ZEFR、TikTok for Business Japan、Legolissがブランドセーフティ最新動向セミナーを開催
動画広告向けソリューション提供企業のZEFR、広告配信サービスを提供するTikTok for Business Japan、ZEFRソリューションを日本で展開するLegolissは、3月9日、都内にて、TikTokユーザーとブランドセーフティに関する最新動向を解説するイベントを開催した。
本イベントでは、ExchangeWire.jpと上記3社が、日本を代表する広告主及び広告代理店関係者を招待。TikTok for Business Japanオフィスに約45名の参加者が集った。
TikTokユーザーの世代ごとの特徴とは
まず始めに、TikTok for Business JapanのBrand Strategy Managerを務めるハーマン・チャン(Harman Chan)氏が、「TikTokユーザー最新動向調査結果」と題したセッションを担当。本プラットフォームの特徴や、Z世代に留まらず、TikTokで増え続けるミレニアル世代、X世代などのユーザー動向などについての解説を行った。
ハーマン氏は、強制視聴なしの短尺動画が次々と視聴できるTikTokは「ザッピングプラットフォーム」であると表現。最近では様々な分野の専門家が解説する教養チャンネルが人気を博すなど、コンテンツが大幅に多様化しているとの現状を伝えた。
またTikTokは、独自のレコメンドシステム(おすすめ機能)により、ユーザー自身さえ気づくことがなかった潜在的な需要を掘り起こすことができると主張。調べたいことや趣味嗜好を自ら言語化する必要がある検索プラットフォームとの対照的な違いを明らかにした。
現在働き盛りを迎えたミレニアル世代の特徴については、「リスクを取ってまで生活を大きく変えようとはせず、現実的な少しの変化を好む傾向がある」と分析。またこの世代にはいわゆる「主婦・ママ層」が多く、隙間時間に気分を高めるエンターテインメント関連コンテンツや端的かつ実用的な情報に触れることができるTikTokを大いに活用し得ると指摘した。
また20代前後の若年層に相当するZ世代は、デジタルネイティブとして大量の情報を処理することに長けているものの、企業が発信する情報に不信感を抱いたり、今までとは違った新たな情報源を欲していると説明。他のユーザーの投稿コンテンツを通じて、潜在的な嗜好やニーズを発掘することができるTikTokとの相性の良さを伺わせた。
広告主のブランドや配信コンテンツをいかに安全に保つか
続いて、TikTok for Business JapanのProduct Marketing Leadを務める林直樹氏が、「ブランドセーフティの現在地と未来」と題したセッションを実施した。
同社では、ブランドセーフティ(広義)を、「IVT(Invalid Traffic=無効なトラフィック)とビューアビリティ」、「ブランドセーフティ(狭義)」、「ブランド適合性」という3種類に分類している。またプラットフォーム上の安全性を高めるため、自社のソリューションのみならず、ZEFRをはじめとした第三者ソリューションとも提携。インフィード広告の前後に表示される動画コンテンツの中に、ブランドセーフティの観点から不適切なものがあったかどうかを事後的にレポーティングする機能を提供している。このうち、キャンペーン配信後にブランドセーフティ(狭義)とブランド適合性を測定できるのはZEFRのみであるという(日本市場において2023年3月現在)。
また、広告配信前の段階では、公式動画や高品質の動画をページ上部に固定したり、投稿されたコメントを事前に設定したルールに基づきフィルタリングするTikTok for Business独自の機能を提供。広告配信前と後の2段階にわたり、ブランドセーフティを確保するための仕組みを構築している。
より高度なブランドセーフティ実現に向けて
「最新ブランドセーフティソリューションのご紹介」と題した最後のセッションでは、ZEFRを日本で展開するLegoliss社の執行役員兼プロダクトソリューション事業部長の中嶋ケニー賢氏と、TikTok for Business JapanのProduct Marketing Managerを務める増田純市郎氏がそろって登壇した。
増田氏は、ブランドセーフティの取り組みへの注力度や広告の配信ボリュームの需要に応じて3階層のコンテンツコントロール(フル、スタンダード、リミテッド)を広告配信前に行うことができる「TikTok Inventory Filter」などの機能や特徴を紹介した。
また中嶋氏は、どの動画コンテンツの間に広告配信をするのが適切かを選定できるZEFRソリューションを活用することで、より高度なブランドセーフティを実現できるとの考えを示した。
セミナー終了後は、ネットワーキング・パーティーを開催。セミナー聴講者の大多数が参加し、終了時間を大幅に延長するほどの盛況ぶりを見せた。
ABOUT 長野 雅俊
ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。