Google AdManager、デジタル音声広告のプログラマティック取引が可能に
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
Google AdManager、デジタル音声広告のプログラマティック取引が可能に
Googleは、同社のパブリッシャー向けプラットフォームGoogle AdManagerにおいて、ダイナミック広告挿入や、プログラマティックによる収益化、新たな予測機能など、デジタル音声広告へのサポートの機能拡張をおこなったことを、8/7のブログで公表した。
パブリッシャーは、自社が持つデジタル音声コンテンツの収益化が可能となり、広告主はより関連性の高いデジタル音声コンテンツ視聴者へのリーチが可能になる。ユーザーはより品質の高い広告体験が可能となる。
現在はまだβ版であるが、パブリッシャーは、デジタル音声、動画、ディスプレイなどのフォーマットをまたいだ広告による収益化戦略を立てることができるようになる。
例えば、ユーザーが音楽コンテンツをモバイルやPCで見ている場合には、動画広告を配信し、バックグラウンド姿勢をしている場合には、デジタル音声広告を配信することができるようになる。
【新サービス・新機能】
サイバー・バズ、インフルエンサーマーケティングサービス群をアップデート
サイバー・バズは、同社、「NINARY」「Ripre」「ポチカム」の3サービスから構成されるインフルエンサーマーケティングサービス群をアップデートした。
Instagramにおいて影響力の高いインフルエンサーを中心とした独自インフルエンサーネットワーク「NINARY(ニナリー)」は、従来のインフルエンサーインサイト情報に加え、該当インフルエンサーが抱えるフォロワーの興味関心ジャンル属性データも含めたインフルエンサープラニングの提供を開始。NANOインフルエンサーを中心にネットワークしている承認制会員サービスの「Ripre」と、一般SNSユーザー会員に、商品・サービスを体験してもらい、クチコミを投稿してもらう「ポチカム」はサービス名を「Ripre」に統一し、サービス統合を実施する。
博報堂グループ・D2C統合ソリューションチーム、生活者発想でD2Cブランド開発を支援するプログラム「D2C Design Studio」を提供開始
博報堂が発足したD2Cブランドビジネスを支援する「博報堂グループ・D2C統合ソリューションチーム」は、生活者発想でD2Cブランド開発を支援するプログラム「D2C Design Studio」の提供を開始した。
「D2C Design Studio」では、D2Cブランドを構成するブランド・エクスペリエンス・コミュニティの3つの要素に着目し、「生活者の共感を誘う“らしさ”を設計するブランド開発」「生活者発想に基づいた顧客体験を設計するエクスペリエンス開発」そして「ブランドとの絆を紡ぐ共創アプローチを通じたコミュニティ開発」をワンストップで提供する。
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス、スーパーカスミ21店舗でデジタルサイネージ広告を開始
スーパーマーケットのマルエツ、カスミ、マックスバリュなど計524店舗を運営するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは、リアル店舗での、AIデジタルサイネージを活用した広告配信・マーケティングサービス「イグニカ(ignica)サイネージサービス」の本格運用を開始した。
店舗サイネージをネットワーク化し、商品情報、料理レシピ動画、生活情報等の情報やコンテンツをリアルタイムで配信提供する。さらに、AIカメラの活用によりコンテンツ視聴効果の分析・可視化を可能とし、効果的な広告配信と効果検証が可能となる。
2020年3月より事業会社の株式会社カスミ3店舗にて実証実験を行ってきたが、8月より順次、カスミの21店舗で本格展開。また、マルエツ、及び、マックスバリュでも9月以降に順次展開を進めていくとのこと。
シナラ、OOHの効果計測・デジタル広告配信サービスCinarra for OOH(β版)を提供開始
シナラは、OOHの効果計測・デジタル広告配信サービス、Cinarra for OOH(β版)をリリースした。
同サービスを使うことで、従来困難であったOOHの効果検証および推定OOH接触者に対するターゲティング広告の配信が可能になる。
【サービス連携・業務提携】
サイバーエージェント、杏林堂と店舗のデジタル化に向けデジタルサイネージの協働販促プロジェクトを開始
サイバーエージェントの小売DXセンターは、社杏林堂薬局と共に、デジタルサイネージによる店内販促最大化を目的とした協働販促プロジェクトを開始した。
今回の協働販促プロジェクトでは、AIカメラを用いて「視聴人数」「視聴率」を計測、またPOSデータとの組み合わせにより「購買率」を算出することで、デジタルサイネージの設置場所毎の消費行動への影響および売上向上に効果的なクリエイティブの検証を行なう。
TVCMやWEB広告、デジタルOOHの接触から購買までの効果測定をID単位で可能とする「docomo data square」を提供開始
NTTドコモ、電通、電通デジタル、LIVE BOARD、 D2Cの5社は、国内初の取り組みとして、TVCM、WEB広告やデジタルOOH広告の接触から商品購買までの効果測定がID単位で可能となる「docomo data square™(ドコモデータスクエア)」を提供開始した。
ドコモが保有する位置情報データやdポイント会員データ、電通グループが保有するテレビ・デジタル等のメディア接触データ、LIVE BOARDが配信可能なデジタルOOHの配信ログ、及びD2Cの広告配信ログを、ドコモが保有する基盤にて統合することで、ID単位をキーとしたデータベースとして分析が可能となる。
サイバーエージェントとM-Force、ブランドマーケティング領域において協業を開始
サイバーエージェントはインターネット広告事業において、M-Forceと、ブランドマーケティング領域において8月1日より協業を開始した。
同社がマーケティング支援を行う広告主企業に向け、M-Forceが提供するサービス「9segs」を活用することで、顧客起点の本質的かつ包括的なブランドマーケティングによる事業成長支援を行う。
PubMaticとLiveRamp、日本市場に人ベースのIDソリューションを提供
PubMaticは、LiveRamp®とのパートナーシップを発表した。
LiveRampの中立的かつ、匿名化された人ベースのIDがPubMaticのPrebidベースのID管理ソリューションであるIdentity Hub を介して利用可能になった。
【調査】
CCI、新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
CARTA HOLDINGSのCCIは、2020年7月上旬、国内のデジタルマーケティング業界の関係者を対象に新型コロナ禍における「インターネット広告市場」の動向に関する調査を実施し、その結果をホワイトペーパーにまとめて公表した。
2019年上期と比較し、インターネット広告予算は61.5%が減少したと回答。さらに20.4%が大きくキャンペーン費用が減ったと回答しており非常に厳しい状況がうかがえるとのこと。また、インターネット広告の取引手法別にみると予約型については60.5%の回答者がキャンペーン費用を減少したと回答。一方で検索、アフィリエイトは変わらないという回答が多かったとのことだ。
ヤフー、2019年度は約2億3千万件の広告素材を非承認に
ヤフーは、広告主や広告会社、広告配信パートナーに、Yahoo! JAPANのサービスおよび広告を安心して利用してもらうことを目的に、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた「広告サービス品質に関する透明性レポート」を初めて公開した。
2019年度に約2億3千万件の広告素材を、Yahoo! JAPANが定めた基準に抵触する素材として非承認にしたとのこと。
広告審査による非承認の最も多い広告素材は、肌の露出が多い画像や胸・腹部など身体の一部を強調した画像などを含むもので、「ユーザーに不快感を与えるような表現」のため非承認にしたとのこと。また、非承認の多い商品ジャンルでは、化粧品や健康食品、健康雑貨が最も多く、2019年度で約978万件の広告素材を非承認とした。
CCI、国内動画配信サービスの最新視聴動向および新型コロナ禍における視聴状況の変化を調査
CARTA HOLDINGSのCCIは、2019年12月と2020年6月に実施した「動画配信サービス利用実態調査」をもとに、「国内動画配信サービス・プレイブック」を発行した。
プレイブックはこちらから無料でダウンロードが可能。
日本国内の81%が過去1年以内に動画配信サービスを利用したことがあるとのことであり、動画配信サービスが生活者にとって日常生活で利用するメディアの一つとして浸透してきているとまとめている。また、過去半年間で、メディア利用時間は0.6時間増加、動画配信サービスについては0.4時間増加したとのことだ。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。