AdRroll、グローバル広告主20,000社のキャンペーン調査結果を公表
米国パフォーマンスディスプレイ広告プラットフォーム大手AdRoll社日本法人、AdRoll Japanが29日、Facebookリターゲティング広告キャンペーンの調査結果を公表した。
サンプルは、同社がグローバルで抱える顧客約20,000社の、55,000を超えるキャンペーンを対象としたもの。対象期間は2014年7月1日~2015年6月30日の1年間。
本調査結果は、同社のプロモーション用のホワイトペーパーである。その論旨に関しては、こちらからダウンロードすれば見ることが可能である。
このレポートでは、AdRollのビジネスの特徴を示唆するいくつかの興味深いデータが公表されている。
1.配信面の特徴
<参照:AdRoll 数字で見るFACEBOOK リターゲティング 2015>
同社のプラットフォームの特徴として、Facebookとの強い連携が挙げられるが、上に示されているデータはこれを裏付けるものであるといえよう。
各地域別の配信面別コンバージョン数の比率を見ると、どの地域においてもFacebookの構成比が多くの割合を占めていることがわかる。特に日本に関しては全体の65%をFacebookが占めており、Facebook比率の高さは他の地域を圧倒している。これは、しばしば比較対象となるCriteoの配信面におけるYahoo!JAPAN比率の大きさが業界内では話題となるが、これと好対照である。
もっとも日本におけるFacebook比率が高い理由としては、同社が日本市場参入から日が浅く、ローカルインベントリーの開拓が現在進行形であろうことも、その一因であるとも考えられ”日本ほデータは参考値”との注釈もあるが、市場本格参入が日本より約1年前(2014年3月)のオーストラリア市場では、Facebook比率は19%にとどまっていることを見ると、その限りではなく日本市場の何らかの地域特性が、AdRoll社のこの数値に影響を及ぼしているとみることもできる。
2.広告主業界別のFacebook比率
<参照:AdRoll 数字で見るFACEBOOK リターゲティング 2015>
このスライドでは広告主業界別の広告予算に占めるFacebook比率が公表されている。まず上に示されているグラフを見ると、各地域共に、RETAILカテゴリにおけるFacebook売上比率が全体の6割を超えており、FacebookとRETAILとの親和性の高さがグローバル共通の特徴として見てとれる。
また、BtoBカテゴリにおける1広告主あたり広告出稿額の対前年成長率が他のカテゴリよりも高いことが、下のグラフから見て取れるが、ここからは同社の売上成長にBtoBカテゴリの広告主の予算増が寄与していることを、うかがい知ることができる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。