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先週のアドテクシーン:Dennooのディスプレイ広告DSPサービスや、AOLグループの国内DSPサービス開始など

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

 

 

Dennoo、表示時間ベースのディスプレイ広告DSPサービスを開始

Dennoo Inc.は11月1日、Demand Side Platform(DSP:オンライン広告在庫の自動買い付けプラットフォーム)である「Dennoo」ベータ版を、米国と日本の二拠点で同時リリースした。Dennooでは、インターネットのディスプレイ広告在庫の買い付けに際し、一定秒数以上の表示に基づいて課金するCPV(Cost Per View)で入札が可能。Google社のDoubleClick Ad Exchangeを通じてGoogle Display Networkの在庫を中心に買い付ける。Dennooは、6月にcciと共同で一定の表示時間以上のものを課金するディスプレイ動画広告(Display Cost per View)をリリースしているが、今回のDSPはその技術を応用したもの。TrueViewの考え方が徐々に広告主にも根付く中、このような商品が今後注目される可能性は高い。

 

プラットフォーム・ワンのSSP「YIELD ONE®」、RTB取引平均単価が前年比37%向上

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の子会社であるプラットフォーム・ワンが提供するSupply Side Platform「YIELD ONE®」は、2013年9〜10月の2ヶ月間におけるRTB取引平均単価が、前年同月比で37%向上したと発表した。国内大手SSPのYIELD ONEは、プレミアム媒体が多く入ったSSPとして知られる。その取引単価の上昇は、RTBの中にもプレミアムな枠や、それに価値を見出す広告主が増えてきたとも考えられる。

 

ソネットのDSPLogicad」、管理画面をシンプル化する機能を提供開始

ソネット・メディア・ネットワークスは11月5日より、同社が提供するDSPLogicadにおいて「設定アドバイザー」機能の提供を開始した。Logicadから配信された広告の効果を、ひとつの画面から複数の指標で参照・分析することができ、その画面から配信設定に変更を加えることが可能な設定補助機能。キャンペーンや配信設定単位毎に、ドメイン、時間帯、表示位置などの項目別の詳細な配信実績を確認できる。レポートや設定項目が多岐にわたるDSPは、管理画面のシンプル化や導線の改善が求められる段階に入っている。そんな中、さまざま なレポート項目やトレンドを一覧できる本機能の利便性には期待がかかる。

 

イグニッションワンジャパン、AppNexusとのRTB接続を完了

イグニッションワンジャパンは、同社が提供するDSPにおいて日本国内でのAppNexusとのRTB接続を完了し、広告配信を開始した。AppNexusはマイクロソフトのテクノロジーパートナーであり、同社が提供するテクノロジープラットフォームとRTB連携することで、Microsoft Advertising Exchange(以下、「MAE」)での入札を行うことができる。MAEは、RTBシステムでオンラインのプレミアム広告を購入でき、MSN および Skypeやマイクロソフトのメディアパートナー在庫などの広告在庫を提供する。MAEでしか配信できないマイクロソフトが所有するプレミアムな在庫へのリーチは、DSPにとっても大きな強みになると考えられる。

 

AOLグループ、日本にてDSPサービスの提供を開始

AOLグループのアドバタイジングドットコム・ジャパンは、広告主や代理店がディスプレイ広告配信を管理・運用するプラットフォーム 「AdLearn Open Platform(以下、「AOP」)」のサービス提供を開始した。本サービスは、アドバタイジングドットコムが持つ広告配信最適化エンジン「AdLearn®」を使って、広告主や代理店の担当者が、同社が提供するプレミアムアドネットワークに対して、UI上から直接広告を出稿することが可能なDSP。世界的にも国内でも非常に大きなシェアを持つAdvertising.com Networkを運営する同社がいよいよDSPの運営も開始する。ネットワーク運営のノウハウやエンジンを活かせるため、後発であっても存在感は大きくなりそうだ。

(編集:三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。