×

NEWS:トリップアドバイザー、“実際の”表示に応じて料金が発生するオンライン広告表示「Delayed Ad Call」を導入

(ライター:岡 徳之

世界最大の旅行口コミサイト トリップアドバイザーは、オンライン表示広告「Delayed Ad Call(段階的アドコール)」を旅行広告業界で初めて導入した。

 

Delayed Ad Callは、ユーザーがトリップアドバイザーに掲載した広告が、実際にディスプレイ上に表示されたときにのみ広告料金が発生するというもの。多くのオンラインサイトの広告の位置はページによって異なっており、ページの下に表示されるレイアウトの場合、実際にはユーザーのディスプレイには表示されていないにもかかわらず、インプレッションが発生している。Delayed Ad Callは、実際にユーザーに見られた広告にのみ料金を払う仕組みで、広告主は広告価値をより正確に把握することが可能となる。

トリップアドバイザーのグローバル・ディスプレイ・セールス副社長であるマーティン・ヴァードンロー氏は、「私たちのクライアントはブランディングを求めているか、ROIを求めているかに関わらず、常に計測可能な結果と信頼をメディアに求めている。トリップアドバイザーのDelayed Ad Callで計測した広告データは、より正確で信頼できるものであり、投資に対する本当の効果を知ることが可能となる」と述べている。

 

AdSafe Mediaの調査によると、パブリッシャーサイトから直接買った広告の50%はユーザーの目に触れておらず、アドネットワークにある広告の60%はターゲットとされたユーザーの目に触れていないという。ComScoreも同様の調査を行い、12のプレミアムパブリッシャーでのそれぞれのフォーマットの広告のビューアビリティは66〜74%だった。さらにコムスコアは、“閲覧時間”と“実際に広告をクリックするかどうか”には相関関係があり、長く目に入る広告の方がより大きな効果があるとしている。

 

英国IABのスポークスパーソンは、「トリップアドバイザーが積極的に取り入れた、実際に広告が画面内に現れたときに広告を表示し、インプレッションをカウントするという仕組みは、英国のオンライン広告産業のコンセンサスを先取りする大胆なものです」と述べている。

 

■ 関連リンク

トリップアドバイザー

http://www.tripadvisor.jp/

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。