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プラットフォーム・ワン、サプライサイド向けプログラマティック・カンファレンス(Programmatic Leaders Lounge)を開催

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)の連結子会社でプログラマティック領域を担う株式会社プラットフォーム・ワンが10月4日(水)夜、東京恵比寿にて媒体社向けにプログラマティックをテーマにしたカンファレンスを開催した。カジュアルな雰囲気の中でありながらも、全体にわたり技術的で専門性の高いイベントには、およそ100名の参加者により会場は満席となった。

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冒頭、プラットフォーム・ワン 代表取締役社長 秋葉典秀氏が登壇。「昨今話題に出てきているアドベリフィケーション、すなわちビューアブルやアドフラウド、ブランドセーフティーのような話題がプログラマティックの中では非常にホットなキーワードとして取り上げられている。どちらかというとデマンドサイドの議論となっているケースが多いが、サプライサイドに立った議論やサポートも行っていきたい。」と今回のイベントの開催主旨を述べた。

続いて同社が提供するSSP:YIELD ONE®のプロダクト開発を担当している松澤雅弘氏によるプロダクトアップデートや今後のロードマップの方向性に関する紹介がされた。

「デマンド側では、ビューアブル、アドフラウド、ブランドセーフティーという視点で広告運用を行うことが一般的になりつつある。デマンド側がどのように広告枠を評価・計測をしているかということが、サプライ側からは見えづらい状況になっている。」とし、デマンド側がサプライ側をどう評価しているのかという状況を把握した上で、SSPを活用した広告商品設計をしていくことの重要性を強調。これを背景に、YIELD ONE®のプロダクトアップデートの方向性として、「インベントリークオリティー」、「データ活用」、「動画広告」、「ビューアブリティ」などをキーワードに挙げ、ポイントを解説した。

開発企画部の吉見真人氏は、サプライサイドの視点からアドベリフィケーションの動向について解説。「アドベリフィケーションは、ブランドセーフティー、フラウドディテクション、ビューアビリティーに分類される。」と述べ、それぞれの区分について解説した。デマンドサイドである広告会社やDSP側では、アドベリフィケーションという言葉の広がりとともに、アドベリフィケーションに特化したサードパーティーの計測ツールが使われるようになり、このツールを使って配信先の精査を進めていると述べ、これを前提にしたサプライサイドの対応の必要性を説いた。

「アドベリフィケーションは、デマンドサイドにおいては取り組みが進んでいるが、サプライサイドにおいては対応が遅れている。現状はデマンドサイドが新しい指標でパブリッシャーの広告枠を評価し、取引をしていることが、パブリッシャーからは見えない。自らがどのように評価されているのかを知りそれがより良い評価になるように早期に改善することが今求められている。」とした。

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続いてプライベート・マーケット・プレイス(PMP)をテーマに、同社でPMPをリードしている中島啓輔氏が登壇。PMP取引の流れについて現状を解説した。

現状のPMPの課題として、現在取引においてメールベースでのやり取りがされているが、同社プロダクトのXmediaOne PMPにおいては、UIの大幅改善により管理画面上でやり取りできるようになるなど、プロダクトの新機能を紹介し、媒体社とDSP、広告会社の取引工数の削減につながることをアピールした。

最後は、株式会社産経デジタルでアドテクノロジーの導入や広告運用を担当する飯田修弘氏、株式会社カカクコムで価格.com、食べログなどの広告マネタイズ全体を担当する坂本優一氏、株式会社博報堂DYデジタルで博報堂DYグループのPMPを統括・推進する清水康隆氏、モデレーターとして、プラットフォーム・ワン サプライサイド統括マネージャーの浅利学氏による「PMP市場におけるデマンドサイドのニーズとサプライサイドに求められること」というテーマでのパネルディスカッション。

オープンとPMPの比率について産経デジタル飯田氏は、「現状はオープンオークションの方が大きいが、昨年から今年にかけてオープンからPMPへの移行が進んでいる。ビルボードや動画広告など、単価が高い案件の取引が出てきておりPMPからの収益は増加している。」と自社の状況を紹介。カカクコム坂本氏は取引額のトレンドは産経デジタルと同様であると述べるとともに「デバイス別でみるとデスクトップよりもスマートデバイスの方が増えた。」と自社の状況を説明。PMPの売上拡大のためには「純広告同様にPMPの媒体資料を作りSSPやDSPに直接営業に行くというようなことも併せて行っている。」と自社の状況を述べた。

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デマンドサイドから見たときのPMPについて、博報堂DYデジタル清水氏は、「PMPはまだ一部のクライアントに利用いただいているのが現状だが、最近はブランドセーフティーやプレミアムなサイトでのデジタル動画活用の増加という背景とともに需要が拡大している。さらに一度実施するとリピートしていただくケースが多い。」と、今後の可能性を語った。

また、動画広告に関しては、「アウトストリームを中心に案件が増えて需要が安定し始め、フォーマットの多様化が進んでおり期待をしている。ユーザビリティーに留意しながら、導入を進めている。」(産経デジタル飯田氏)、「動画広告はもともと純広告で案件を受けていたが、最近はPMP経由でも受けており、これも増えている。」(カカクコム坂本氏)、「プログラマティック、純広告すべてのチャネルで動画広告は高い成長を遂げている。テレビ・マスメディアと統合的に見た上で、デジタルでリーチや態度変容を取ってほしいというクライアントからの要望が、動画フォーマットでの対応を増加させる要因になっている。」(博報堂DYデジタル 清水氏)など、サプライサイドとデマンドサイド双方から、動画広告需要の高さを裏付けるコメントがあった。「外資系のクライアントを中心に、ビューアビリティーやブランドセーフティーに関する相談を受けている。当社としてはそれに対する一つの提案としてPMPを推していきたい。」(博報堂DYデジタル 清水氏)と、デマンドサイドからの要望がPMPの需要拡大につながる可能性を示唆した。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。