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ニュース拾い読み:メンバーズ、月額固定給4%のベースアップ実施を決定

最近デジタル広告会社と取引がある業界関係者から、「デジタル広告会社の人材価値が高まっている感がある。どうやらデジタルに本格的に取り組み始めた事業会社がマーケッターとしてデジタル領域の業務経験のある人材を求めていることが背景にあるようだ。」と言う話を聞いた。

マーケッターに限らず、参入が続いている外資系ベンダーなども含め、広告会社デジタルマーケティングの実務経験を積んだ人材の活躍の場は増え続けている感がある。

以下に紹介するリリースは、そのような環境が背景の一つになっているのだろうか。あるいは優秀な新卒人材の確保に向け、就職活動中の学生へのメッセージという意味合いも込められているのだろうか。

Web制作やデジタル広告代理事業を手掛けるメンバーズが、自社の給与制度に関する取り組みを公表した。

内容は、「2016年4月の給与改定において全社員を対象に月額固定給4%のベースアップを実施することを決定した。」というもの。このようなリリースは珍しい。

同社はまた今後についても「平均残業時間50%削減などの生産性向上の取り組みを実施し、月額固定給を段階的に引き上げ、2019年度を目途に月額固定給25%のベースアップ、ならびに年収20%アップを目指す。」としている。

名証セントレックスに上場している同社の2015年3月期有価証券報告書には、平均年間給与5,330,898円(平均年齢34.1歳)と記載されている。

かつて日本企業では当たり前であった「ベースアップ」に関する同社のリリース。珍しくもなった現在、どのような反響があるのかとても興味深い。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。