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動画広告のコンテクスチュアルターゲティング機能を擁するSilverpushが日本市場へ本格参入[インタビュー]

テキスト広告やバナー広告と比較して、圧倒的に多くの情報と印象を与えることができる動画広告だが、ターゲティングやブランドセーフティに関する課題も多い。これらの課題に対し、独自AIを使用した動画解析技術に基づくソリューションを提供するのがインド発のグローバル広告テクノロジープラットフォームであるSilverpush(シルバープッシュ)だ。来日中の同社創業者と日本支社のメンバーたちに国内での本格的なサービス開始に向けた意気込みを聞いた。

(Sponsored by Silverpush)

 

武器は動画広告のコンテクスチュアルターゲティング

 

―自己紹介をお願いします。

 

チャウラ氏:Silverpushの創業者兼最高経営責任者のヒテッシュ・チャウラと申します。YouTube、Meta、CTV、OTT、オープンウェブといった配信面に向けた動画のコンテクスチュアルターゲティングソリューションをグローバル市場で提供しています。現在、25カ国以上でビジネス拠点を構え、300名以上のスタッフと共に世界中の国や地域で広告キャンペーンを配信しています。

 

本ソリューションを活用すれば、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、ブランドセーフティを確保した上で、最適な配信面に最適なタイミングで広告を表示することが可能です。

 

中野氏:Silverpushのカントリーマネージャーを務める中野済と申します。広告プラットフォームのUnrulyでカントリーマネージャーを務めるなど、動画広告を中心にデジタル広告業界には18年にわたり従事してきました。

 

山下氏:シニアセールスディレクターの山下祐治と申します。デジタル広告業界には11年間携わっており、国内及び外資系の広告会社やDSPとSSPで経験を積んできました。

 

―貴社ソリューションの概要をお聞かせください。

 

チャウラ氏:当社の主力ソリューションは、動画広告のコンテクスチュアルターゲティングです。一つ一つの動画コンテンツごとに解析して、特定の有名人や商品・競合ブランドなどが登場している動画を広告配信先として指定して、精度の高いターゲティングを実現しています。

 

 

仕組みとしては、YouTubeやSSPパートナーなどのプラットフォームからURLデータを取得し、自然言語処理と画像認識などのAI技術を使って動画、音声、タイトル、タグなどを処理し、さらに専任チームによるヒューマンレビューを行います。これにより、AIと人による両軸での解析と確認作業でコンテキストを正確に理解し、コンテンツにぴったりとマッチした広告を配信することができます。

 

 

一例を挙げると、特定のサッカーチームや選手が出てくる動画コンテンツを指定してビールの広告を配信することで、サッカーファンへのリーチとブランド想起を効果的に獲得し、サッカー観戦時のビール消費の需要増を狙うことができます。さらにコンテキストを利用することで、広告と関連性のない動画やリスクのあるコンテンツへの配信を制御でき、広告インプレッションの価値を高めることができます。

 

―つまり動画を解析してコンテキストを抽出することで、ターゲティングとブランドセーフな配信面の選別に役立てているのですね。

 

チャウラ氏:その通りです。弊社では『デジタル広告の未来を再構築し、消費者とブランドの繋がり方に新たな変革を持たらす』ことをミッションに掲げており、イノベーションを原動力としてその実現に向けて事業を推進しています。弊社のコンテキストソリューションはこのミッションを達成するための一つの手段となります。

 

また、コンテキスト広告以外にも、次世代の対話型AI機能を搭載したクリエイティブソリューションや、スポーツイベントや天気、テレビCMに連動してデジタル広告を配信するモーメント広告といったソリューションを提供しています。

 

独自のコンテクスチュアルターゲティングの意義とは

 

―YouTubeやMetaでも独自のターゲティング機能やブランドセーフティ機能を提供していますよね。

 

チャウラ氏:YouTubeやMetaが主に提供しているのはオーディエンスターゲティング機能です。当社のコンテクスチュアルターゲティング機能と組み合わせることで広告パフォーマンスの向上が期待できます。

 

日系企業を含む多数の広告主が、YouTubeやMetaの独自ターゲティングがあるにも関わらずSilverpushを世界中でご利用いただいている理由は、広告に関連性の高いコンテンツに絞って配信をすることで無駄なインプレッションを排除して質の高い視聴のみを創出することができ、結果として完全視聴単価・クリック単価の改善に繋がり、さらにブランドリフト調査においても良好なパフォーマンスが出ているためです。

 

中野氏:コンテクスチュアルターゲティング広告の運用にあたっては、キーワード選定やデータ分析などの手間がかかりますが、Silverpushでは独自のAIプラニングツールを保有しており、各広告キャンペーンのターゲットオーディエンスやペルソナにあったキーワード(コンテキストトリガー)を生成します。

 

これにより、広告主と広告代理店サイドでのコンテキストプランニングと運用の手間を軽減しながら、トレンドに沿った有用性の高いコンテクストトリガーリストを広告キャンペーン単位で提案、実行しています。さらに、細かなトリガーグループ別のパフォーマンスやインサイトを添えた配信レポートをお出ししており、次回キャンペーンでのコンテキスト戦略の最適化に役立てていただけます。

 

また、ブランドセーフティに関しても、弊社独自のコンテクスチュアルターゲティング技術によって安全なコンテンツのみへの配信を担保しています。Silverpushのようにプラットフォーム当事者とは独立した立場から広告配信面の品質を確保しつつ、同時に広告効果を求めてキャンペーンを運用できるという点は、業界内での役割としても非常に大きいと思います。

 

 

具体的なブランド毀損のリスク排除施策としては、暴力や違法薬物などGARM(Global Alliance for Responsible Media)の指定する12のリスクカテゴリーを3つのリスクレベル(低、中、高)に分類し、中以上のリスク判定された動画やページはデフォルトで広告配信対象から除外する設定を行っています。

 

さらに、企業やブランドのリスク許容度に応じてカスタムでの追加除外設定ができますので、ブランド適合性を高める配信も可能ですし、独自のキッズコンテンツ分類モデルを使用して子供向けコンテンツの除外やターゲティングもご提供しています。もちろん、アドベリフィケーションベンダーの提供しているツールで弊社の広告キャンペーンを計測してパフォーマンスを確認いただくことも可能です。

 

日本市場に本格参入の理由

 

―日本市場への参入となるまでの経緯をお聞かせください。

 

チャウラ氏:2015年以降、当社はグローバル市場に進出し、同時に日本を含む国際的なファンドからも注目を惹き、出資を受けてきました。世界最大級の広告市場である日本は、当時から私たちにとって常に重要なマーケットでした。

 

しかし、過去5年間、私たちは同時期に参入した北米と欧州の市場で急速かつ大幅な成長を経験してきました。この欧米でのビジネスの勢いと、コロナウィルスによるパンデミックの発生を受け、私たちは欧米でのプレゼンス拡大を優先し、日本への本格参入を一時中断しました。その結果、現在では両地域で強固な事業基盤を確立し、米国が弊社内で最大の市場となっています。

 

この間、当社のソリューションは大きく進化し、コンテクスチュアルターゲティングに対する世界的な需要も急増しています。このような背景から、私たちは2024年のこのタイミングで正式に日本市場に再参入することを決定しました。

 

ここ最近、何度か日本へ出張した際に様々な商談を行いましたが、海外からのソリューションの利用に対してよりオープンになってきていることに気づきました。今が日本市場に参入する理想的なタイミングだと考えています。

 

―日本市場への進出を機に、貴社サービスの大部分を日本語サポート付きで利用することができるようになるのでしょうか。

 

山下氏:提案や受発注の取り交わしからコンテキストトリガーリストの抽出、広告配信レポートまで日本語でサービスを提供します。また、インドにある広告運用チームも日本時間に合わせて対応できるように日本専任の体制を整備しています。さらに今後は日本市場の広告プラットフォーム事業者との接続も進めていく予定です。

 

 

―コンテクスチュアルターゲティングを行う上で、貴社が日本語を母国語として扱わない海外企業である点が課題とならないでしょうか。

 

チャウラ氏:現在、AI技術の発達によりあらゆる言語を用いて機械学習を行うことが可能で、かつその学習モデルを他の言語に応用することも容易にできるので、コンテキスト解析に言語の障壁はなく、日本企業と海外企業で違いはありません。既に当社がサービス展開を行っているフランス、スペイン、タイ、ベトナムといった英語圏外の国々でも英語圏と同様の実績が出ていることからもご安心いただけたらと思います。

 

―動画のコンテクスチュアルターゲティングに対する需要は今後どれほど増えていくと見込んでいますか。

 

チャウラ氏:オーディエンスターゲティングでは必ずしも常に正確で精細なオーディエンスデータが手に入るわけではありませんし、長期的には引き続きサードパーティCookieの代替ソリューションを模索していく業界の流れは続いていくと想定されます。従って、弊社のようにYouTubeやFacebookに加え、オープンウェブでのインストリームとアウトストリーム動画広告、さらにはディスプレイ広告に対して包括的に対応できるコンテキスト広告ソリューションベンダーは少なく、ユーザーのプライバシー保護の観点からも弊社が果たすべき役割は今後より大きくなっていくと予想しています。

 

また、弊社のコンテキスト広告は様々な用途でフルファネルにおいて機能しますが、特にアッパーファネルやミッドファネルでのブランディング広告施策で多く用いられています。大手ブランドは広告費の50~60%をアッパーファネル施策としての動画広告に割いており、動画広告におけるコンテクスチュアルターゲティング市場は既に一定の規模に達していますが、まだまだ利用は増えていくと思います。

 

ローワーファネル施策ではリターゲティング広告が一般的かもしれませんが、弊社のコンテキストソリューションでCTRが数倍向上したという例も多数あり、ローワーファネルでの有効性も実証されていて利用ケースも増えています。サードパーティCookie利用の減少で長期的にはローワーファネルにおけるコンテクスチュアルターゲティングの役割もより大きくなるでしょう。弊社がグローバルで成長し、日本を含む新たなマーケットへの市場拡大を続けていることからも分かるように、動画のコンテクスチュアルターゲティングに対する需要は世界中で増えており、日本国内でも今後ますます伸びていくと思います。

 

 

【Silverpushについて】

シルバープッシュは、個人データを使用せずに創造的で影響力のある広告キャンペーンを広告主に提供することに専念している、コンテキスト広告テクノロジーの世界的リーダーです。多数の国で存在感を発揮し、デジタル広告の革新と未来をリードし続けています。シルバープッシュの市場拡大とイノベーティブな広告ソリューションの詳細については、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。

商号:Silverpush株式会社
所在地:東京都中央区八丁堀四丁目4番4号3階
代表者:中野 済/カントリーマネージャー
商品HP:https://www.silverpush.co/mirrors-jp/
お問い合わせ:https://www.silverpush.co/contact/

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。