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SMN、AIを活用したインストアサイネージ広告の実証実験を実施[ニュース]

 

SMNは、デジタルサイネージの広告配信を視聴者別に行い、広告枠としての価値を適切に評価することを目的に、AIを活用した実証実験を実施した。

広告配信内容を視聴者属性に合わせて変化させた場合の視聴率への影響有無を観測し、広告枠としての価値を適切に評価することを目的に、都内大型書店一店舗のレジ前会計待ちエリアで、2021年4月1日~5月15日の間に、Phase1とPhase2それぞれの期間を分けて実施した。

 

Phase1では、SMNの研究開発組織a.i lab.が、ソニーグループが開発したAIを組み込んだ視聴者測定システムを開発。このシステムを搭載したカメラを、都内大型書店レジ前の会計待ちエリア1ヵ所に設置し、カメラに映る人物の検出とデジタルサイネージの視聴判定、その人物の属性(性別、年代)を推定する視聴者計測を実施した。
そして全広告接触者のうち、属性が取得できた約3万4千人の「性別×年代」 を判定し、各広告のターゲットに対する最適時間枠を評価し、それらを基に広告編成案を構築した。

 

Phase2では、Phase1で行った視聴者計測の結果に基づき、広告接触者を「若年層、ビジネスパーソン(1)、ビジネスパーソン(2)、シニア女性、シニア以外」の5つのターゲットに分類。各ターゲットに合わせてデジタルサイネージ上の広告配信内容を変化させた場合の視聴率の影響有無を観測。尚、広告配信時間や内容はターゲットを意識して事前に設定。

 

本実験の結果、ターゲットを意識した広告を配信することにより、広告を注視する(5秒視聴率)割合が、「シニア以外」で最大6.6ポイント増加したという。同社ではこのことから視聴者属性による広告配信内容の出し分けは有効であると考えられると結論付けている。

なお、本調査には、広告主として東洋経済新報社、ハースト婦人画報社、HITOWAライフパートナー(おそうじ本舗)をはじめとする企業が参画した。

 

出典:同社プレスリリース

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。