先週のアドテクシーン:ヤフー、18年4-6月期検索広告売上収益が5年ぶり二桁成長に
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
ヤフー、18年4-6月期検索広告売上収益が5年ぶり二桁成長に
ヤフーは7月27日に、18年4-6月期の決算結果を公表した。
四半期の広告関連売上収益は前年比8%増で764億円。ディスプレイ広告は前年比3.4%増と伸びの勢いに欠けたものの、検索連動型広告が13.8%増、5年ぶりの二桁成長となった。広告表示デザインの変更やカテゴリ補足オプション機能の提供などの施策の効果が表れたとのことだ。
出典:同社決算説明会資料
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■調査対象となる方:インターネット広告ビジネスに関わっている、広告主、広告会社(代理店・メディアレップ・トレーディングデスク)・アドテクベンダー・媒体社に所属されている方。
■設問数:全10問(3分~4分程度)
■ご回答いただいた方には:後日調査結果レポートをお送りさせていただきます。
【新サービス・新機能】
Apple、AppStore内で検索広告の提供を開始
Appleは7月25日より、アプリデベロッパー向けに、App Storeでアプリケーションのプロモーションが可能な検索広告Search Adsの提供を開始した。
ストア検索結果の一番上に広告が表示され、インストール数に応じて課金される。
100ドルから出稿可能で全自動配信のBasicと、出稿主側がキャンペーンの内容や広告を届けるオーディエンスを独自に管理が可能なAdvancedの二つに分かれる。広告は8月2日以降に順次開始される。
デジタルインテリジェンス、テレビCMとデジタル広告のビューアビリティを加味した統合インプレッションを評価する、Correct View(コレクトビュー)の概念を提唱
デジタルインテリジェンスは、「Correct View」(コレクトビュー、以下Correct View)という概念を提唱した。
同社が提供するテレビCMアクチャル到達補完型広告配信システム 「CMARC®」(シーマーク、以下CMARC)のコアアイディアであるテレビCMの個人視聴率(個人GRP)をインプレッション数に換算し、デジタル広告のインプレッション数と統合的に指標化する考え方をさらに進めたとのこと。それぞれ人による視認可能な状態(ビューアブル)である指数を乗じて評価するというものである。
これをテレビCM×デジタル広告のアロケーションに関するコンサルティングサービスに活用する。
出典:同社プレスリリース
【サービス連携・業務提携】
オプト提供の広告効果計測ツール「ADPLAN」、クロスデバイスツール「Drawbridge」と国内初の連携
オプトが長年提供してきた広告効果測定ツール「ADPLAN」が、クロスデバイスツール「DrawBridge」との連携を開始した。
計測ツールとしては国内初の連携となる。これにより精度の高いクロスデバイス計測が実現し、また、ユーザーのWeb行動を基にしたセグメントの作成など、計測したデータを広告配信に活用することもできるようになる。
■ 今回の連携により実現するクロスデバイス計測
出典:同社プレスリリース
Supershipの「Ad Generation」、The Trade Deskと国内SSPとして初めてRTB接続を開始
Supershipは、パブリッシャー向けアドプラットフォーム「Ad Generation(アドジェネ)」において、The Trade Desk(TTD)が提供するDSPと国内SSPとして初めてのRTB接続を開始した。
「Ad Generation」が提供する広告フォーマットのうち、TTDの広告配信に対応する広告フォーマットは、バナー広告、ネイティブ広告、動画広告の3タイプとなる。
【新会社・新組織】
サイバーエージェント、クリエイター集団 PARTY と合弁会社「CYPAR」を設立
サイバーエージェントは、世界的なクリエイター集団 PARTYと共同出資の新会社として、株式会社CYPARを設立した。
クリエイターとAIが共存するクリエイティブプロセスの研究開発をするとともに、企業およびクリエイターにソリューション提供を行っていく。
【資本提携・買収】
日本経済社、デジタルマーケティング会社 「パブリックアイデンティティ」を買収し、デジタル事業を強化
日本経済社は、デジタルマーケティング領域のサービスを提供するパブリックアイデンティティの発行済み株式の70%を取得し子会社化した。
今回の買収により、デジタルマーケティング領域の人員体制と開発力、サービスの強化を図っていく。
【人事】
前アイレップ代表の紺野俊介氏、楽天の執行役員に就任
楽天は7月27日に、新たな役員人事を公表、前アイレップ代表取締役社長の紺野 俊介氏が、執行役員に就任する。
紺野氏は6月26日付でアイレップを退任、その後楽天に参画した。正式なタイトルは、執行役員 グローバルアドディビジョンアドプランニング統括部 ディレクターとなる。
【決算】
サイバーエージェント、インターネット広告事業売上は前年比19%増
サイバーエージェントは7月26日に、2018年度4-6月期の決算結果を公表。(PDF)
インターネット広告事業の四半期売上は、前年比19%増の607億円、営業利益は同15.7%、47.8億円となった。動画広告はブランディング向け広告の需要も高く、前年比約3割増と引き続き好調に推移している。
セプテーニHD、ネットマーケティング収益は2018年9月期第1-第3四半期累計で前年比5%増
セプテーニが公表したネットマーケティング収益、2018年9月期の第1-第3四半期累計は107億5300万円で、前年比5%増であった。(PDF)
Non‐GAAP営業利益は同累計で31億6400万円、前年同期比23.5%減となった。第3四半期は、既存顧客の取扱高縮小により僅かに前年を割り込んだ。新たに注力するブランド広告案件の収益は国内・海外とも順調に拡大しているとのこと。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。