VerizonがAOLを買収、モバイル広告プラットフォームビジネスに本格参入
米国大手通信キャリアのVerizon Communicationsは5月12日、広告プラットフォームビジネスを展開する米国AOLを買収することを公表した。
買収金額はおよそ44億ドルになる模様である。
VerizonによるAOL買収に関しては既に今年の年始に噂として報じられたが、当時はVerizon のCEOがこれを否定していた。
だがVerizon(厳密には子会社モバイルキャリアのVerizon Wireless)はこれまでもサードパーティーDSPに対して、広告配信用のユーザーデータを提供するビジネスを行なってきた(この時は米国で物議を醸したが・・・)こともあり、データを活用した広告ビジネスに対する関心の高さはかねてより周知されていた。
AOLを傘下にすることで、今後本格的にモバイル広告ビジネスに参入することとなる。
一方のAOLはというと、今年4月に、これまでの買収を経て傘下に収めてきたディスプレイ広告プラットフォームのAdvertising.com、動画広告DSPのAdap.tv、マルチタッチアトリビューション分析ツールのConvertroを一つの広告プラットフォームに統合、One by AOLとしてリブランディングをしたばかりである。
Verizonの傘下に入ることで、同社が持つサービスやユーザーデータとの連携がなされれば、さらに強力な広告主向けソリューションプラットフォームとなる。様々なサービスを買収し、そして買収されることにより、まさに“One by AOL”への道を突き進んでいる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。