ネット広告事業売上は前年比8.1%増、営業利益33.7%増-サイバーエージェント19年10-12月期決算-
サイバーエージェントは、2020年9月期第2四半期(対象期間:2019年10-12月期)の決算を発表した。
該当四半期の連結売上高は1156億8100万円で前年比4.4%増。営業利益は77億3300万円、前年比44.6%増。
主力事業の内訳は、メディア事業が122億2900万円で前年比6.9%増、営業損失が50億5000万円(前年同期損失額は46億8300万円)。売上増をけん引したAbemaTVへの投資を継続。
ゲーム事業は、既存タイトルが堅調に推移する一方で、新規タイトルが貢献。売上高は352億5100万円で前年比3.1%減、営業利益が51億1800万円で、前年比60.3%増と大幅な増益。
出典:同社IR資料
インターネット広告事業は、新規開拓したクライアントの広告取扱高拡大に注力し、売上高は673億2200万円で前年比8.1%増と、過去最高を記録。営業利益は56億6200万円、前年比33.7%増。営業利益率も前四半期の7.8%から、8.4%に上昇した。
同社代表取締役社長 藤田晋氏は、「景況感は年末を越えて回復してきており、足元の環境は明るい。」と総括。また営業利益率の上昇については、「ネット広告事業部で先行投資により内製化をした成果」(藤田氏)と述べた。2020年は新規開拓した大型広告主をしっかりと伸ばせるように体制を整えていく。
出典:同社IR資料
ダウンロード数が4800万を超えたAbemaTVの広告事業については、商品開発を強化しており、新たにアプリの起動画面等に掲載される「AbemaTV フルリーチプラン」や、本来有料でしか視聴できないオンデマンド番組に広告主が協賛し、ユーザーに無料で提供する「オンデマンドの協賛企画」などの新フォーマットを開始する。
AbemaTVの有料プレミアム会員は、19年12月末時点で前年比約1.7倍の59.3万人に達しており、年内100万人超を見込む。また、昨年4月に開設した「競輪チャンネル」を通じて販売している公営ギャンブルチケットの19年10-12月期取扱高は17億円に達しており、主力の広告や課金に次ぐ、新たな収益源の一つとして立ち上がりつつあるようだ。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。