動画配信におけるブランドセーフティのために必要なこととは
by ExchangeWire.com / Supported by CARTA HOLDINGS on 2022年9月12日 in ニュース
フォーマットとプラットフォームの細分化がますます進むなかで、ブランドセーフティは、業界の誰にとっても大きな課題となっている。
ブランドの広告が、オーディエンスにとって適切な場所で、適切なコンテンツと共に表示されることを担保する最善の方法は何だろうか?広範なリーチとブランドセーフティは両立するのだろうか?
ローレン・デイビス氏は、音楽動画プロバイダー、Vevo(ヴィーヴォ)のグローバル広告オペレーション担当バイスプレジデントだ。同社は最近、TAG(Trustworthy Accountability Group)が実施する2つの認証プログラム「Certified Against Fraud」および「Brand Safety Certified」を取得し、またIAB UKのゴールドスタンダードも取得した。
ExchangeWireは、デイビス氏にインタビューを行い、オンライン動画におけるブランドセーフティやアドフラウドの課題、広告エコシステムの透明性に対する責任問題等について話を聞いた。
ブランドセーフティは現在、業界全体に関わる喫緊の課題となっていますが、この問題に動画はどう関わってくるのでしょうか?ブランドにとっての、利点と落とし穴は何でしょう?
動画は、視覚と音声に、動きも加わるため、ブランドにとって大変強力で魅力的なコンテンツになり得ます。動画コンテンツは、プレミアムで適切なものであれば、ブランドとそのメッセージに大きな価値をもたらします。しかし一方で、コンテンツが有害であったりブランドイメージと深刻な不一致があったりすると、ブランドセーフティに関わる重大な問題を引き起こすおそれもあります。
動画におけるブランドセーフティを考える際、まず思い浮かぶのがユーザー生成コンテンツ(UGC)です。世界中の誰もが動画を簡単にアップロードできるため、毎日、1分あたり合計何百時間にも及ぶ動画がアップロードされています。そうした状況から、配信された広告が問題のあるUGCと共に表示される可能性が出てきます。そしてそれは、エンドユーザーから見たブランドの印象にも悪影響を及ぼすおそれがあるのです。
UGCと共に広告が表示されることは、キュレートされたコンテンツよりもリスクが高いのでしょうか。プラットフォームはどうやってこれを管理していますか?
UGCは透明性が低く、管理も難しいので、「好ましくない」動画や、過激思想や犯罪行為の動画など、さまざまなコンテンツと共にキャンペーンが表示されてしまうリスクがあります。これはブランド毀損のリスクを招き、企業の評判に深刻なダメージを与えるおそれがあります。
主要なプラットフォームはそうしたリスクに対処するため、人間の品質保証(QA)チームと人工知能(AI)技術を併用し、レビューや検出を行い、コンテンツにフラグ付けを行っています。それによって、コンテンツの品質レベルを維持する一方で、ユーザーやブランドに被害が及ぶ可能性のあるコンテンツが表示されないよう努めているのです。
ブランドセーフティとリーチは相反するのでしょうか。どうすればこの2つを共存させることができますか?
ブランドセーフティを確保するために、リーチを犠牲にする必要はありません。同じことは「ブランド適合性」についても言えます。ブランド適合性は、安全性のさらに上位にある別のレイヤーであり、特定のブランドにとって適切な動画やタイミングをより確実に適合させる機能とも言えます。もちろん、あるブランドに適合するコンテンツが、別のブランドには適合しないこともあり得ます。
広告が安全で質の高いコンテンツと共に表示され、かつリーチを最大化するためには、広告主はパブリッシャーやコンテンツホルダーと直接連携すべきです。パブリッシャーやコンテンツホルダーは、自分たちのオーディエンスを熟知していて、広告が配信されるコンテンツもコントロールできるので、配信規模が大きくなっても安全性が担保されます。
広告エコシステムの透明性に関する責任は誰が担うべきでしょうか。業界の連携やスタンダードを推進する必要はありますか?
私たちは皆、ブランドセーフティと広告費の無駄に関する懸念に対処するため、それぞれの役割を担っています。コンテンツホルダーであるVevoにとって必要なのは、自社ライブラリにある動画をしっかり把握し、管理すること。そして、動画を活用するブランドにとって、信頼できる透明性の高いパートナーになることです。
業界団体や業界スタンダードは、パブリッシャーに説明責任を求めていますので、このような透明性の確保をより容易にします。よって、これらを整備することは極めて重要だといえます。TAGやIABなどの組織は、パブリッシャーやメディアブランドに対し、誰もがよく知る遵守可能なフレームワークを用いて、ブランドセーフティとアドフラウドに関する厳格な認証を実施しています。
さらにこれらの組織は、そうした基準を遵守し最高の広告環境を提供している安全なコンテンツホルダーを、ブランドが容易に把握することができ、その上で、よく確かめてバイイングができるように支援しています。
ブランドセーフティとフラウド撲滅の連携についてはいかがですか?
ブランドセーフティとアドフラウド撲滅を両立させて始めて、私たちは、ブランドにとって最も価値のあるものを提供できるようになります。ブランドセーフティと同様、アドフラウドも業界内での懸念がますます高まっています。よって、私たちコンテンツホルダーは、対策技術や業界スタンダードを活用して、コンテンツに対する脅威を常に監視し、対処していく必要があるのです。
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本記事は、ExchangeWire.comに掲載された記事の中から日本の読者向けにCARTA HOLDINGSが翻訳・編集し、ご提供しています。
株式会社CARTA HOLDINGS
2019年にCCIとVOYAGE GROUPの経営統合により設立。インターネット広告領域において自社プラットフォームを中心に幅広く事業を展開。電通グループとの協業によりテレビCMのデジタル化など新しい領域にも積極的に事業領域を拡大している。