ヤフー、急上昇トピックやトレンドを可視化分析できる「DS.INSIGHT Trend」を提供開始
by ニュース
on 2023年8月18日 inヤフーは同社が提供する事業者向けデータソリューションサービス、「DS.INSIGHT」の新機能として、急上昇トピックやトレンドを可視化分析できる「DS.INSIGHT Trend」の提供を、2023年8月下旬に開始することを発表した。また、8月8日に開かれた記者説明会では、「DS.INSIGHT Trend」の機能および今年度のトレンド予測についての紹介がなされた。
(※)写真左・データソリューション本部 シニアデータアナリスト Yahoo! JAPAN ビッグデータレポート編集長 池宮伸次 氏。写真右・データソリューション本部 DS.INSIGHT サービスマネージャー 田村健 氏。
ビッグデータ分析で今後の流行をいち早く知る
説明会の冒頭、田村氏は同社のデータソリューション事業の狙いについて「マーケティング領域を中心としてデジタル技術の活用が進んでいるが、デジタル技術は商品企画・開発などにも使えると考えている」と説明。ヤフーが提供する約100種類のサービスに基づくビッグデータを活用することにより、顧客の課題解決を支援していることを伝えた。
データソリューション事業の一つである「DS.INSIGHT」ではこれまで、生活者の興味関心を可視化する「DS.INSIGHT People」、店舗・施設の来訪者情報を可視化する「DS.INSIGHT Place」、ビッグデータからターゲットの詳細なペルソナを作成する「DS.INSIGHT Persona(オプション料金)」の3つの機能を提供してきたが、今回は新たに、ヤフーの検索データから、急上昇トピックやこれから流行りそうなものを把握する「DS.INSIGHT Trend」が新機能として追加される。
新機能の開発背景について、田村氏は「新型コロナウイルスや生成AIなど、消費者の生活や働き方が加速度的に変化しており、消費者ニーズや課題が非連続に変化する市況が続いている。そのなか、消費者のニーズや課題をデータから少しでも早く把握することで、本機能を通じた製品・サービスの開発に貢献をしていきたい」と話した。
「DS.INSIGHT Trend」を使うことにより、ヤフーの年間約90億にのぼる検索キーワードからトレンドを抽出・可視化することで、いち早く流行を察知することが可能となる。「トレンドマップ」「トレンドランキング」「急上昇キーワード」「メールレポート」など、様々な機能があるが、これらの機能はすべて基本料金の中で利用可能となっている。
【トレンドマップ】
横軸に検索ボリューム、縦軸にトレンドスコアをとり、散布図形式で検索キーワードを可視化し、それぞれのキーワードが4つのライフサイクルのどの位置にいるのか確認できる。また、性年代の属性別、カテゴリ別、期間別で可視化できる。
【トレンドランキング】
トレンドマップの散布図のエリアごとに、キーワードランキングを表示。ランキングに表示されたキーワード別に、トレンドスコア、推定検索人数、属性割合、年代別割合などを確認できる。
【急上昇キーワード】
1日単位で検索ボリュームが急上昇したキーワードを表示。トレンドマップとは異なり、突発的、または勢いがあるトレンドも多く出現する。前日話題になったトピックや、変化を早期に検知したい場合に有効となる。
【 メールレポート】
設定したカテゴリのトレンドキーワードをピックアップして週1回メールで配信。最新のトレンド情報を知ることができる。
田村氏は「DS.INSIGHT Trendのデータを使えば生活者の解像度を高めることができる」としながら、今後の展望としては「10月にはヤフーとLINEの合併も控えているが、それらのソリューションとの連携についても検討を進めたい」と伝えた。
2023年度のヒット商品予測10選を発表
続いて、「「DS.INSIGHT Trend」を活用した今後のトレンド予測」と題し、池宮氏が説明をおこなった。
池宮氏は最初に2022年のヒット予測を振り返り、DS.INSIGHT Trendにも搭載されている検索ボリュームの推移を検証してみたところ、2022年に予測した10アイテムのうち7つが、トレンドを予測したあと実際に大きく検索数を伸ばしていたことを報告した。
【参考】AIが予測した来年ヒットする商品はコレ!?「商品トレンドマップ」が算出した2023年流行る10アイテムとは (URL・外部リンク)
また、池宮氏はヒット商品の検索数の推移に着目し「ヒット商品の多くは、ニュースやSNSでの話題化などいくつかの急上昇を経て、検索数のベースライン(最低検索数)が変わっていることが見て取れた」と分析。また、「じわじわと検索数を伸ばす商品はたくさんあるが、そこから ヒット商品に結びつくには、このようなピークをうまく作れるか、という点も重要 になってくると考えられる」と伝えた。
これらの点や過去のデータの傾向、独自の追加ロジックなどをもとに「 DS.INSIGHT Trend 」で抽出されたデータの中からピックアップされた、今後のトレンド予測としては、下記の検索ワードを取り挙げた。
雪塩さんど/Ball&Chain/バスカー アイリッシュウィスキー/BEYBLADE X(ベイブレードX)/果実屋珈琲/下瀬美術館/韓国リベンジ旅行/喫茶店に恋して。/朝霧Camp Base そらいろ/レンジクック
池宮氏は「今回発表したトレンド予測は、時期、タイミングを設定しているものではない。過去の傾向からさらなる伸びが期待されるトレンドを紹介している」と踏まえたうえで「本日紹介しなかった他の抽出データのなかにも、今後トレンドになるかもしれない高いポテンシャルを持ったキーワードがたくさん含まれている 」と話した。
ABOUT 柏 海
ExchangeWireJAPAN 編集担当
日本大学芸術学部文芸学科卒業。
在学中からジャーナリズムを学び、大学卒業後は新聞社、法律・情報セキュリティ関係の出版社を経験し、2018年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告調査などを担当する。