マーケターがモバイルにもっと注目すべき6つの理由 〜マリンソフトウェアによる分析
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on 2014年7月28日 in(ライター:岡 徳之)
グローバルにおける最新の端末別クリックシェアおよび広告投資比率がマリンソフトウェアによって公開された。以下のグラフは、今年3月末時点の「マリンソフトウェア・オンライン広告グローバルインデックス」をもとに同社が作成したもの。
同インデックスに含まれる広告市場に関するデータは、Marinプラットフォームを通じて年間総額60億米ドルを超える検索連動型広告を展開するグローバル企業の実績にもとづく。米国、英国、ユーロ圏、日本、中国を含む13の国と地域を対象としており、主要な産業分野を網羅している。
それによると、クリックシェア数のシェアを見ると、スマートフォンとタブレットを含むモバイル端末が引き続き増加する一方で、全体的にモバイル向けの広告投資は成長ペースに追いついていない。特に米国を例にとると、PCからのクリックは全体の64%であるにも関わらず、広告投資は全体の74%とはるかに高い割合。
ただし、日本は例外で、既にモバイル向けの広告投資がPCのそれを上回っている。一方で、日本におけるタブレットのクリックシェアは7%と、他国・地域に比べ低い水準となっている。eMarketerの調査によると、日本におけるタブレットの普及率は調査対象の11ヶ国中最下位で、まだ成長の伸びしろがあるとも見て取れる。
またマリンソフトウェアは、モバイル向けプログラムへの投資拡大が合理的であることを以下の統計が示していると指摘。
・ | モバイルで調べ物をする人の93%が、何らかの商品やサービスの購入に至っており、購入のほとんどがリアル店舗で行われている。[出典(英語):Google] |
・ | モバイルで調べ物をしている消費者の55%は1時間以内に商品を購入したいと考えている。[出典(英語):Nielsen & Google] |
・ | 米国のスマートフォン利用者の86%は、スマートフォン端末をセカンドスクリーン(サブの画面)としてTVを見ながら利用している。[出典(英語):Nielsen] |
・ | 米国の消費者は月間平均34時間17分、日本の消費者は平均約40時間、スマートフォンのブラウザやアプリに時間を費やしている。[出典(英語):Nielsen] |
・ | eMarketerの予測によれば、全世界における2014年末のスマートフォン所有者数は2013年から25%増の17.6億人に達する見込み。国内においても、2014年末のスマートフォン所有者数は2013年から44%増の7,650万人に達する見込みである。[出典(英語):eMarketer] |
・ | 米国で最も利用されているモバイルアプリはFacebookで、アプリ利用者全体の74.1%が活用している(2014年4月)。[出典(英語):comScore] |
さらにマリンソフトウェアは、マーケターがモバイルを活用する場合、すぐに対策をとるべき事柄として以下のことを提言した。
・ | 顧客に対して快適なモバイルエクスペリエンスを提供する必要がある。探し求めている商品の在庫が店頭になければ、顧客をリアル店舗に誘導してはならない。 |
・ | ブラウザとアプリのどちらでより最適なエクスペリエンスを提供できるかを熟慮する必要がある。 |
・ | すぐに役立つサイトのリンク集を必ず提供するべき。 |
ホワイトペーパー:「モバイル検索広告~ワールドレポート」(2014年版)
(編集:三橋 ゆか里)
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。