先週のアドテクシーン:フィードフォースがアナグラムを買収、東証マザーズ株ストップ高
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
フィードフォースがアナグラムを買収、東証マザーズ株ストップ高
フィードフォースは、2020 年1月 10 日開催の取締役会において、アナグラムの株式を取得し、同社を連結子会社化することについて決議したことを公表した。
アナグラムは、インターネット広告の運用支援会社。リスティング広告の運用に強みを持つ。
フィードフォースが昨年7月に上場後、アナグラムより経営統合についての打診があり、その後協議を経て今回の発表につながったという。
アナグラムの直近の売上高は45億2400万円(※)、前年比約1.5倍とのこと。
(※媒体費グロス換算であり、フィードフォース社の決算公表基準におけるネット換算基準では8億3600万円、前年比約1.4倍)
今回の発表を受け、フィードフォースが株式を上場する東証マザースでは同日の同社株式はストップ高になった。
【イベント】
凸版印刷・CCI・電通、第二回「eSPORTS TRINITY」を共同開催
凸版印刷、CCI、電通が昨年より共同開催をする、日本のeスポーツビジネスイベント「eSPORTS TRINITY(トリニティ)」の第二回が規模を拡大して1月20日(月)に東京「ベルサール飯田橋駅前」にて開催される。
第一部「eSPORTS BUSINESS SEMINAR」では、CyberZ取締役 eスポーツ事業管轄 RAGE 総合プロデューサー、PLAYHERA JAPAN 代表取締役社長 大友真吾氏と、サッポロビール マーケティング開発部 メディア統括グループ シニアメディアプランニングマネージャー 福吉敬氏が講演を予定している。
第二部では、参加企業の代表者によるeスポーツ大会を開催。前回のリベンジに燃える企業から、新たに参戦するチャレンジャーまで、さまざまな企業が「格闘ゲーム」で真剣勝負を楽しみながら、企業間交流・コミュニティ形成を促進する。
イベントは無料(抽選制)、申込締め切りは1月15日までである。お申し込みはこちらから。
アイモバイル、Googleと1月22日に福岡で、九州パブリッシャー向けイベントを開催
アイモバイルは、1月22日18時より福岡で、九州エリアに拠点があるパブリッシャーに向けて、収益最大化の支援を行う事を目的としたイベントを開催する。
Google、西日本新聞メディアラボ、ファルコ、ツクリックスによる講演を予定。費用は無料。
【注目の企業・サービス】
GumGum(ガムガム)
AIを活用したコンテクチュアル広告配信プラットフォームGumGumが注目を集めている。
同社は2008年設立の米国カルフォルニアを本拠地とし、AIを活用した独自の画像認識技術を持っている。日本では、2017年後半から広告ソリューションの提供を開始した。
日経新聞による1月7日の報道を受け、ExchangeWireJAPANによる2018年インタビュー記事のトラフィックも急増した。
【新サービス・新機能】
電通、テレビ番組・CM視聴者のスマホに 視聴後最速30分で関連広告を配信する「Celer STADIA」の提供を開始
電通は、テレビ番組やテレビCMの情報に接触したと推定される人々に対して、視聴後最速30分で手元のスマートフォンに、視聴した情報に関連したデジタル広告を配信させる技術を開発し、ソリューション「Celer STADIA(セラ・スタジア)」として提供を開始した。
視聴者は、テレビ番組・CMで目にした特定の商品や店舗の情報に関心が高くなっている状態のまま、検索の手間無く再び触れることになる。広告主は、より高い広告効果を期待できるようになる。
出典:同社プレスリリース
【サービス連携・業務提携】
電通子会社のOOHメディア・ソリューションとケシオン、GPSデータを活用し屋外広告媒体の広告接触者数情報を提供
電通100%子会社のOOHメディア・ソリューションとケシオンは、GPSデータの活用により検出した屋外広告媒体の広告接触者数を参照できるWEBサービス『OOH-ATLAS』(オーオーエイチ・アトラス)を共同開発した。
『OOH-ATLAS』は、広告代理店や企業の宣伝担当向けの、屋外広告に特化したGIS(地理情報システム)サービスで、これまで客観的な評価指標がなく広告効果測定の難しかった屋外広告が、マスメディアやインターネット広告と比較できるようになる。
博報堂DYホールディングス、米国STRATACACHE社とテクノロジー・パートナー契約を締結
博報堂DYホールディングスは、デジタルサイネージや買物客の行動測定テクノロジーを活用した生活者の購買動線におけるマーケティング活動の推進、ならびに小売店舗のデジタルトランスフォーメーションのテクノロジー支援強化を目的に、STRATACACHE社とのテクノロジー・パートナー契約を締結した。
同パートナーシップを通じて、博報堂DYホールディングスおよび博報堂DYグループ各社は、STRATACACHEのテクノロジーを利活用したソリューション開発およびソリューションサービスの提供が可能となる。
「AJA SSP」がIndex Exchange社提供のヘッダービディングソリューション「Header Tag」に対応開始
サイバーエージェントの連結子会社AJAは、同社が運営するメディア向け広告配信プラットフォーム「AJA SSP」において、Index Exchangeが提供するヘッダービディングソリューション「Header Tag」に対応を開始した。
Index Exchangeが提供するヘッダービディングソリューション「Header Tag」を利用しているメディアは、ビッダーとして「AJA SSP」を選択することが可能になった。
【資本提携・買収】
AnyMind Group、スペースシャワーネットワーク傘下のGROVEを子会社化
AnyMind Groupは、スペースシャワーネットワークと資本業務に関わる契約を締結し、同社連結子会社で、インフルエンサーマーケティングを行うGROVEの過半数株式を取得し、連結子会社化することを公表した。
今回のGROVEの連結子会社化は創業4期目にして、 4社目のM&Aとなる。
【新会社・新組織】
フェイスブック ジャパンの代表取締役に味澤将宏氏が就任
フェイスブック ジャパンは、2020年1月6日付で代表取締役に元TwitterJapanの味澤 将宏(あじさわ まさひろ)氏が就任することを発表した。
同氏は、Twitter Japanの広告事業を急成長させた立役者。
2000年オグルヴィ・アンド・メイザージャパン入社。2008年から日本マイクロソフトにてPC及びモバイルディスプレイ広告ビジネスを統括。2012年4月、Twitter Japanに入社し、2016年11月より上級執行役員 広告事業担当本部長および日本・東アジア地域事業開発担当本部長を兼任した。
CyberZ、元P&G音部大輔氏を顧問に迎え、広告事業部門の組織を強化
CyberZは、17年間にわたるP&Gジャパンでのブランドマネジメント経験を経て、現在はクー・マーケティング・カンパニーの代表取締役を務める音部大輔氏を顧問に迎え、マーケター育成プロジェクト「PDP(Professional Development Program:プロフェッショナル育成プログラム)」を開始した。
同プログラムへの参加対象は、CyberZの広告代理事業部に所属し、お客様のマーケティング支援に従事するリーダークラス以上の正社員を予定している。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。