先週のグローバルアドテクシーン: Google DoubleClick、媒体社向けにファーストルックソリューションをテスト的に開始
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、先週に起きたグローバル市場のトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
Thalamus、日本のモバイル広告プラットフォームーリスト「The Ultimate List of Japanese Mobile Ad Networks」を公表
以前ExchangeWireでも紹介した、グローバルのデジタル広告業界向けバーティカル検索・企業データベースサービスThalamusがブログ上で、日本のモバイル広告プラットフォームにフォーカスしたまとめリストを公表した。国内の多くのサービスを取り上げている。
GroupM、英国の2016年の広告費用予測を発表
WPPグループ傘下で世界最大級のメディアエージェンシーであるGroupMは、英国における2016年の広告費の予測レポートを発表した。内容としては5年連続で英国のGDP成長を上回る成長を遂げるという前向きのものであった。
iClick、Tencent Social Adsに対してファーストルック取引を開始
香港に拠点を置く広告プラットフォームのiClickは、中国の巨大SNSをであるTencentとファーストルック(優先取引)でのプログラマティック取引を開始する。Tencentとのファーストルック取引はiClickが業界初となる。
Google DoubleClick、媒体社向けにファーストルックソリューションをテスト的に開始
DoubleClickは、媒体社向けにファーストルック取引を開始するためにテスト運用を開始したことを公式ブログで発表した。ファーストルックは、いわゆる優先取引のことを指し、最初のタグがコールされるため最も高い単価かつ早いレスポンスで広告を表示できることなどに強みがある。
OpenX、Graphiqとヘッダービディングでの取引を開始
OpenXは、インタラクティブ性なグラフなどを利用しビジュアルデータを提供する媒体のGraphiaとの関係を強化する。具体的には最初にコールされるヘッダービディングにOpenXを登録してもらうことで収益性やレスポンスの向上を図る。
Bluecore、シリーズBで2,100万ドルを調達
ECマーケティングの米国ベンチャーのBluecoreは、Georgian Partners主導のシリーズBにおいて2,100万ドルの資金を調達した。
Semcasting、選挙キャンペーン向けにPolitical Data Suiteをリリース
Semcastingは選挙キャンペーン等に利用できるデータスイートの提供を開始した。IPなどを駆使してクロスデバイスのデータも提供する。DSPのThe Trade Deskらと提携しており、DSPを通じてターゲットに配信可能。
TubeMogul、中国・東南アジアエリアの体制を強化
TubeMogulは、中国・東南アジアでそれぞれのエグゼクティブを新たに迎え入れ体制を強化する。中国を担当するZheng氏は、オグルヴィ、Yahoo!、人々網などでの経験がある。
東南アジアを担当するWilliams氏は、ニールセン、リンクトイン、Facebookで活躍をしていた。
eMarketer、市場数値分析ツール「Number」をリリース
デジタルマーケティング市場の分析レポート等を提供するeMarketerは、ユーザがカスタマイズでレポートを作成できるインタラクティブツールの提供を開始した。利用には登録が必要であるが、グラフィカルに多量な軸で分析が可能である。
AppNexus、APACのプログラマティック普及状況のレポートを公開
AppNexusは、プログラマティック広告の普及状況のレポートを公開した。APACの特徴としてプログラマティック広告を利用している9割がモバイルでも実施していることであった。これは世界平均が71%であることと比べて突出して高い値となった。
AppNexus、マイクロソフトとグローバルでの独占提携を発表
AppNexuはマイクロソフトと独占提携の範囲を拡大させた。新たに39の市場でのマイクロソフト在庫におけるプログラマティック広告の独占などが発表した。AppNexusはマイクロソフト傘下であるため関係を強化させたという見方。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。