオンラインマーケティングとしてSNSやディスプレイ広告といった様々な施策をされていたと思いますが、今回「GENIEE DOOH」を選んでくださったポイントはなんですか?
為ヶ井:普段から渋谷を利用する方々にMINIイベントを認知してもらうためには、高いインパクトを与えるDOOHの実施が必須であることはクライアントとも初期段階から共通認識としてありました。屋外媒体は視覚的なインパクトが大きい一方、広告としての効果測定が難しいとされていますが、「GENIEE DOOH」はインプレッションの計測ができ、広告効果を可視化できることに大きな強みを感じたため、提案、採用に至りました。定量的な広告効果の数値が出せる点が有効だと感じています。
大山:ありがとうございます。広告主にとって、効果の可視化は広告出稿の決め手の1つとなりますよね。今回の施策で「GENIEE DOOH」を利用した効果を実感されていますか?
為ヶ井:デジタル施策を核に、広告視認性の最大化と高い広告効果を目指し、DOOHの活用を提案しましたが、ジーニーによるDOOH接触の計測から良好な数値が得られましたし、事前予約件数や当日の来場者数は目標を大きく上回り、クライアントが設定したKPIも達成することができました。計測結果を踏まえると、DOOHの実施も非常に効果的な施策であったと考えています。
毛利:ありがとうございます!放映期間中の来場者数は放映がなかった翌週の土日と比較して約1.8倍増加したという結果が出ています。「GENIEE DOOH」がイベント期間中の来場者数の増加に寄与でき、嬉しく思います。
為ヶ井:「GENIEE DOOH」によってデジタル施策とオフラインイベント施策を統合したコミュニケーション設計ができました。これにより、イベントプロモーションの新たな形が見えてきたと感じています。
坂野:そうですね。私たちが初めて取り組んだDOOHキャンペーンは、今年3月にMINIのTHE NEW MINI COUNTRYMAN.の発売時に合わせたものでした。ターゲット層に最適なエリアとサイネージを精査し、クライアントと緊密に協議しながらプランを策定・推進しました。ジーニーの皆様の迅速な対応サポートのおかげで、クライアントの要望に柔軟に対応しつつ、計画を円滑に進行できました。
大山:DOOHがコミュニケーションデザインにどのように役立っているのかを複合的に把握する機会が少ないので、こうした意見は非常に参考になります。最近は国内外問わずナショナルクライアントのブランドマーケターなどがDOOHに興味を持たれているんですよね。我々としてはこうした方々に、DOOHをどう活用したら効果的なのか、配信プロセスのイメージがわきやすいように発信していきたいと思っています。特に電通デジタルのような大手に効果を実感してもらえているというのは個人的に嬉しいですね。
坂野:ブランド効果測定(BLS)でもDOOHは他のメディアと同等のパフォーマンスを示すことができたので、今回のイベントへの採用にも繋がりました。今後、DOOHは認知広告における主要メディアとして、さらに大きな役割を果たしていくと確信しています。
-渋谷ジャックで来場導線を設計
毛利:施策の中で、渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンで一挙にMINIの広告を打ってジャックしたのはインパクトが大きかったですよね。ジャックした期間中には、周辺で他社の展示イベントもありましたが、影響はどうでしたか?
為ヶ井:当初懸念もありましたが、DOOHのジャック配信はインパクトが大きかったと思いますし、複数のスクリーンでの一斉配信と音声の組み合わせにより、多くの視聴者の注目を集めることができたと感じています。なので他社のイベントの影響は大きくなかったはずです。
毛利:今回イベントを実施したShibuya Sakura Stageは当時オープンして約半年でテナントも人流も少なく、オフィスに向かう人たちの導線にしかなっていない中、どうやってそこに人を出向かせるのか、といった課題はありましたよね。DOOHでスクランブル交差点をジャックする際、イベント期間内外に合わせて2種類のクリエイティブを使い分けることでより印象付けることができたのではないかと。私もMINIのイベント期間中に現地に行かせていただいたのですが想像以上に人が集まっていたので、キャンペーンに関わった身としては、嬉しかったです。
為ヶ井:イベント開催2日目の朝には開場前に列ができており、1日目に配信したDOOHが集客に貢献したと感じています。
大山:来場されている方々と実際イメージされていたターゲットとの誤差はありましたか?
為ヶ井:MINIの主要ターゲットである40~50代を中心にターゲティングの精度に大きな誤差はなかったと認識しています。特に、親子連れの来場者が多かった点からも、今回の目玉であるコンパクトSUVモデルのニーズとしっかり一致していたと考えています。
毛利:そうですね。圧倒的に土日の家族連れの割合が多かったように感じます。車に触れる体験では、家族連れの方も多く並ばれていていました。
-カギは担当領域を超えたコミュニケーション
毛利:ターゲット訴求に対する費用対効果など、認知広告で重視されている点はありますか?
坂野:MINIの認知プロモーションでは、動画を用いた主要メディアへの配信を主軸にしつつも、ファーストビューでインパクトを与える「強い視認性」を重視していました。同時に広告枠自体のパフォーマンスや効率性なども重要な評価基準として捉えています。
毛利:我々としても、ターゲットに合わせたプランニングと計測値をもとにした効果検証で効率的な運用を目指しています。今後の展望をお聞かせいただけますか?
為ヶ井:今後はファネル全体を俯瞰した明確なロジックを強化し、より一貫性のあるプロモーション展開に取り組んでいきたいと考えています。
大山:そのためには自分たちの担当領域を超えた、シームレスなコミュニケーションも大事ですよね。
為ヶ井:そうですね。クライアントのマーケティング課題全体を俯瞰し、最適なコミュニケーション設計やメディア戦略の精度を一層高めていきたいと考えています。特にデジタル領域では様々な規制に合わせた新たなソリューションサービスが日々生まれています。そのような潮流の中でも、クライアントにとって最適なメディアセレクションができるような取り組みを実行しています。
毛利:我々の「GENIEE DOOH」自体もまだできて間もないですし、今回のMINIイベントを通じて得られたデータやインサイトを活用しながら日々アップデートしていきます!
大山:こうしたご意見を参考にして、代理店やクライアントの皆さんと一緒に、その一助となるメディアにしていきたいと思っています。本日はありがとうございました!
ABOUT 角田 知香
イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。