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来るべき「クッキー・アルマゲドン(終焉)」に先立つブランドマーケター向けの 4 つのヒント

Cookie と広告 ID の終わりが近づいています。 Google は何年もの間、それらを廃止することを宣言してきました。 未だその日が訪れるのかは未定ですが、2024年後半には正式に廃止されることが発表されています。 Googleの規制により、広告主がクッキーのデータに頼ることができなくなるインターネット広告の新時代が到来しようとしています。 まさに広告業界にとって”アルマゲドン”とも言える、クッキーやIDの終焉後の世界に準備をする時がきました。

(Sponsored by Ogury)

 

現在、代替策としてのユニファイド ID からコンテキスト、セマンティック、コホートベースのターゲティングに至るまで、Cookie を使用しないソリューションが乱立しています。適切なテクノロジーへの移行を模索している広告主は増えながらも、あまりに多くの選択肢から単一のソリューションでは正解を見つけることは難しい現状があります。Oguryはクッキーレスのカウントダウンに備えるための 4 つのヒントを次に示します。

 

1. Google が Cookie を廃止にするまで待つ必要はありません
Googleが発表したクッキー廃止の延期は来るべき未来を変えるものではありません。代替となる手段を探し出し、クッキーレスの新時代にスムーズに移行することができるように、広告を配信するための新しい将来性のある方法を検証しながら、KPIに合ったソリューションを探す必要があります。この新しいソリューションは、プライバシーを侵害するパーソナライズされた追跡される広告ではない形であることが前提となります。合意を持って取得したデータであってもユーザーは追跡される広告に不快感を示しています。

 

広告主サイドは大量の自社データをすでに保管していない限り、潜在顧客やターゲット層にリーチするのに苦労するでしょう。この新しいデジタルの世界では消費者が選択権と主導権を持つことにより、デジタル上での個人情報の扱いが非常に難しくなります。また、各国の規制当局はこの動きを支持し、すでにそれぞれのデータプライバシー法に法的制限を追加しています。

 

2. ID ベースのテクノロジーを複製しないこと
ユニファイドID ソリューションはここ数年で多く開発されてきました。しかしながらユニファイドIDの問題は、スケーラビリティが期待できないことです。それぞれがサイロ化されており、相互に互換性がなく、さらにはデータの取得のためにユーザー側の同意が必要です。現状ではユーザーが一斉にトラッキングを拒否するにつれて、同意を得ることがますます難しくなっています。さらにこの仕組みは、媒体社側の特定のネットワークに依存しているため、データの取得量が非常に制限されており目的に適合していません。また、媒体社は従来より自社ユーザーのデータをソリューションサイドに共有することに対して心理的ハードルを持っています。

 

Appleのデバイスとその Safari ブラウザーでは、プライベート・リレー設定によって接続が暗号化され、ユーザーの IP アドレスと閲覧データが隠されるため、第三者が IP アドレスを一意の ID に照合することができなくなります。Appleデバイスが世界で最も広く使用されており、全世界では市場の 28% を占めています。国内では60%を超えるユーザーがいるとされており、これは、大きな機会を逃していることを意味します。

 

3. 過度に期待されているコンテキストおよびセマンティック・ターゲティング
クッキーレス対策として、多くの広告主がコンテキスト・ターゲティングとセマンティック・ターゲティングに目を向けています。しかしながら、その仕組みだけではターゲットオーディエンスを完全に理解したり、連続した複雑なカスタマージャーニーの先にある接点の創出を行うということは、データの観点から不十分であることが分かってきました。コンテキストおよびセマンティックターゲティングは、ユーザーが持つ潜在的な特定の関心ではなく、たまたま見ている記事の文脈に基づいて、どういう人がユーザーであるかということを推測しています。単発的に発生する関心を捉えるだけでは、その興味の深度を図ることが難しいのです。

 

たとえば、ユーザー A がお気に入りの総合ニュース Web サイトのスポーツページを見ているとします。そのページを見ているだけで、彼らはスポーツファンとして分類され、スポーツ関連の広告が配信され続けることを意味します。ユーザー A は確かにスポーツファンである可能性はありますが、それだけの情報ではそのユーザーがどの程度興味があるのか知る由もありません。

 

ユーザー A が持つ健在化している関心事や、ブランドに対する潜在的な興味についてはいかがでしょうか?または、ユーザー A が犬を飼っていても、ペット関連の記事を見たことが無い場合はどうなるでしょうか? 広告主は、関心のあるウェブ記事にアクセスしていなくても、製品を必要としているオーディエンスにリーチしたいと考えています。これらの「隠れたペットオーナー」へのタッチポイントを設けるためには、特定のトピックに特化した記事にアクセスする、ごく少数の人々にリーチするだけでは不十分です。

 

4. コホートを忘れて、ペルソナという考え方を再考してみる
Google トピックが先導するコホート・ベースの広告、コホート (FLoC) には、コンテキスト・ターゲティングやセマンティック・ターゲティングよりも汎用性があります。この手法は、ユーザーがアクセスした Web サイトやアプリの閲覧履歴を収集することで、ユーザーの分析を行います。 それらのユーザーの行動はGoogleが定めるトピックに分類され、集合的な”群集”の傾向を捉えます。しかし、コホートを使用することは、同意を求めることなくユーザー情報を収集することを意味します。これまで見てきたように、これは社会的に受け入れられず、不信感を生み出してしまうものとますます考えられています。

 

対照的に、ペルソナ広告は 個人のオンライン行動を追跡することはありません。代わりに、ペルソナがコンテンツにアクセスする可能性が高い広告枠を識別します。ここにコホートとの違いがあります。コホートがユーザーの閲覧履歴をデータとして活用しているのに対して、ペルソナ広告は一般ユーザーに対して広告枠内で行う同意済みのアンケート調査をベースに広告を配信します。

 

ペルソナ広告は広告枠を通して、配信面に存在するユーザーに対してそれぞれの興味関心を尋ねることができます。オプトインまたはオプトアウトできるアンケートを介して、「週に何回運動をしますか?」などの設問を聞きます。これらのアンケートは、その配信面に含有されるペルソナ がスポーツ以外に何に興味を持っているかも判断する材料にもなります。このような調査を記事面の広告枠で継続的に行うことで、それぞれの記事に含有されるユーザーの代表的なユーザー層=ペルソナを可視化していくことができます。この方法では、人ベースのターゲティングから配信面をベースにしたターゲティングに移行し、何千もの異なるペルソナを定義するために何千万ものデータポイントを蓄積することで、この深い知識を提供します。

 

Cookie ベースの広告が過去のものであることは間違いありません。今後、ユニファイド ID、コンテキスト、セマンティック、コホートベースのターゲティングなどの方法だけでは不十分であることを認識し、真に持続可能性があり拡張性が高いソリューションを探す必要があります。

 

コラム執筆者

 

松本 亮

Ogury Japan, Country Manager

 

 

L’Oréal、BMW、Johnson&Johnsonなどでブランドマーケティングやカスタマーマーケティングに従事。2014年からCriteoでアジア太平洋担当のマーケティング・マネージャーとして事業拡大に貢献したのち、GumGumの日本ローンチを担当し、クッキーレス広告市場の創出と拡大をけん引した。2022年4月より現職。

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。