先週のアドテクシーン:ADK MS、ジェイアール東日本企画、東急エージェンシー3社がデータマーケティング領域で新会社
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
ADK MS、ジェイアール東日本企画、東急エージェンシー3社がデータマーケティング領域で新会社
ADKマーケティング・ソリューションズ(ADK MS)、ジェイアール東日本企画、東急エージェンシーの3社は、2019年4月よりデータマーケティング領域での共同取り組みを行う新会社「株式会社Data Chemistry(データ・ケミストリー)」を発足したことを公表した。
新会社の前身は、ADK MS100%子会社のアクシバル。同社が持つ「パネルデータ」による分析・プランニングの実績・知見を活かしながら、さまざまな「全数データ」を格納し、データ連携・分析を行うためのDMPを3社共同で構築していく。なお、新会社代表取締役社長には、ADK MSの沼田洋一氏が就任した。
【新サービス・新機能】
Speee、データインテグレートと予測分析技術を活用したマーケティング支援サービスを開始
Speeeは、データインテグレート手法と予測分析技術を活用したマーケティング支援サービスを、「PAAM(Predictive AnalyticsAnd Marketing、パーム)」として正式にサービス開始した。
「データ」を「統合(インテグレート)」し、解釈を加えることでマーケティング活動を支援する。
出典:同社プレスリリース
クオラス、PMPを活用したプレミアム動画広告を提供
クオラスは、PMPを活用したインターネット動画広告サービス、クオラス PMP「チョイス」の提供を開始した。
安全で安心な「プレミアムな配信メディア枠の確保」と、テレビ視聴ログデータや各種の最新データを掛け合わせて配信する、統合型のインターネット広告配信プラットフォーム。
動画広告の配信先として、民放キャッチアップのインストリーム枠と WEB メディアのビルボード、インライン、インリードに限定したプレミアムな枠を確保している。
出典:同社プレスリリース
メンバーズ、子会社を通じて医療業界に特化したデジタルマーケティング支援を開始
メンバーズは、2019年4月1日より、子会社の「メンバーズメディカルマーケティング」(旧MOVAAA)にて、製薬会社に特化したデジタルマーケティング支援事業を本格的に開始した。
医薬情報担当者(MR)の力だけに頼らない医療情報の提供機会の創出や患者・医療従事者のヘルスリテラシー向上などインターネットを前提とした業務変革を実現するためにデジタルマーケティング支援を行う。
【サービス連携・業務提携】
オプト、次世代マーケティングのカスタマー・データ・プラットフォームの中立組織「米国CDP協会」へ国内の広告代理店として初加盟
オプトは、米国CDP協会にゴールドパートナーとして加盟し、カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)を利用した顧客データの活用の推進を強化していく。
なお、米国CDP協会への加盟は、国内の代理店として初とのこと。
具体的な取り組み事項としては、「CDP構築に向けたツールの開発および提供」、「一気通貫した体制によるデータ活用サービスの提供(施策設計、戦略策定コンサルティング、顧客理解アナリティクス、アーキテクチャ設計)」、「日本におけるCDPに関するイベント・セミナーの開催や講演」、「米国CDP協会と連携したグローバル事例など最先端の情報の発信」など。
CCI、インフルエンサープロダクション5社と提携し、若年層向けコンテンツ企画・開発コンソーシアムを設立
CCIは、インフルエンサープロダクション5社と、 若年層向けコンテンツ企画・開発コンソーシアム「ハタアゲ」を設立した。
インフルエンサーならではのアイデアや企画を用いて、 企業の若年層向けプロモーション活動やメディアコンテツ開発を支援していく。
出典:同社プレスリリース
Gunosyとサニーサイドアップ、インフルエンサーマーケティングで業務提携
Gunosyは、サニーサイドアップと、インフルエンサーマーケティングにおける業務提携を行うことを公表した。
基本合意の概要は、「インフルエンサーの発掘、育成」、「インフルエンサーを活用したPR・マーケティング」、及び「コンテンツの企画開発」を3つの柱とし、関連したその他周辺領域を含む新たなサービスを共同で創造し、事業を展開していくというもの。
インフルエンサーマーケティング事業の詳細については、後日発表の予定。
今後は、インフルエンサーマーケティング事業に加えて、両社の強みを生かした様々な事業開発・展開を段階的に進めていく。
【新会社・新組織】
ソウルドアウト、子会社2社の合併を発表
ソウルドアウトは、グループ子会社のサーチライフとテクロコが、2019年7月に合併することを公表した。
SO Technologiesとなり、両社のこれまでの事業を継続する。
【決算】
Teads、2018年の収益は4億3,000万ドル
動画広告プラットフォームグローバル大手のTeadsは、2018年の収益を4億3000万ドル(約470億円)と発表した。
前期比は35%増と高い成長を続けている。
2018年に同社はプラットフォーム内での様々な機能の統合や、ターゲティングソリューションの開発等の広告主向けサービス拡大のみならず、広告クリエイティブ作成支援ツールの権限付与などをメディア側へのリリースを強化。 BBC、VICE、The Economist、O Globo、ハースト婦人画報社、日経BP社、South China Morning Post、Apple News UKなどの大手新聞社・出版社等のメディアとの独占的契約提携を全て更新し、新たなメディアとのパートナーシップも生まれたとのことだ。
【その他】
Sizmekが経営破たん、Chapter 11を申請
Sizmekは3月29日に、同社及び関連会社に関して連邦倒産法第11章に基づく自己申し立てを行ったことを公表した。
Sizmekは第三者配信アドサーバーグローバル大手として、世界70カ国以上で事業を展開。日本でも古くはEyeblaster(アイブラスター)として事業を展開、その後MediaMind、Sizmekとサービス名を変えながらリッチメディアフォーマットに強い第三者配信アドサーバーとして普及。2016年11月にはヤフーとの事業提携を開始。一方グローバルではDSP大手のRocket Fuel買収も行うなど、バイサイドの広告プラットフォームとして積極的な事業拡大を図ってきた。
負債額は6400万ドルとの海外メディアの報道もされており、債権者にはグローバル大手の名だたるアドエクスチェンジやSSPなどが名を連ねている。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。