DX推進におけるCDP導入の重要性とその課題
by ニュース
on 2022年5月26日 in(Sponsored by Septeni Japan)
1.事業紹介
当社は、主にデジタル広告をはじめ、データ、AIを活用したソリューションの提供などを通じて、企業のDXの総合的な支援を行うデジタルマーケティングエージェンシーです。おそらく当社について「セプテーニと言えば広告運用」というイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。
広告運用上で1st Party Dataを活用した施策を提案する機会も増えており、ここ2~3年はクライアント様のデータ活用支援についても注力しております。
2.最近話題のCDPとは
一口に「データ活用支援」と言っても支援内容は様々ですが、今回はCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)に関してご説明いたします。
CDPは日本語で「顧客データ管理基盤」などと呼ばれ、具体的には、WEBログや顧客情報、購買情報など顧客に関わる様々なデータを収集・統合して各種ツールに連携するためのデータ基盤などを指します。
市場推移
ITRの調査によると、CDPの市場は大きく伸びており、今後も高い成長率が予測されています。
また、いわゆるナショナルクライアントなどの大企業は先行して導入を進めており、今後は中小企業の導入が加速してくると想定されます。
CDPが必要とされる理由
ではなぜここまでCDP市場が伸びているのでしょうか?
その理由のひとつとして、現代の顧客接点の複雑化や、データ量の増加によって企業内でデータが分散しやすくなっていることがあげられます。
例えば以前はTVでCMを見て店舗に来て購入、というようなシンプルな構造でしたが
今やネット広告、メルマガ、LINEなど媒体が増えたことで顧客接点やデータの管理が難しくなっています。
データが統合管理できていないことによって生まれる具体的なデメリットは以下2つです。
①データ分析時の前処理の工数
自社のデータを分析する場合、まずはデータを落とすところから始めると思います。しかしその際にデータが格納されている場所がバラバラだと、各種ツールやサーバーにアクセスしなければならず、データをダウンロードするのに工数がかかってしまいます。
また、ダウンロードが完了してもそれらを共通のキー(たとえばメールアドレスや顧客IDなど)で紐づけしたり、表記ゆれを処理するなどの作業が発生してしまいます。
こうなると本来やりたいことである分析そのものに割けるリソースが少なくなってしまい、生産性が下がります。
さらに言えば、分析とは次の施策で何をすべきか決めるために行うものですので、データの前処理に時間をかけすぎれば必然的にユーザーとのコミュニケーションにタイムラグが生じ、マーケティングのPDCAに影響が出てしまいます。
②各マーケティングツールへの連携
分析が完了し、特定のセグメントに対して広告やメルマガを出すにあたって、必要なデータを各種ツールに連携しなければなりません。しかし、デイリー単位でのデータなど高頻度なデータ連携が必要な場合、それを手動で行うのは非現実的です。
APIなどを通して自動化する場合も、データの格納先ごとにAPI開発が必要になってくる可能性があり、費用と工数がかかってしまいます。
よって、何かしら元データが格納されているサーバーと施策活用ツールを自動で連携してくれるハブのようなものが必要になってきます。
以上のようなデメリットを解消するための手段の一つとして、CDPが注目されてきているのです。
3.CDP導入・活用の課題
市場環境や理想的なコミュニケーションの変化に伴い、CDPの必要性が高まっている一方で、"CDP導入におけるデータ統合/活用のハードルが高く、なかなか導入・活用が進まない"といったケースが多く発生しています。
要因は企業によって様々ですが、代表的な課題としては以下の4つがあります。
①業務設計の課題
"CDPは一体何の為に必要なのでしょうか"
この質問を改めて問われた際に、どのように答えますか?
私たちは"ユーザーとの最適なコミュニケーションを行うために様々な起点から収集できたデータをしっかり整理整頓し管理するため"だと考えています。
そのため、どのように施策実行・活用をするのかということを元に設計/運用が行われる必要があります。
ですが、現状導入を行われた企業様の中でも、こうした業務設計ができていないために、"CDPを導入しデータ統合を行ったが施策実行に活かせていない"といったケースが多く見受けられます。
②社内温度感の差の課題
仮にあなたが会社でCDP導入を検討している立場だとしましょう。
あなた自身はCDPの必要性を強く感じており、上司にその旨を伝えますが、
ソリューションの難解さや導入目的、効果範囲の不透明さからなかなか話が進まない、といったことがあるかもしれません。
このように、社内でのデータ活用への温度感やリテラシーなどに差があると、導入のハードルが上がってしまいます。
③人材の課題
CDPは導入後に幅広く利活用できますが、施策ごとに工数が発生します。そのため網羅的なスキルを保有するPM(プロジェクトマネジメント)人材や実際に導入・保守を行うエンジニア人材が必要になりますが、それを十分に確保できる企業は多くないかと思います。
④費用の課題
CDPごとに費用形態は様々ですが、導入から保守・運用までで数千万単位の費用がかかることもあります。決して安い投資額ではないので、導入目的が明確に定まっていないと決裁がおりづらいでしょう。
実は自社に最適なCDPを選ぶことで費用・工数ともにスモールスタートができるパターンもあるのですが、③のような人材課題も抱えていると、最適な選定ができず、
高額な費用感のイメージだけが先行し、導入計画が頓挫してしまうこともあります。
以上がCDP導入・活用に際して散見される課題の代表例です。
これらの課題の中の1つでも該当する場合、外部のサポートなしで自社でCDPを導入し、十分に使いこなすことは難しいかもしれません。
4.最後に
この記事ではCDPを活用したデータマーケティングについて2つのポイントを記載しました。
・CDP市場の拡大と必要とされる背景
・CDP導入・活用における課題
ユーザーとの接点が多岐にわたる昨今、データを活用したマーケティングは今後より重要度が高くなっていきます。その基盤としてCDPは非常に有用なソリューションになり得ると推測されますが、あくまで手段先行ではなく、導入の目的をしっかり定めることが肝要です。
現在CDP導入を検討されている、もしくはすでに導入しているが十分に活用できずにいる、という企業様はぜひ一度当社にお問い合わせください。
今回ご紹介した課題に対して有効なソリューションをご提案いたします。
また、そのCDPのソリューション関連でグーグル・クラウド・ジャパン合同会社に同席いただいたインタビュー記事が近々リリースされる予定ですので、そちらもぜひご覧ください。
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コラム執筆者
青木洋
Septeni Japan株式会社
データ事業本部 データインテグレーション部 コンサルタント
2018年4月に入社後、3年間ほど広告計測関連のサポート業務に従事。
広告計測やアクセス解析ツールの導入から運用サポート・広告のタグマネジメント・Dynamic広告のデータフィード構築などアドテクノロジー分野において幅広く担当。
2021年4月よりデータ事業本部に異動。
現在はMAやCDPなどを活用した企業様のデータドリブンマーケティング支援に注力。
ABOUT 渡辺 龍
ExchangeWireJAPAN 編集担当
立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。