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先週のアドテクシーン: ドリコムの動画配信広告ネットワークがソフトバンクモバイルと連携開始、データサイエンティストの定義・スキルセット等が発表

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

ユナイテッドが「Appliv」のヴォラーレと資本業務提携を締結

ユナイテッドは、ウェブコンサルティング事業やスマホアプリ情報サイト「Appliv」の運営などインターネットメディア事業を展開するヴォラーレに出資し、資本業務提携を行った。金額は非公開。アプリ広告に特化したアドネットワーク「Appliv AdNetwork」の出稿におけるSSP「AdStir」の優先利用、AdStirにおけるAppliv AdNetwork配信用特別広告枠の確保など。今後成長が見込まれるネイティブ広告を中心としたネット広告領域における取引量増大と、両社事業の強化していく。

 

ベクトルがアドテク領域においてJX通信社と資本業務提携を締結

ベクトルが、ニュース記事解析・配信ネットワーク「Vingow XWire」を提供するJX 通信社が実施する第三者割当増資を引受け同社の一部株式を取得し、事業面での提携を決定した。まずは、同社が2014年10月に開始した戦略 PR とアドテクノロジーを掛け合わせた情報発信活動をオンライン上で完結できる「Native News Wire」とVingow XWireの連携を行う。ベクトルは、マイクロアドと合弁会社ニューステクノロジーを設立しており、広告とニュースの融和を目指す。

 

データサイエンティストの定義やスキルセットを発表

ヤフーのCSO (チーフ・ストラテジー・オフィサー)である安宅和人氏が委員長を務める一般社団法人データサイエンティスト協会およびスキル定義委員会が、データサイエンティストの定義やミッションなどを策定し、公開した。データサイエンティストに求められるスキルセットは、課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する「ビジネス力」。情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、使う「データサイエンス力」。データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする「データエンジニアリング力」の3つであることが明確にされた。

 

ドリコムの動画配信広告ネットワークがソフトバンクモバイルと連携開始

ドリコムが提供している動画配信広告ネットワーク「poncan ビデオアド」が、ソフトバンクモバイルの「Tモール動画 for SoftBank」と連携を開始した。これにより、広告主は従来のポイントメディアのユーザーに加え、ソフトバンクモバイルユーザーへ動画広告のリーチが可能になる。ユーザーは、Tモール動画 for SoftBankから動画広告を見るだけでTポイントを獲得することができ、獲得したTポイントは、携帯電話の新規購入・機種変更、毎月の利用料金への充当のほか、Tポイント提携先で1ポイント=1円として利用できる。

 

Criteoが「モバイルコマースレポート」を発表

モバイルにおける消費者の購買行動やトレンドに関するレポート「State of MobileCommerce」が発表された。世界主要諸国のオンラインショッピングのうち30%以上がモバイル経由で行われ、モバイルコマースが一層浸透していることが明らかに。国別でみると、日本はオンラインショッピングにおけるモバイル使用率が49%に達しており、今回の調査対象国の中で最もモバイルコマースが浸透している市場となっている。また、欧米やヨーロッパでは、タブレットの使用率がオンラインショッピング全体の50%を上回る一方、日本や韓国ではスマートフォンの使用率がタブレットを上回った。

 

フルスピードのDSP「AdMatrix DSP」とPlatform IDのSSP「Xrost SSP」が接続

フルスピードが提供するDSP「AdMatrix DSP」と、Platform IDが運営するSSP「Xrost SSP」とRTB接続した。国内プレイヤー同士の接続である。これにより、AdMatrix DSPが保有する広告配信在庫は月間700億インプレッションとなった。

 

セプテーニがGunosy Adsプレミアムパートナーに認定

700万ダウンロード突破の国内最大級の情報キュレーションアプリ「グノシー」を運営するGunosyによって、セプテーニがGunosy Adsプレミアムパートナーに認定された。セプテーニはまた、「GunosyAPI」を利用した広告運用最適化ツール「PYXIS for Gunosy」を開発し、12月下旬より運用を開始する。今後は、Gunosyのベータサービスの活用、APIによる広告システムとの接続などが可能となる。

 

マイクロアドが訪日観光客の集客を支援する専門会社を設立

2015年1月、日系企業を対象にしたインバウンドマーケティング戦略の企画立案と運用を支援する専門会社「株式会社マイクロアド・インバウンド・マーケティング」が設立される。マイクロアドが培ってきた各国でのソリューションの知見を活かし、現地メディアを提携するなどして、日系企業の抱える「訪日観光客の取り込み」の解決を目指す。また、昨年12月より提供を開始したAPAC全域への広告配信が可能なネットワークサービス「BLADE-APAC-NETWORK」を駆使し、日系企業の海外に対する広告配信をサポートする海外向け広告代理事業も行う。2015年12月までに売上高10億円を目指す。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。