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Criteo、クッキーレス環境下での広告のパーソナライズを可能にする、 コンテクスチュアル広告提供を開始

Criteoは10月21日、新たなソリューション「Criteoコンテクスチュアル広告」の説明会を開催した。

 

 

転換期に来ているアドテク業界

CRITEO株式会社パートナーシップ戦略責任者の池田智幸氏は、冒頭、アドテク業界は大きな転換期に来ていると述べた。消費者は自身のデータの使い道に透明性を求めており、それに伴い、各国で規制強化の動きが高まっている。そして、大手のプラットフォーマーは各自のポリシーを独自に変更、改定してきているという。

そういった環境下でCriteoは、よりプライバシーの透明性を高めていくとともに、クッキーレスに向けての開発を進めているという。

 

また、Criteoが実施したアンケートによると、83%のマーケターが、「クッキーレス環境下での有効なマーケティング手法についてテストや検証を開始している」、または「開始する予定がある」と回答した。さらに、32%が「コンテクスチュアル広告の検証を開始している」、または「開始する予定がある」という結果となった。このようにコンテクスチュアル広告は今後非常に重要になってくる手法の1つだと捉えているという。

 

Criteoのコンテクスチュアル広告3つの特徴

続いて池田氏は、Criteoが持つコンテクスチュアル広告の特徴として、①「類似メディアターゲティング」②「アフィニティ(親和性)レコメンド」③「パフォーマンスの最適化」の3つを紹介した。

 

①では、Criteoが持つ膨大なコマースデータが用いられる。商品を購入したユーザーが直前に訪れていたサイト、閲覧していたコンテンツなどのデータから、購買に至りやすい関連性の高いサイト、ドメイン、URLなどを解析する。そして、その結果からより購買に結び付きやすい最適なサイトを広告の出し先として導き出していくこととなる。これらはCriteo内でアフィニティスコアと呼ばれるシステムでのスコアリングを基に行われている。

 

②では、ユーザーに対して、コンテンツにマッチした商品を出していく、レコメンドの技術を活用したターゲティングになる。ここでも、Criteo内のスコアリングが基になる。コンテンツと商品の親和性を解析し、広告主のカタログにある各商品の中からどの商品を出していくのが最適かまでをAIが決めていくこととなる。

 

③は、広告主のマーケティング施策にどこまで貢献できているかのレポーティングの紹介になる。池田氏は、「Criteoのコンテクスチュアル広告は誘導施策のための製品である」と前置きをしたうえで、KPIとしてCPV、CPQV、また、どれだけ新規の顧客をサイトに誘導できるかを測定していると述べた。それと併せ、コンテクスチュアル広告のキャンペーンでは購買に至らないケースでも、後に別のキャンペーンで購買に至ったかなどをフルファネルレポートとしてクライアントに提供しているという。

 

メディアのコンテンツの解析の仕組み

Criteoのコンテンツ解析は、URL、サイトカテゴリー、テキスト情報、テキストの中のキーワード、画像などのシグナルから、どのようなコンテンツなのかがカテゴライズされる。これらの解析結果を基に「ファッション」、「女性用ドレス」など、コンテンツに適した広告を表示していくこととなる。

また、重要な部分として「ブランドセーフティ」を挙げ、コンテンツ自体の安全性も同時に解析しているという。これにより、ブランドの棄損を懸念している広告主も安心して広告を掲載できるとしている。さらに池田氏は、「今後は、更にシグナルを追加していく予定であり、より精度は高まっていく」と述べた。

 

ユナイテッドアローズで高い効果を発揮

次に導入事例としてユナイテッドアローズが紹介された。他社の誘導施策と比較してCriteoの広告は、CTRが+800%、CVR+300%という、非常に高い効果が出ているとし、「Criteoの機械学習の精度に高い信頼を持っていただいており、継続して利用していただいている事例」と述べた。

最後に池田氏は、「Criteoのコンテクスチュアル広告は、現在はミドルファネル向けの製品として位置付けているが、今後は更にアッパーファネル向けに、ブランディングの施策や活用もしていただけるよう推し進めていきたい」と締めくくった。

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当

立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。