Appier、セコイア・キャピタルらからシリーズBラウンドで2300万ドルを調達
台湾を本拠地とし、人工知能を活用したクロスディバイス配信を強みとするDSPのAppierが、シリーズBラウンドで27億円の資金調達を新たに行ったことを公表した。
調達先は、ユナイテッド・オーバーシーズ銀行ベンチャーマネジメント(UOBVM)、トランスリンク・キャピタル、メディアテック・ベンチャーズ、ジャフコ、そして2014年6月のシリーズAラウンドでも600万ドル出資をしたセコイア・キャピタル、など。
同社はこの資金を活用し、アジアにおける事業拡大と、AIテクノロジーを支えている研究開発チームのさらなる強化を図るとのこと。
Appierの設立は2012年、プログラマティック取引の普及期にはまだ至らぬ台湾市場国内中心ではなく、当初よりグローバル市場を見据えた展開を志向しており、現在はAPAC地域において、日本を含む10か国11拠点で事業を展開している。また米国サンフランシスコにも拠点を構えている。
同社の売上は、2014年10月と2015年10月を比べると300%超になっているとのことである。
日本では、2014年7月に東京に日本オフィスを設立し、日本担当ヴァイスプレジデントとして、元楽天の井料武志氏が就任し日本の事業を統括している。日本においては、家電メーカー、自動車メーカー、銀行、保険、ゲーム会社など100社以上の企業での実績があるとのことだ。
同社では最近元Googleで台湾・香港のマーケティングコミュニケーションチームを立ち上げた経験者が参画しCMO職に就くなど、組織作りへの投資も積極的に行っており、今後の展開が気になるところである。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。