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GumGum Japanが2大新規事業を発表-高級ブランド向け広告サービスとアテンション最適化に注力[ニュース]

生活者コンテクストを軸とするデジタル広告プラットフォームの日本法人であるGumGum JAPANは12月12日、都内の自社オフィスにオンライン広告関係者を招き、2024年より本格的始動を予定している新規事業の発表を行った。

(Sponsored by GumGum Japan)

 

新規事業①GumGum Luxe(ガムガム・ラックス)

この日は、2023年12月にマネージングダイレクターを勇退した若栗直和氏も出席した。同氏は、日本オフィスの立ち上げ後、顧客開拓やチーム体制の整備が進んだことで、事業規模を飛躍的に拡大していくべき段階に達したとの見解を提示。この計画の実現に向けて、かつてTeads Japan社の営業責任者を務めるなど豊富な経験を有するセルビー健三氏を新代表として迎えたと述べた。

 

 

続いて現マネージングダイレクターのセルビー健三氏は、新任の挨拶と合わせて同社が2024年に本格的に始動させることを予定している2つの新規サービスの概要を紹介。そのうちの一つであるGumGum Luxeは、幅広い商材やサービスに対して、主に記事下に配置される斬新かつ都会的な広告フォーマットを提供してきたこれまでの事業モデルとは一線を画し、高級ブランド向けに特化した新規の広告プロダクトであると発表した。

 

GumGum Luxeは、従来は主に紙媒体が需要を取り込んでいた、高い視認性を確保しながら高級で特別な質感を表現するための広告プロダクトとなる。具体的には、ホワイトリスト配信環境を整備し、デスクトップ画面における記事ページの周囲全体に大々的に表示する「スキン」、スマートフォン画面に全画面表示する「ハングタイム」、同じくスマートフォン画面における記事ページの周囲全体に表示する「インフレーム」といったブランディングキャンペーン向けの広告フォーマットを用意。世界に先駆けて日本市場で4月より提供開始するという。

 

高級ブランド向け「GumGum Luxe」のブランドロゴ

 

GumGum Luxeのスキンフォーマット。デスクトップ画面上に表示された記事の周囲を取り囲む

 

GumGum Luxeのハングタイムフォーマット。スマートフォン画面に全画面表示する

 

新規事業②AIP

さらにセルビー氏は、2023年4月より試験的サービスを開始したAttention Intelligence Platform(AIP)を解説。北米及び欧州市場などでは注目を集めながらも日本市場にはまだ十分に浸透していないアテンション測定とその測定結果に基づいた最適化機能を装備した本プラットフォームの特徴を述べた。

 

同氏によると、従来のブランディングキャンペーンではビューアビリティやビュー・スルー・レートまたは完全視聴単価などが広告効果を測る指標として活用されてきたが、これらの指標とブランドリフトとの相関性に疑問を示す声が出ていた。そこでブランディングキャンペーンを実施する広告主の多くはアンケート形式のブランドリフト調査を合わせて実施してきたが、調査結果の集計作業に2週間ほどを要するため、高速でPDCAを回すことができないという課題があった。

 

ところが、AIPでは、アイトラッキング(視線計測)データに基づき学習・検証を行ったAI技術を用い、その他様々なオンライン上のデータと統合して分析することで、ユーザーが実際に広告を目にする時間を計測する手段を開発。また計測データを広告配信の最適化にも活用できる広告プラットフォームを実現した。アテンション最適化機能は、現時点ではGumGumの広告配信プラットフォームのみ利用可だが、2024年にはYouTube、主要SNS、コネクテッドテレビなどの他媒体にも適用することができるようになる。

 

広告会社から見たアテンション計測動向

本発表会の後半部では、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の戦略組織である博報堂デジタルイニシアティブ(HDI)に所属する宮﨑雅子氏と財津翔子氏が、同社におけるアテンション計測の取り組みについて説明した。

 

 

宮﨑氏によると、現代ではスマートフォンを片手にテレビ視聴をするなど、マルチスクリーンでコンテンツと接触する機会が増えている。つまり、広告が画面上に適切に表示されていたとしても視認されていない場合が多く発生し得るため、「画面上に適切に表示されている」度合いを測るビューアビリティに代わって、「実際に視認されている」ことを示すアテンション指標への注目が高まっている。

 

そこでHDIでは、2022年末ごろからアテンション指標の有効活用に向けた実証実験を開始。GumGum社を始めとしたアテンション計測サービスを提供する各社との連携を行っている。

 

宮﨑氏は、これらの実験結果全体として、アテンションタイムが長い広告は、ブランドリフト調査においても好結果が出る傾向が認められると説明。一方で、アテンション指標とCPA効率は異なる傾向を示す場合があると話した。

 

また、他のアテンション計測事業者では、広告配信結果やアテンションタイム計測結果、ブランドリフト調査結果がそれぞれ個別でレポーティングされるのとは対照的に、GumGumではこれらをすべて統合的に分析したレポートが提供されることを高く評価。費用に関し、GumGumではレポーティングが広告配信費の中に含まれている一方、その他の事業者では、別途で計測費用が発生するなどの違いについて言及した。

 

さらに、他のアテンション計測事業者は日本法人がなく、国内ユーザーを対象としたデータにも乏しいため、十分なアテンション計測環境を整備できない可能性があると指摘。とりわけ計測に関わる課題の発生時に、国内のメディア特性に通じた担当者が時差なく日本語で対応できる点はGumGum社ならではの特長であるとの見解を示した。

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。