「顧客層はナショナル・ブランドへと拡大」、Criteoが2017年度の事業戦略を発表
リターゲティング広告配信プラットフォームとしてグローバル最大手のCriteoは2月1日、都内同社オフィスにて、2017年度の事業戦略を発表する記者会見を行なった。
Criteoが配信する広告の国内インターネット・ユーザーへのリーチ率は実に92.6%(※)を誇る。
※:comScore社調べ
会見の冒頭、北アジア地域最高責任者兼日本取締役社長のグレース・フロム氏が挨拶。アジア太平洋地域全体における同社売上の66%を日本市場が占めており、また日本支社の創設から5年が経過した現在でも売上が伸長し続けていることから、日本を中心としたアジア太平洋地域への取り組みを引き続き強化していくとの考えを示した。
続いて、今年1月1日より国内セールス部門統括コマーシャル・ディレクターに就任した小野良一氏が登壇した。
リターゲティング広告という商材の性格上、同社にとっての顧客となる広告出稿主は、広告が閲覧されてから商品購入などのコンバージョンに至るまでの期間が短い小売業、旅行業、賃貸不動産業などに集中する傾向があったが、近年では製造業や航空会社といったナショナル・ブランドからの引き合いが増えていると報告。今後は自動車など、広告閲覧から商品購入に至るまでの期間が長いセグメントに対しても様々な施策を打っていくと述べた。
また同じく今年1月1日よりAPAC戦略市場開拓担当ヴァイスプレジデントに就任した斉藤祐子氏は、2016年末に発表した広告制作テクノロジーである「Kinetic Design(キネティック・デザイン)」の概要を改めて紹介した。17 兆という天文学的な規模のパターンのクリエイティブ・デザインを生成する機能を備えた本テクノロジーを導入したことで、売上が15%増加した事例があるという。またGoogleショッピングにおいて、ユーザーの行動を学習して最適な入札をする同社の「プレディクティブ・サーチ」の仕組みなどについての説明も行なった。
さらに斉藤氏は、2017年における業界動向の見通しをも披露した。まず高額な買い物にもモバイルを利用する消費者が増加することで、モバイルからの商品購入とデスクトップからの商品購入による売上が肩を並べると予測。またデスクトップよりもモバイルの方が優先的に普及したアジアの新興市場の事業モデルを先進国が追随するという逆転現象が起こり得ると主張した。
ABOUT 長野 雅俊
ExchangeWireJAPAN 副編集長
ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。