目指すはマーケティングコミュニケーションのデフラグ。新会社“ベストインクラスプロデューサーズ”が創業
アドテックスピーカーとしても知られる、前朝日広告社デジタル戦略センター センター長の菅恭一氏は、デジタルインテリジェンスの支援を得て、同社と共同で新会社を設立する。
新会社の名称はベストインクラスプロデューサーズ(以降BICP社)。代表取締役社長には菅氏が就任、また取締役会長にはデジタルインテリジェンス代表取締役社長横山 隆治氏が就き、事業連携を図る。
読者の中にはFacebookのタイムラインやニュースサイトなどで以下のカオスマップを目にした方も少なくないであろう。2015年1月にChiefmartecが公表したマーケティングテクノロジーのカオスマップである。ちなみにここに登場する社数は1876に及ぶ。
ここに挙げられているようなサービス・ツールのそれぞれを深く理解して使いこなしていこうとすることは不可能に近く、恐らくその対策をどうするかは、世界中のマーケッターが直面する共通の課題であろう。
BICP社が提供するサービスは、このような課題に直面した企業のマーケッターに対し提供する、広告・マーケティング業界全体を巻き込んだ、マーケティング活動のプロデュースサービスである。
同社によると近年マーケティングチャネルの多様化による顧客接点の分散化が進み、またこれを支える様々なマーケティング活動を支援するテクノロジーが出てくる一方、それぞれの機能やその機能を使いこなすことが出来るパートナーや人材のフラグメントが起こっている。このためマーケッターはこれらに個別対応をすることに追われるという課題に直面している。
そこでこれをデフラグ(断片化された状態のものをつなぎ合わせて再配置すること)して統合されたマーケティング施策を打つための環境整備を担うことが、BICP社の役割となる。
【BICPが提供するソリューション】
具体的には、クライアントとなる広告主企業が主にデジタルの施策を絡めたマーケティング活動を展開するに当たり、プロジェクト単位で各分野のエキスパートを集めたチームビルディングや、マーケティングのシナリオ作成、ディレクション、運用支援、そしてクライアント企業の人材、組織育成からマーケティング活動に必要な仕組みづくりまで多岐にわたる。
また、チームビルディングは同社が各分野のエキスパートを選出して行うとしている。
【主なサポート体制】
同社が目指す事業構想は、2014年にライオンが独自に各分野のエキスパートを選出して立ち上げたオウンドメディアLideaのような取り組みを支援するということに近しいイメージであるという印象を受ける。
デジタルマーケティング業界のブレーンの一人として知られる菅氏は、業界黎明期の2001年よりデジタルメディア領域に携わり、国内外多数の企業マーケティング活動の支援、コンサルティング業務実績を持つ。
同社が近いうちにどのようなベストプラクティスを業界で披露してくれるかが、待ち遠しいところである。
デジタルインテリジェンスプレスリリース(PDF)
ベストインクラスプロデューサーズプレスリリース(PDF)
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。