Sharethrough とAppNexusが連携、ネイティブ広告のRTB取引を開始
今、国内外を問わず今後の成長性が確実視されているネイティブ広告市場に関連して、プログラマティック取引普及にインパクトを与えそうなニュースが公表された。
ネイティブ広告プラットフォーム最大手のSharthroughが、独立系広告プラットフォームとして、グローバル最大手のAppNexusとRTB接続を完了したことを公表した。
その内容によるとAppNexus、Sharethorough双方が、今年2月IABが公表したネイティブ広告のRTB取引に関する標準規格であるOpenRTB2.3に対応し、RTB取引を行うとのことだ。
OpenRTB2.3とは、データ構成が従来のディスプレイ広告などと異なるネイティブ広告取引に適した標準規格である。
画像、映像など単一のデータにより構成される、従来のディスプレイ広告やビデオ広告などを対象とするRTB取引の場合、売り手と買い手とがやり取りするのはビットデータと広告タグである。
だが、タイトル・サムネイル画像・テキストなど複数のデータユニットにより構成されるネイティブ広告の場合、広告タグではなくメタデータのやり取りをする必要がある。
このようなネイティブ広告のRTB取引を初めてサポートしたのがOpenRTB2.3となる。
OpenRTB2.3に関しては、Sharethrough社サイトにわかりやすい図とともに紹介されており、より詳しくはこちらを参照いただきたい。
今回の両社の提携により、AppNexusを活用する広告主は、ディスプレイ、ビデオ、などのフォーマットの他、新たにネイティブというチャネルを同社のプラットフォーム上で獲得することとなる。
一方、セルサイドに立つSharethroughは、新たにAppNexus経由で大手広告主予算の流入が期待されることとなり、メディアに対する収益還元力を更に高めることにつながるであろう。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。