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米YahooはQ4に15%の従業員カット

(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

米国Yahooの大きなニュースがウォール街に飛び込んできた。同社のQ4決算発表にて、15%の従業員カットと年内に4億ドルのコストカットを発表した。Q4決算はウォールス街のアナリストの予想と合致していた。同社のQ4の収入は12.7億ドルだったが、年間でソーシャルメディアTumblrの不振等により44.44億ドルの営業権の減損損失を発表した。

財務ハイライト

● Q4の収入は12.73億ドルで、昨年比で1.5%上昇
● ディスプレイ広告収入はQ4で601億ドル。2014年の同時期から13%の上昇
● 検索広告収入は2015年Q4は522億ドルで、2014年の同時期から12%の上昇

スピンオフをすべきか

Yahooの四半期発表のポスト分析ではよく「スピンオフ」という言葉が飛び交う。Yahooはコア事業であるYahooビジネスと、Yahoo!JAPAN及びAlibabaの持ち株投資会社を分離する計画について発表した。この発表を、多くの業界関係者が期待するYahooのコアビジネスの将来的な身売りに向けた準備と捉える人もいる。

しかし、この身売りの機会とはどの様なものだろうか?同社のコアコンテツサイトや電子メールサービスは1ヶ月で8億もの世界中のユーザーに利用されており、検索広告事業については未だに収益力の高いビジネスである。

Yahooはアドテクにおいても重要なポジションを占めており、過去2年もの間にFlurryやBrightRollなどの興味深い買収を行っている。

大きな戦略的な買い主が現れて、Yahooを買収する様なことがあるのかは時間が証明するだろう。通信事業者はコアビジネス市場が減少していく中で新たな収入源を探しており、メディアやテクノロジーレイヤーでの事業を探している者にとって、Yahooは興味を引く買い物となるだろう。

Mayer氏は買い主を探しているのか?

Mayer氏は完全な売却よりも事業の再生計画の実行に努めたい様に思える。しかしながら現状は少し混乱を招いているようだ。Mavens (モバイル・ビデオ・ネイティブ・ソーシャル)は投資家が求める様な大きな成功を収めることが出来ておらず、彼女自身が後どの程度の時間が与えられるかも定かではない。

Mayer氏は業績発表の中で、いくつかのプログラマティックに関しての戦略をほのめかしたが、(未だにYahooのコアビジネスである)ディスプレイ広告が自動化されていくとすると、Yahooは商品提供についてよりはっきりとした道筋を示す必要がある。

Googleのほぼ150〜200億ドルの売上がプログラマティックから成り立っていることを考えると、Yahooは広告市場についてのサービスについて明確な姿を示すことが出来ていないと考えられる。

これはダウンサイズをしていくYahooにて、彼女が考えるべき鍵となる戦略となるだろうか?もし彼女がコンテンツと電子メールをYahooのコアと考えた場合、自身のアドテクに関する多くの営業プロセスを自動化し、技術コストを削減することが可能だろう。このことは収益成長に確実に影響するだろうが、合理化された「プログラマティック」Yahooの利益は上昇するだろう。

Yahooはまだ戦略的な価値を有しているが、これが単独事業者としてか、より大きな集団としてなのかは不明瞭である。これから半年で我々はより明確な姿を目にすることができるだろう。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。