大手新聞社3社による、動画広告市場攻略の新たな一手とは[インタビュー]
成長を続ける動画広告市場、2021年は3889億円で前年比131.7%増と引き続き高い成長となることが予測されている。
動画広告市場攻略に向けて、大手新聞社3社による新たな一手が先日公表された。朝日新聞社、産経デジタル、毎日新聞社は共同で、3社が新聞社ならではの視点で取材、制作したニュースを映像にして配信する動画コンテンツを一元的に視聴することが出来るサービスとして、「NewsVideo」を開設。3社の提供する動画にまとめてインストリーム広告を配信できる商品の提供を開始した。
この取り組みの背景や取り組みの狙いに関して、運営事務局にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire JAPAN 野下 智之)
-NewsVideo提供開始の背景についてお聞かせください。
新聞社はテキスト、写真のコンテンツが中心ですが、実は動画コンテンツも充実しています。そこをみなさんに知ってもらいたいというのが、各社の想いでした。
また、各社の編集の仕方や斬り口によって、同じネタ(ニュース)でも違った動画になります。新聞各社の動画がワンストップで見られるサービスは他にはなく、これまでにない面白い試みになるはずだと思いで合同のサイトを立ち上げることになりました。
-広告主はこのサイトにある広告在庫を指定して動画広告を配信することが可能なのですか?
NewsVideo内、各社サイト、YouTube上の当該チャンネルのインストリーム枠をパッケージで販売することを想定しております。
-YouTube動画広告を配信する形になるかと思われますが、具体的にどのような手続きにより広告配信が出来るのでしょうか?
Google DV360を用いる予定です。今後はより効率的な手法を検討中です。
-ビジネスモデルとしては、どのような座組になっているのでしょうか?
まずは、NewsVideoに参画したパートナーの動画により接触する機会を増やし、その動画コンテンツ内に表示されるインストリーム広告の販売を注力していきます。今後、サイト成長が見込めたところで、広告商品の充実や、サービスの幅を拡大させたいと考えております。
-動画コンテンツへのユーザー集客は各社が行われるのでしょうか?NewsVideoとして独自に実施されていくのでしょうか?
現時点では、パートナー各社からの集客を想定しております。
-今後3社による広告ビジネスのさらなる連携を予定されているのでしょうか?
3社と限定せずにパブリッシャーが主導となる連携は、広げていきたいと考えております。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。