急成長を続ける「CTV広告」の活用事例分析と計測、アシスト分析に関する 最新の調査結果を発表! 【Adjust Ignite Tokyo 2024 セッションレポート】
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on 2024年10月02日 in
2024年7月18日、アプリの計測・分析ツールを提供するAdjustは、アプリマーケティングに関するカンファレンス「Adjust Ignite Tokyo 2024」を開催しました。本稿では「CTV広告がアプリグロースの新定石に! ~急成長を続けるチャネルの活用事例とこれから~」のレポートをお届けします。
(Sponsored by Adjust)
成長を続けるCTV広告市場
Adjust 日本ゼネラルマネージャーである佐々 直紀氏をモデレーターにした本セッションにはパネリストとして、
株式会社AbemaTV ABEMA Business Development Headquarters シニアプロダクトマネージャー 綾瀬 龍一氏、
株式会社フジテレビジョン ビジネス推進局 コンテンツビジネスセンター プラットフォーム事業部長 野村 和生氏、
株式会社TVer 広告事業本部 プロダクト統括 兼 プロダクト開発部 部長 大野 祐輔氏
が登壇しました。
登壇した佐々 直紀氏、大野 祐輔氏、野村 和生氏、綾瀬 龍一氏(左から)
セッションでは、CTV広告の市場規模、活用事例分析、計測とアシスト分析について各社の最新調査の結果を報告しました。
サイバーエージェントと本媒体の運営会社であるデジタルインファクトの調査によると、国内のCTV広告市場規模は、2020年は102億円だったのに対し、2024年には1331億円、2025年には1695億円まで拡大すると予想されています。
また、CTVが普及している米国では、2021年のCTV広告費(*1)は113.6億ドル(1兆7500億円)で、2024年までに182.9億ドル(約2兆8000億円)に達すると予想されています。
高い成長率を維持し続けるCTV広告市場について、株式会社AbemaTVの綾瀬 龍一氏は
「今まで大きな成長を見せてきた動画広告を活用されている方も多いとおもいますが、今後はCTV領域にも挑戦していただくことが大切だと考えています。
弊社は、2022年にAdjustさんのCTVソリューションを連携させていただきましたが、そこからCTVへ広告出稿するアプリ事業社は、どんどん増えてきています。多くの広告主が挑戦しているチャネルでもありますので、今後も絶対に目が離せない市場になると考えています」
と述べました。
Adjustの佐々 直紀氏は補足として
「インターネットにつながったTVであるCTVの特徴は、オーディエンスが膨大であること。また、1つのデバイスを家族やパートナーなど複数人で見るTVとしての機能もあり、アテンションの高い大画面というのも大きな特徴です。
また、TVを見るとき、スマホを手元に置いている人の割合は75%から80%という統計もあり、TVを見ながら、検索をかけ、アプリを確認するというのは当たり前であり、見逃せないポイントになっています」
と報告しました。
また、株式会社TVer 大野 祐輔氏は、CTVは複数人で見る特徴があるという点について
「CTVを複数人で見るという傾向は、直近では平均1.7人となっています。
視聴時間、視聴完了率に関しても、スマートデバイスとCTVを比較した場合、CTVは視聴時間が長いというデータがあり、広告の視聴完了率に関しても、他のデバイスに比べてCTVの方が最後まで見てもらえる割合が高いです」
と述べました。
(*1)2020年のeMarketerの調査より。日本円は1ドル=150円で換算。
CTV広告における各社の取り組み事例
続いて、CTV広告について、各社が注力している最新の取り組みを紹介しました。
スポーツに注力をしている「ABEMA」では、スポーツ中継に特化したスプリットスクリーン型広告について解説。
株式会社AbemaTVの綾瀬 龍一氏は
「昨年リリースしたスプリットスクリーン型広告の”ABEMA Live Screen Ad”は、従来の動画広告と違い、中継映像と一緒に表示されるフォーマットであるため、視聴者が興奮・集中した状態で広告視聴されるとともに、スポーツ中継の視聴を遮ることがありません。また、NTTデータと共同で、本広告表示中に画面のどこに視聴者の注目が集まるかという分析も行いました。その結果、広告エリアに関しては、右側よりも左側、下側よりも上側に注目が集まる割合が高いという結果が出ました。現在では、この分析に基づき、左上に広告が表示されるレイアウトで販売、掲載をしています」
と述べました。
株式会社フジテレビジョンの野村 和生氏は、TVerの広告価値について株式会社サイカと共同調査した結果を報告しました。
「検証したデータは2021年から2023年の3年分のデータで、対象データはTVerとYouTube、テレビCM出稿のすべてです。
まず獲得コンバージョンの効率はTVerが一番でした。ただ、YouTubeと比較した場合、そこまで大きな差はありませんでした。テレビCMに関しては、コンバージョン効率は低くなってしまうのですが、予算が大きいため、獲得量自体は多いです。
ここで注目していただきたいのが、TVerのコンバージョン効率が、3年で大きく上がった点です。なぜ上がったかを検証した時、実はCTVの割合が連動して伸びていたことが判明いたしました。
また、広告の残存効果を調べた場合、テレビCMの残存効果は圧倒的に高く、またTVerの残存効果もYouTubeに比べて120%長いということがわかりました。理由としてはやはり、テレビは大画面ですので、インパクトが残りやすいということが挙げられます。
なので、CTVが普及していくことにより、TVerがよりコンバージョン効率が良くなっていく、そしてボリュームもとれるようになっていくと考えることができます。
TVerはコンテンツがテレビということもありますので、メディアとしての信頼性も高く、ブランドセーフティーの面でも安心して出稿できるという背景もあります。CTVが普及すればするほど、CTV広告市場もまた大きく花咲くと思います」
と期待を語りました。
最後に、Adjustの佐々 直紀氏はCTV広告の計測・分析するポイントを解説しました。
「CTV広告において、QRコードを経由しない場合はアトリビューション(インストール貢献)がつきにくいという計測上の優先順位の問題があります。デバイスをまたぐ点と、さらにクリックのように明確にインストールと紐づけるデータが少ないからです。なので、アシスト効果とユーザーの質にフォーカスしてみていただくのがポイントと考えています。
実例をあげますと、他のどのデジタル広告よりも、一番インストール後の継続率が高かったのは、自社サイトあるいはスマートバナー(モバイルWebページにアクセスした際に自動的に表示される、アプリストアに誘導してインストールを促進するためのバナー)でした。
もう1つはアシスト効果です。どの媒体がどこにアシストしているのかは、Adjustが提供しているアシスト分析レポートを見ていただくとよくわかると思います。こちらを頼りに、実際のインストール数+間接的にコンバージョンに貢献した時、全体的にCTV効果がどう評価できるのか? という部分は、ぜひ見ていただきたいポイントです。
このアシスト分析レポートは、Adjustに連絡いただければ、皆さんに開放できる機能になっておりますので、ぜひ参考にしていただければと思っています」
と締めくくりました。
ABOUT 町田貢輝
ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。