アドテクの新時代を切り拓く サイバーエージェントのZ世代リーダーたちの挑戦~若手社員たちが語る、成長と挑戦、そして未来へのビジョンとは~
2010年代から急成長を遂げた日本のアドテク市場。ベテランたちが豊富な経験と知識を武器とする中、新たな風を吹き込む若手社員の活躍が顕著な企業がある。 今回は、サイバーエージェントAI事業本部の「アドテクディビジョン」で活躍する若手責任者たちにインタビューを実施。彼らがなぜアドテク業界を選択し、どのようにして成果を上げているのか、そしてこの業界や自身の未来をどのように考えているかについて、熱い思いを伺った。 (Sponsored by CyberAgent) 東原佳子 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「Dynalyst」・「GAIN Ads」事業責任者 2022年新卒入社。1年目に新規ユーザー獲得向けDSP「GAIN Ads」の立ち上げプロジェクトに参画、3年目の夏からはスマートフォン向けパフォーマンス広告配信プラットフォーム「Dynalyst」と「GAIN Ads」それぞれの事業責任者として活躍中。 千手耀平 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「Dynalyst」「GAIN Ads」 開発責任者 2021年新卒入社。2年目にテックリードに就任し、「GAIN Ads」の立ち上げに従事。3年目から「Dynalyst」「GAIN Ads」開発責任者として組織を牽引。 青木みのり サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「AMoAd 」マネージャー 2023年4月新卒入社。国内最大規模のスマホアドネットワーク「AMoAd」にて大手広告主向けの運用を担当。2年目で全社表彰にてベストプレーヤー賞にノミネートされ、現在は「AMoAd」全体のマネジメントに従事。 中村正義 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「AMoAd」 開発責任者 2022年5月中途入社。サイバーエージェント主催のバックエンドエンジニア育成特別プログラム「Go Academy」への参加を経て、入社後から「AMoAd」にて広告配信サーバーやSDKの開発に携わり、2024年7月から開発責任者として組織を率いる。 —アドテク業界を志望した理由を教えてください。 東原氏:一番の理由は、多角的な視点で事業を見られ、一番成長できると感じたからです。アドテクはBtoBのサービスですが、広告を見るのはユーザーなので、顧客目線だけでなくユーザー視点も考える必要があります。また、ものづくりの観点でエンジニアと関わりながらシステムがどう作られているかを学べる点も魅力でした。 青木氏:私がアドテク業界を選んだ理由は3つあります。まず、市場変化が激しいので「変化対応力」が鍛えられること。次に、サイバーエージェントの中核事業である広告事業で先輩方から勝ち方を学べること。最後に、営業や開発など事業家としての経験を積めることで、ビジネスの世界で成長できると感じたからです。 千手氏:学生時代はマッチングアプリやECの開発など主にBtoCの事業に関わっていましたが、大企業でしか得られない開発経験を積みたいと思い、アドテクを志望しました。内定者バイトで高トラフィックの広告システムに触れ、1秒間に40万リクエストが来る世界に魅了されました。自分のした仕様の変更が大きな効率化につながるなど、直接ビジネスに影響する実感が得られるのも大きな魅力です。 中村氏:僕はサイバーエージェントが提供するバックエンドエンジニアを育成するための特別プログラムGo Academyへの参加がきっかけです。面談してくれたエンジニアの方々がそれぞれ事業に熱くコミットしている姿勢に感銘を受けました。そのなかでもアドテクを選んだのは、3rd Party Cookieの廃止やATT問題など、業界変化を乗り越えてきた強い組織で、自分も新しい引き出しを開けられると感じたためです。 ビジネス・エンジニアそれぞれの立場からみた、プロダクトづくりの魅力はなんですか? 青木氏:プロダクトづくりの一番の魅力は、自分たちの手で作り上げたものがビジネスに直接影響を与えるという点です。例えば、先ほど千手さんの話にもあったように、自身が関わった機能がリリースされることで売上が上がったり、クライアントの方からのフィードバックを反映して機能が改善されたりすることを実感できると、大きな達成感を感じます。大学時代のインターンシップでは、BtoCのプロジェクトに関わることが多かったのですが、アドテクのBtoBのプロダクトでは、ビジネスモデル全体を支える技術に携わることができるので、そこに大きなロマンを感じています。 中村氏:さまざまな専門性を持つメンバーとの協働にあります。エンジニア、データサイエンティスト、営業、クリエイターといったいろんな違った能力を持つ人々が集まって、共通のゴールに向かってプロダクトを作り上げていく過程は非常に面白いなと思っています。 アドテク業界ならではのやりがいや面白さを教えて下さい。 東原氏:アドテク=成熟期かというとそうではなくて、もっとダイナミックに変化していくべき市場なのではないかなと思います。その変革を担うというのは、まさに私たちの役目ではないかなと。 確かに経験や知識では先行する方々に及ばない部分もありますが、新しい視点や発想を持ち込めるのは私たちの強みです。また、この業界はしっかりと声を上げれば確実に変化を起こせる可能性があると捉えています。そういった次世代への変革というのをモチベーションにしていますね。 千手氏:アドテクの面白さは「未知」の領域に挑戦するところにあると思います。広告がどのようにユーザーに届き、どのような影響を与えるかは、常に変動する要素です。そのため、過去のデータやトレンドに基づいて仮説を立て、それを検証していくプロセスには、常に新しい発見があります。特に、仮説が当たって広告効果が劇的に向上したときの達成感は他に代えがたいですね。 —若手でも活躍するために、必要な資質は何だと考えていますか? 中村氏:若手としてのフレッシュな視点を持ち、人を巻き込む力が非常に重要だと考えています。特に、年次が上の方が多いアドテク業界では、新しい風を吹かせるための推進力が求められます。若手ならではのエネルギーと情熱を周囲に伝えて、チーム全体を巻き込むことができる力ってすごいいいですよね。青木さんをイメージしてしゃべっているんですけど(笑) 青木氏:ありがとうございます(笑)意識できていたかは分からないけど、振り返ってみると若手であることを活かして積極的に学びに行く姿勢は大事だったのかなと思います。アドテク業界は変化が激しいので、新しい知識をどんどん吸収していく必要があります。若手でいられる時間は有限なので、今自分が事業に対してのインパクトを出すために必要な時間だと思って、わからないことは素直に質問したり、力を貸してもらっていました。周囲の先輩がそれを受け止めてくれる器の広い方たちであったということもあって、全力で教えてもらっていましたね。 東原氏:スピード感を持って行動することが大事だと考えています。直接関係していないような物事でも、どこかのタイミングで繋がることがあると信じているタイプなので、自分から動くことで運も引き寄せられると思っています。そこは自分の中の軸としても意識はしていますね。 千手氏:周囲からの信頼を得ることが最優先だと感じます。特に若手のうちは、最初から知識や経験が豊富であることは少ないので、先輩に質問しながら関係性を築くことが重要かなと思いました。積極的なコミュニケーションを意識したことで信頼関係をしっかりと築くことができ、結果として大きなタスクも任されることにつながりました。 —成果を出すために普段から心がけていることはありますか? 中村氏:エンジニアの域を超えることですね。エンジニアだから、開発だけが仕事と決めつけないようにしたいと思っていて。 例えばビジネスメンバーがやるのが当たり前になってる業務とか、やろうとして諦めてしまったことに対して、技術的なアプローチでなにかできないのかな?っていうところは日頃考えています。開発者として、ただコードを書くことに捉われるのではなく、ビジネスの課題を技術で解決する視点を持つことで、価値ある成果を生み出せると思っています。 千手氏:事業的なインパクトもありつつ、技術的に面白いっていうタスクを、できるだけメンバーに渡したいなっていうふうに意識しています。開発責任者になってからは、メンバーの成果もメンバーにこう渡したタスクがうまくいったら、それも自分の成果の一部と捉えているので。メンバーの成果を最大化するかっていうところに一番気をつけている中で、メンバーの得意不得意だったり、事業インパクトの大きさをなんとなく数値化して考えるようにはしていますね。 青木氏:チーム全体がWin-Winになる関係を築くことを意識しています。個人の成果だけでなく、チーム全体が成功することを目指し、メンバーと協力し合うことが重要です。プロジェクトを進める上で、必ずやり遂げるという強い意志を持ち、プロジェクトの先を見据えて動くよう心がけています。次のステップを常に考え、計画的に進めることで、プロジェクトの成功率を高めることができます。 東原氏:常にポジティブでいること。悩んでいる時間はもったいないので、次にどうすべきかを前向きに考えるよう心がけています。また、事業責任者としてチーム全体が前を向いて進める環境を作ることも私の役目だと思っています。メンバーがネガティブな感情になっているときには、前を向けるようにサポートして、全員が同じ目標に向かって駆け抜けることができるような状態にしておきたい。 —組織を一緒に作っていく仲間として求める人物像を教えてください 東原氏:とにかく自分を成長させたい人。自分を変えたいとかでもいいし、そういう人と一緒に働きたいですね。まさに自分も同じ思いで、その欲求をまさに叶えられる組織だと思います。 青木氏:学生の方も中途採用の方も、アドテクは比較的なじみの薄い業界かと思います。BtoB事業という特性上、日常生活での実体験に基づく親近感は持ちにくいかもしれません。だからこそ自己成長や自己実現への強い意欲がある方に適した領域だと私は捉えています。 千手氏:アドテク業界については、入社時点でほとんどの方が詳しいわけではありません。ただ、業務上必要な知識量は決して少なくありません。専門用語も多く、広告の配信の仕組みやコスト構造など、理解すべき要素が多岐にわたります。正直技術力の高さ云々とかっていうよりは、自分の中で仮説を持って調べるとか、そういう調べるのが上手な人が来てくれると嬉しいです。まとめると自走力みたいな感じなのかな。 中村氏:僕もそうだと思います。あえて違う言い方をするなら、自分の成果物に対して強いこだわりを持てる方かな。単に指示された通りに作業をこなすのではなく、明確な目的意識と根拠を持って取り組める方、つまり「自走できる人」なんですけど、そういうところにこだわってプロダクトを作りたい人に来て頂きたいなと思います。 —最後に、今後のキャリアビジョンを教えてください 東原氏:事業を作る人材になりたいという思いでサイバーエージェントに入社し、アドテクを選びました。まずはアドテクで事業を作れる人材になり、その後も新しい事業を生み出していきたいです。どんな業界であっても、ものづくりをし続けるキャリアを歩みたいと思っています。 青木氏:東原さんとほぼ同じなのですが、補足するとすれば競争力の高い事業を作りたいです。商品そのものの価値がビジネスの核だと思うので、商品力の高いものを提供することが目標です。また、人の気持ちを考えたりとかすることも好きで興味があるので、人材育成のようなことにもすごくやりがいを感じると思いますね。事業を作ることと人材育成でそれぞれの軸で何かできたらいいかなと思っています。 千手氏:技術的な面では、アドテクのように一般的かつ抽象的な課題に対してアプローチできるきっかけがあったのは非常に良い経験だったかなとは思っています。 もしアドテクを離れるという選択肢を取る場合、多様な経験を積むという観点で、全く別の技術を必要とするサービスに携わりたいと考えています。 アドテクでこのままキャリアを築いていくとなったら、きちんと市場にプロダクトの名を残すぐらいのものを作らなきゃいけないなっていう感覚はあります。 ビジネス職の2人と同じですが、ものづくりを続けていきたいです。 中村氏:ビジネスサイドと共に大きな戦略を考えられるマネージャーになりたいです。組織作りにもチャレンジし、事業にも貢献できるような存在を目指しています。 サイバーエージェントAI事業本部の「アドテクディビジョン」では、若手社員が存分に力を発揮し挑戦できる環境を整えています。また、最近では広告主様やメディアパートナー様からの直接的なご要望を通じて、国内事業者ならではの柔軟なサービス展開も積極的に進めています。ご興味ある企業様とともに、アドテクの未来を一緒に切り拓いていく仲間をお待ちしています。 <関連リンク> ▼AI事業本部紹介 https://cyberagent.ai/careers/ ▼全社新卒採用(ビジネス職) https://www.cyberagent.co.jp/careers/students/biz/ ▼全社新卒採用(エンジニア職) https://www.cyberagent.co.jp/careers/students/tech/ ▼中途採用 https://hrmos.co/pages/cyberagent-group/jobs?category=1789123080632266752 ▼オウンドメディア記事 ハイブリッドクラウドを駆使したコスト最適化:SREと連携したDynalystの移設
ExchangeWire ATS Tokyo 2025、11/21(金)開催が正式決定[ニュース]
ExchangeWireが、欧州やアジア地域を中心に開催する大型イベントとなるAd Trading Summit(ATS)が、昨年に引き続き、東京で開催することが正式に決定しました。 今年は2025年11月21日(金)に東京ドームホテルにて開催します。 ATSは、広告主、広告代理店、パブリッシャー、テクノロジー企業やデータ企業などに所属するオンライン広告関係者の方々が、一つの空間に集まり、プレゼンテーションやパネルディスカッションを通じて集中的に議論を行う形式が特徴的なイベントです。 またロンドンに本社を構えるExchangeWire社の知見やネットワークを最大限に駆使してスピーカーやコンテンツを用意しているので、グローバル動向の最前線に触れることができる機会としても評価されています。 昨年は延べ421名にご来場にいただき、多くの方々には終日にわたりご参加いただきました。 ATS Tokyoは、2014年に開催されて以降、今回で7回目を数えます。 11月21日に東京ドームホテルで皆様にお会いできることを、ExchangeWireそしてExchangeWire JAPANのメンバー一同楽しみにしております。 今後、イベントのプログラム、チケットの先行販売、スピーカー情報などを随時更新してまいりますので、ご期待ください。 【開催概要(予定)】 ■日時:2025年11月21日(金)終日 ■場所:東京ドームホテル ■定員:400名 ■お問い合わせ イベントに関するご質問・お問い合わせは、以下までお問い合わせください。 Mail: info@digitalinfact.com
ZEALSが「接客AIエージェント最前線 世界の潮流と日本の成功事例」セミナーを3/25に開催
接客AIエージェントを提供するZEALSは3月25日、「接客AIエージェント最前線 世界の潮流と日本の成功事例」と題したオンラインセミナーを開催する。 昨年末から急速に注目を集めつつある「AIエージェント」。この新しいAI技術はいまや世界中でデジタル接客の新時代を切り拓きつつあるが、ZEALSは接客・マーケティング領域専用のAIエージェント「ZEALS AI Agent」を開発・提供している。 本ウェビナーでは、世界におけるAIエージェント活用の最新動向や日本企業での成功事例を解説し、自律型AIエージェントの技術と、それによって実現する高度な自然対話がもたらす顧客体験の革新について紹介する。 生成AIやAIエージェント活用に新たな顧客接点の可能性を感じている、マーケターやDX担当者にとっては必見の内容となる。 開催概要 ■日時 3月25日(火)18:30~19:30ごろ ■申込期限 3月24日(月)午前12:00まで ■参加費用 無料 ■開催方法 オンライン(ZOOM) ■参加対象 企業のマーケティング、IT、事業部の担当者、責任者、経営者 ■主催 株式会社ZEALS ■登壇者 株式会社ZEALS 執行役員 渡邊 大介氏 オンラインイベントのお申込みはこちら ※主催者が、登壇企業と競合性が高いとみなした法人・個人の方からのお申し込みにつきましては、お断りすることがございます。恐れ入りますが、予めご了承ください。
AIで変わるファッション広告の未来-ザ・ゴール×GumGum対談 [インタビュー]
独自で一貫性のある世界観の構築を目指すファッションブランドにとって、標準化と自動最適化が推し進められたデジタル広告は諸刃の剣となり得る。この課題にいかに取り組むべきかについて、ファッション業界のオンライン広告に関して共通した課題意識を持つ2社の対談をお届けする。 (Sponsored by GumGum Japan) ファッション広告特有の課題とは ―自己紹介をお願いします。 髙島氏 :国内電通グループ(dentsu Japan)に属する日本最大規模のファッション・ラグジュアリー・ライフスタイル専門広告会社である株式会社ザ・ゴールの髙島翔平と申します。デジタルソリューション部のマネージャーとして、主に外資系のファッション、コスメ、ジュエリー業界に属する顧客様に対し、広告の戦略立案から実行まで幅広く対応しています。 鈴木瑞季氏 :同じくザ・ゴールにてデジタルソリューション部のシニアリーダーを務める鈴木瑞季です。 鈴木陽葉氏 :同じくザ・ゴールにてデジタルソリューション部のリーダーを務める鈴木陽葉と申します。 菅原氏 :GumGum Japan株式会社のシニアセールスマネージャーを務める菅原忍です。当社は米カリフォルニアに本社を置くコンテキスト解析を強みとするアドテク企業です。直近ではアドネットワークに加え、アテンションタイム計測サービスやMindset Graphというコンテクスチュアルデータを内包するプラットフォームを提供しています。 Yewon氏 :同じくGumGum Japanにてアカウントマネージャーを務めるチャン・イェウォンと申します。私の役割は、広告主の課題を理解し、コンテクスチュアルデータを分析・活用することで、広告主の事業成長に貢献します。現在は、主に多数のファッションブランドや外資系企業のクライアントを担当しています。 ―ファッションブランドのデジタル広告運用についてどのような課題を感じていますか。 髙島氏:一般的に、デジタル広告では多様な広告プラットフォームそれぞれに適した戦略の立案と実行が求められます。一方で、ファッションブランドの多くがその世界観を統一したいという思いを持っています。つまり「個別最適化」と「世界観の統一」という相矛盾した観点を両立させながら、ブランド価値の向上を実現しなければなりません。 鈴木陽葉氏:加えて、近年ではユーザーの広告視聴時間が短くなっていることを踏まえて、ブランドの価値観やストーリーをただ一方的に押し付けるのではなく、ユーザーに寄り添うような広告が求められるようになりました。またプライバシー意識の高まりを受けて、データの透明性を確保しつつ、パーソナライズされた体験を提供するという課題も顕在化しています。 菅原氏:デジタル広告を通じてブランドの世界観を統一するためには、その世界観に相応しいコンテキストを選別しなくてはなりません。GumGumの強みであるコンテキスト解析は、独自のコンテキスト解析AIが一つひとつのウェブページを読み込むので、ブランドの世界観とそぐわないコンテキストを適切に排除することができます。 また、ユーザーに広告忌避感を与えてしまう一例が、過去の行動履歴を参照したがゆえに現在の状況とは脈絡のない広告を表示してしまうオーディエンス / ビヘイビアベースのターゲティングです。ユーザーを追いかけまわすような手法もあり、プライバシー侵害と感じられてしまう場合もあるでしょう。 一方のコンテキスト広告は、ユーザーが今まさに閲覧しているコンテンツと関連性のある広告が掲載されるため、コンテンツに注いでいる関心を持続したまま自然な広告体験へと誘引できます。ユーザーの感情に寄り添うことができる広告であると言えるでしょう。 Yewon氏:一例を挙げると、コンテキスト広告は「新生活のギフトで何か特別なものを買いたい」と思いながら、オンラインコンテンツを読んでいるユーザーを正確に捉えることができます。このモーメントを従来のCookieベースのターゲティングでは捉えることができません。 鈴木瑞季氏:コンテキスト広告は、ブランドの世界観と消費者の興味関心が自然に交差する場面で効果を発揮すると考えています。消費者の関心に応じてブランドと接点を持たせることができるため、広告が最も響く瞬間を見極めることができます。特にファッション業界はターゲットが明確なので、そうした狙うべき層に確実に訴求できる点が魅力です。また、関心の薄いユーザーへの過剰な広告配信を避けることで、ブランド毀損や広告に対する嫌悪感を抑制できる点も評価しています。 髙島氏:ファッション業界ではSNS広告の需要が多いです。もちろんSNS広告ならではの利点はたくさんあるのですが、ファッション高感度層にピンポイントでアプローチするという点においては、少なからず取りこぼしが発生している可能性はあるのではないかと考えます。対照的に、コンテキスト広告は普段からファッションに関心を持つ人だけでなく、「新生活のギフト」といった季節的な要因で一時的に関心が高まった人に接触する手段としても有効です。 AIとデータが切り拓く未来像 ―AI技術が進展すれば、ファッションブランドのデジタル広告運用に関する課題は解決し得ると思いますか。 鈴木陽葉氏:これまで外資系ファッションブランドにおいては、海外本社が制作した広告クリエイティブを日本市場でも展開することでブランドの世界観の統一を図るということが行われてきました。しかしながら、消費者の広告離れに対する反省から、クリエイティブ制作作業をローカライズすることで消費者のアテンションを獲得する動きが活発になってきています。 こうしたローカライズ作業にAIを有効活用できるはずです。我々のような専門事業者が持つ知見に加えて、人間がどれだけ努力しても理解できないような潜在的な顧客心理の分析にAIが貢献できると思います。AI活用によって実現した新たな広告クリエイティブの創出によって、広告パフォーマンスの改善はもちろんのこと、ブランド全体にとっての発見や学びを得られるようになると期待しています。 鈴木瑞季氏:AIに任せきりというのは難しいかもしれませんが、ブランドが発信したい世界観にAIが融合する「パーソナライズド・ストーリーテリング」は実現できるかもしれません。ユーザーの興味・嗜好に応じたストーリーをリアルタイムで生成して配信していくという形態が考えられます。 ―より効果的なオンライン広告を配信するためにはどのようなデータが求められているのでしょうか。 菅原氏:従来の広告プラットフォームでは、ユーザーに何らかの識別子を付与してターゲティングすることが主流であったと思いますが、当社は創業当初からCookieを含めたパーソナルデータを一切保有しないというポリシーがあります。代わって当社が蓄積しているのが、インターネット上のコンテンツを、当社AIが隈なく渉猟して取得したコンテキストベースのデータです。 当社では、このコンテキストデータを集積したデータプラットフォームであるMindset Graphを有しています。生活者が、特定のブランド名やそのブランドの世界観または関連する概念といったものを、どういった文脈や状況で想起するのか、あるいは反対に、どういった文脈や状況において特定のブランド名や商品を生活者に想起させたいのか。ブランドマネージャーの方々はこういった類のことを考え続けていると思います。Mindset Graphは、こうした疑問に応えるためのデータプラットフォームです。 Yewon氏:Mindset Graphでは、オープンウェブ上で特定のブランド名が言及されやすい文脈を順位ごとにグラフ表示できるツールです。例えば、ある高級シャンパンブランドは「1位:公園」「2位:セーリング」といった結果が出てきます。このブランドが、公園でのピクニックや船上パーティーなどで提供される飲み物として、世の中の生活者に認知されていることがコンテクスチュアルビッグデータより一瞬で把握することができます。 現在は、プランニング時のゼロ次分析的な用途で活用されることが多いですが、規定のキーワードとMindset Graphが示したキーワードを並べてA/Bテストを行うことも可能です。 このツールを活用すれば、オープンウェブ上にある膨大な記事を分析することができ、「ブランドの現在地」を正確に把握できます。「コンテクスチュアルデータドリブンマーケティング」を推進していくことで、「理想のブランド」へ近づく後押しを実現します。 髙島氏:このようなデータプラットフォームやテクノロジーを活用することでこれまで感性を大切にしていたファッション業界の広告コミュニケーションは更に精密に研ぎ澄まされたメッセージへと昇華していくのではないでしょうか。 菅原氏:感性と理性は対立軸とされやすいですが、決して矛盾しないと思います。自由に表現するためにも、立脚すべきエビデンスは必要です。 なお、当社は広告プラットフォームとしては珍しく、アテンションタイムを計測することができますが、このアテンション計測の技術を応用した「クリエイティブ・アテンション・トラッカー」という機能を全キャンペーンにおいて開放しております。 これは何かというと、ユーザーにインプレッションされたクリエイティブの中で、どの部分・要素がアテンションを集めているか可視化することができます。つまり、「どこが注目されているのか」「どの要素が効果的なのか」が明確になり、そこから得られる示唆をクリエイティブの改善に活かすことができます。ストーリーテリングの設計やPDCAの精度向上にも貢献する機能です。 これら一連の仕組みを活用すれば、ブランドの世界観やその広告がデジタル上でどのように受容されているかを可視化できるようになり、ブランドと消費者とのより良い関係が構築できます。 鈴木陽葉氏:広告が最も響く瞬間を捉えることに加えて、その瞬間にアプローチする広告表現も重要です。ブランド主体のメッセージがユーザーに響きにくくなってきました。ユーザー視点に立ち、インタラクティブな広告体験を付加価値として提供することで、ブランド好意度を高めてユーザーをナーチャリングしていきたいです。 Yewon氏:当社には4つの強みがあります。①世界最先端のコンテキスト技術、②ブランドの世界感を表現できるリッチクリエイティブ、③クリエイティブの注目時間を計測できるアテンション技術、④カテゴリごとのデータ分析を可能にするMindset Graphが揃っています。データとテクノロジーの両面からファッションブランドを支援していきます。 人間とAIによる共創へ ―ファッションブランドのデジタル広告は今後どのように進化していくと思いますか。 鈴木瑞季氏:よりパーソナライズされたコンテンツや体験を提供することで、ユーザーとの関係を深める試みが重視されていくと考えています。また持続可能性やエシカルな製品に対する消費者の関心が高まっていることから、関連するブランドの取り組みを積極的に伝えようとする動きも出始めています。こうした新たな訴求にも対応しつつ、ユーザーにとってより魅力的なデジタル広告が展開されることを期待しています。 Yewon氏:GumGumは、ファッションやラグジュアリー商品の世界観を表現できるインタラクティブな広告フォーマットの新規開発にも取り組んでいく予定です。将来的にはAR体験なども視野に入れたいです。 髙島氏:インタラクティブな要素を取り入れることで、消費者とブランドがつながる機会を創出していく必要があります。VRやARなどの技術を活用し、広告に体験価値を取り入れ、ユーザーが能動的にブランドに関与できる広告へと進化させる仕組みには興味を持っています。 いずれにせよ、ブランドの世界観を崩さないユーザーファーストなコミュニケーション形成と最先端のソリューションは常に掛け合わせて考えていくことが重要です。 菅原氏:デジタル広告の世界では、広告プラットフォームの管理画面上で手軽にユーザーをセグメントできるため、それによってブランドのメッセージが正しく届けられているという考えが根付いているように感じます。 しかし、いつの間にか私たちは、リアルな消費者をオンライン上の"ユーザー"として捉え、特定の属性を持つグループとしてターゲティングすることに慣れすぎてしまったのかもしれません。 本来であれば、それだけでなく、メッセージを受け取る消費者の感情や多面的な側面にまで想像をめぐらせることが、より良いブランド体験の実現には欠かせません。 とりわけザ・ゴール様が取引されているのは、至高の購買体験を実現するために、銀座や表参道といった一等地に出店する一流ファッションブランドばかりです。オンライン上でも至高の広告体験を提供しなければなりません。当社であれば、そのお手伝いができると信じています。 鈴木瑞季氏:消費者の共感を得ることが何よりも重要です。現在、ファッションブランドのブランディングでは、顧客やクリエイターといった第三者と共に作り上げる共創的なアプローチが重視されています。AIも言わば第三者です。人的資源かテクノロジーであるかを問わず、様々な情報やデータを駆使して共創的なアプローチをとると同時に、その効果をアテンション指標などを通じて精査していくことで、ファッションブランドと消費者をつなぐデジタル広告を実現できるのではないかと思います。 鈴木陽葉氏:どのユーザーに何を届けるのかを明確にし、リッチな広告と透明性を確保したデータを掛け合わせることで、セキュアな環境でユーザーをナーチャリングする仕組みを構築できれば、デジタル広告においても、消費者の信頼を損なうことなく、最適なタイミングでプロモーション展開ができるはずです。 <本件に関するお問い合わせ先> GumGum Japan株式会社 (https://ja.gumgum.com) マーケティング部 E-mail: japan-marketing@gumgum.com 株式会社ザ・ゴール(https://thegoalinc.co.jp/) デジタルソリューション部 E-mail: info@goal.dentsu.co.jp
サイバーエージェントが向かう、2025年の動画広告市場における注力領域[インタビュー]
サイバーエージェントは、今回で11回目となる2024年国内動画広告の市場調査を公表した。 動画広告市場のトップを走り続ける同社がみる動画広告市場のトレンドおよび、同社の動画広告ビジネスにおける注力ポイントについて、前年に続き、同社執行役員 インターネット広告事業本部 統括 中田 大樹氏に、お話を伺った。 (聞き手:ExchangeWire JAPAN 野下 智之) CTVと縦型動画が成長の原動 ―動画広告市場にとって2024年はどのような年でしたか? 広告主のデジタルシフトが総じて順調に進み、動画広告への投資は引き続き高い水準で増加しました。そして2024年はCTV領域の伸びが市場全体に大きなインパクトを与えた1年でした。これは動画コンテンツのCTVにおける視聴割合が増えていることが、前提としてあります。それに伴い、広告主のCTVへの投資に対する関心が大きく高まりました。 また、配信面については、YouTubeショートなどの、ショート動画メディアが大きく増加しました。その他にも、BUMP、UniReelなどのショートドラマプラットフォームも現れており、今後の動向が期待されます。同様のサービスが、米国や中国において大きく伸びています。 -近年の動画広告市場で成長領域とされる縦型動画、コネクテッドテレビ(CTV)に対する広告主の関心の変化について、お聞かせください。また、それに対する貴社の取り組みをお聞かせください。 CTVについては、広告在庫が増えていることと、広告枠としての視認性の高さもあり、広告主の関心も高まっており、リーチ単価が高いものの、最終的には効果に結びついている、という事例も出てきています。このあたりにおいては、スマホ面も含めてデバイスごとに効果や手段が異なる、という前提で、プロモーション設計と評価をするということが重要だと考えています。 同時に、テレビというデバイスに配信される広告が、運用型になり始めています。テレビCMとABEMAやTVerなどのOTT広告におけるコンバージョンを、横断して可視化することが出来るようになりつつあり、この領域への注目が集まっております。 縦型動画広告については、TikTokへの関心が急速に高まっており、当社における取り扱いも増えています。プロダクトとして出来ることも広がっています。2023年にTikTok Liteが日本市場向けのみにリリースされましたが、日本のユーザーにとてもフィットしています。日本にいる一定のポイ活層をターゲットにしていますが、ユーザー数と広告在庫が伸びています。縦型動画メディア向けには、今後最適化されたクリエイティブを次々と作って供給をしていくことが求められています。 サイバーエージェントグループとしては、縦型動画に特化した専門子会社、株式会社サイバーティカルを設立するなど、企画、制作、販売体制を強化しています。 -直近で特に注目されている媒体についてお聞かせください。 注目している媒体の一つは、BeRealです。現在若年層を着実に取り込んでユーザー数が増えており、広告商品の販売も始まっております。今後の広告媒体としての成長に期待しています。 2025年の注力領域は、テレビ向け広告の再定義?! -2025年の動画広告市場の見通しについてお聞かせください AmazonPrimeVideoやNetflixなどの参入により、OTT面、あるいはCTV面の広告在庫が相当増えてきています。2025年はこの領域をハックする動きが、さらに進むのではないでしょうか。 また、2025年は広告の買い手側のメディアプランニングにおけるデジタルシフトは一気に進むとなると予想していますが、その行き先がCTVになるのではないかと見ております。 -サイバーエージェントの動画広告領域における、直近の注力ポイントをお聞かせください。 私たちインターネット広告事業では、広告効果の最大化をテーマに経営をしていますが、テレビCMとインターネット広告、それぞれの効果を横並びで可視化することが出来、かつ最適化運用をすることが出来るようにするための動きを現在取り進めています。 2025年は、CTVと地上波CM、またスマホ面も含めた横断での広告効果の可視化や運用における効果の最大化に注力してまいります。
アドテクの新時代を切り拓く サイバーエージェントのZ世代リーダーたちの挑戦~若手社員たちが語る、成長と挑戦、そして未来へのビジョンとは~
2010年代から急成長を遂げた日本のアドテク市場。ベテランたちが豊富な経験と知識を武器とする中、新たな風を吹き込む若手社員の活躍が顕著な企業がある。 今回は、サイバーエージェントAI事業本部の「アドテクディビジョン」で活躍する若手責任者たちにインタビューを実施。彼らがなぜアドテク業界を選択し、どのようにして成果を上げているのか、そしてこの業界や自身の未来をどのように考えているかについて、熱い思いを伺った。 (Sponsored by CyberAgent) 東原佳子 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「Dynalyst」・「GAIN Ads」事業責任者 2022年新卒入社。1年目に新規ユーザー獲得向けDSP「GAIN Ads」の立ち上げプロジェクトに参画、3年目の夏からはスマートフォン向けパフォーマンス広告配信プラットフォーム「Dynalyst」と「GAIN Ads」それぞれの事業責任者として活躍中。 千手耀平 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「Dynalyst」「GAIN Ads」 開発責任者 2021年新卒入社。2年目にテックリードに就任し、「GAIN Ads」の立ち上げに従事。3年目から「Dynalyst」「GAIN Ads」開発責任者として組織を牽引。 青木みのり サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「AMoAd 」マネージャー 2023年4月新卒入社。国内最大規模のスマホアドネットワーク「AMoAd」にて大手広告主向けの運用を担当。2年目で全社表彰にてベストプレーヤー賞にノミネートされ、現在は「AMoAd」全体のマネジメントに従事。 中村正義 サイバーエージェント AI事業本部 アドテクディビジョン 「AMoAd」 開発責任者 2022年5月中途入社。サイバーエージェント主催のバックエンドエンジニア育成特別プログラム「Go Academy」への参加を経て、入社後から「AMoAd」にて広告配信サーバーやSDKの開発に携わり、2024年7月から開発責任者として組織を率いる。 —アドテク業界を志望した理由を教えてください。 東原氏:一番の理由は、多角的な視点で事業を見られ、一番成長できると感じたからです。アドテクはBtoBのサービスですが、広告を見るのはユーザーなので、顧客目線だけでなくユーザー視点も考える必要があります。また、ものづくりの観点でエンジニアと関わりながらシステムがどう作られているかを学べる点も魅力でした。 青木氏:私がアドテク業界を選んだ理由は3つあります。まず、市場変化が激しいので「変化対応力」が鍛えられること。次に、サイバーエージェントの中核事業である広告事業で先輩方から勝ち方を学べること。最後に、営業や開発など事業家としての経験を積めることで、ビジネスの世界で成長できると感じたからです。 千手氏:学生時代はマッチングアプリやECの開発など主にBtoCの事業に関わっていましたが、大企業でしか得られない開発経験を積みたいと思い、アドテクを志望しました。内定者バイトで高トラフィックの広告システムに触れ、1秒間に40万リクエストが来る世界に魅了されました。自分のした仕様の変更が大きな効率化につながるなど、直接ビジネスに影響する実感が得られるのも大きな魅力です。 中村氏:僕はサイバーエージェントが提供するバックエンドエンジニアを育成するための特別プログラムGo Academyへの参加がきっかけです。面談してくれたエンジニアの方々がそれぞれ事業に熱くコミットしている姿勢に感銘を受けました。そのなかでもアドテクを選んだのは、3rd Party Cookieの廃止やATT問題など、業界変化を乗り越えてきた強い組織で、自分も新しい引き出しを開けられると感じたためです。 ビジネス・エンジニアそれぞれの立場からみた、プロダクトづくりの魅力はなんですか? 青木氏:プロダクトづくりの一番の魅力は、自分たちの手で作り上げたものがビジネスに直接影響を与えるという点です。例えば、先ほど千手さんの話にもあったように、自身が関わった機能がリリースされることで売上が上がったり、クライアントの方からのフィードバックを反映して機能が改善されたりすることを実感できると、大きな達成感を感じます。大学時代のインターンシップでは、BtoCのプロジェクトに関わることが多かったのですが、アドテクのBtoBのプロダクトでは、ビジネスモデル全体を支える技術に携わることができるので、そこに大きなロマンを感じています。 中村氏:さまざまな専門性を持つメンバーとの協働にあります。エンジニア、データサイエンティスト、営業、クリエイターといったいろんな違った能力を持つ人々が集まって、共通のゴールに向かってプロダクトを作り上げていく過程は非常に面白いなと思っています。 アドテク業界ならではのやりがいや面白さを教えて下さい。 東原氏:アドテク=成熟期かというとそうではなくて、もっとダイナミックに変化していくべき市場なのではないかなと思います。その変革を担うというのは、まさに私たちの役目ではないかなと。 確かに経験や知識では先行する方々に及ばない部分もありますが、新しい視点や発想を持ち込めるのは私たちの強みです。また、この業界はしっかりと声を上げれば確実に変化を起こせる可能性があると捉えています。そういった次世代への変革というのをモチベーションにしていますね。 千手氏:アドテクの面白さは「未知」の領域に挑戦するところにあると思います。広告がどのようにユーザーに届き、どのような影響を与えるかは、常に変動する要素です。そのため、過去のデータやトレンドに基づいて仮説を立て、それを検証していくプロセスには、常に新しい発見があります。特に、仮説が当たって広告効果が劇的に向上したときの達成感は他に代えがたいですね。 —若手でも活躍するために、必要な資質は何だと考えていますか? 中村氏:若手としてのフレッシュな視点を持ち、人を巻き込む力が非常に重要だと考えています。特に、年次が上の方が多いアドテク業界では、新しい風を吹かせるための推進力が求められます。若手ならではのエネルギーと情熱を周囲に伝えて、チーム全体を巻き込むことができる力ってすごいいいですよね。青木さんをイメージしてしゃべっているんですけど(笑) 青木氏:ありがとうございます(笑)意識できていたかは分からないけど、振り返ってみると若手であることを活かして積極的に学びに行く姿勢は大事だったのかなと思います。アドテク業界は変化が激しいので、新しい知識をどんどん吸収していく必要があります。若手でいられる時間は有限なので、今自分が事業に対してのインパクトを出すために必要な時間だと思って、わからないことは素直に質問したり、力を貸してもらっていました。周囲の先輩がそれを受け止めてくれる器の広い方たちであったということもあって、全力で教えてもらっていましたね。 東原氏:スピード感を持って行動することが大事だと考えています。直接関係していないような物事でも、どこかのタイミングで繋がることがあると信じているタイプなので、自分から動くことで運も引き寄せられると思っています。そこは自分の中の軸としても意識はしていますね。 千手氏:周囲からの信頼を得ることが最優先だと感じます。特に若手のうちは、最初から知識や経験が豊富であることは少ないので、先輩に質問しながら関係性を築くことが重要かなと思いました。積極的なコミュニケーションを意識したことで信頼関係をしっかりと築くことができ、結果として大きなタスクも任されることにつながりました。 —成果を出すために普段から心がけていることはありますか? 中村氏:エンジニアの域を超えることですね。エンジニアだから、開発だけが仕事と決めつけないようにしたいと思っていて。 例えばビジネスメンバーがやるのが当たり前になってる業務とか、やろうとして諦めてしまったことに対して、技術的なアプローチでなにかできないのかな?っていうところは日頃考えています。開発者として、ただコードを書くことに捉われるのではなく、ビジネスの課題を技術で解決する視点を持つことで、価値ある成果を生み出せると思っています。 千手氏:事業的なインパクトもありつつ、技術的に面白いっていうタスクを、できるだけメンバーに渡したいなっていうふうに意識しています。開発責任者になってからは、メンバーの成果もメンバーにこう渡したタスクがうまくいったら、それも自分の成果の一部と捉えているので。メンバーの成果を最大化するかっていうところに一番気をつけている中で、メンバーの得意不得意だったり、事業インパクトの大きさをなんとなく数値化して考えるようにはしていますね。 青木氏:チーム全体がWin-Winになる関係を築くことを意識しています。個人の成果だけでなく、チーム全体が成功することを目指し、メンバーと協力し合うことが重要です。プロジェクトを進める上で、必ずやり遂げるという強い意志を持ち、プロジェクトの先を見据えて動くよう心がけています。次のステップを常に考え、計画的に進めることで、プロジェクトの成功率を高めることができます。 東原氏:常にポジティブでいること。悩んでいる時間はもったいないので、次にどうすべきかを前向きに考えるよう心がけています。また、事業責任者としてチーム全体が前を向いて進める環境を作ることも私の役目だと思っています。メンバーがネガティブな感情になっているときには、前を向けるようにサポートして、全員が同じ目標に向かって駆け抜けることができるような状態にしておきたい。 —組織を一緒に作っていく仲間として求める人物像を教えてください 東原氏:とにかく自分を成長させたい人。自分を変えたいとかでもいいし、そういう人と一緒に働きたいですね。まさに自分も同じ思いで、その欲求をまさに叶えられる組織だと思います。 青木氏:学生の方も中途採用の方も、アドテクは比較的なじみの薄い業界かと思います。BtoB事業という特性上、日常生活での実体験に基づく親近感は持ちにくいかもしれません。だからこそ自己成長や自己実現への強い意欲がある方に適した領域だと私は捉えています。 千手氏:アドテク業界については、入社時点でほとんどの方が詳しいわけではありません。ただ、業務上必要な知識量は決して少なくありません。専門用語も多く、広告の配信の仕組みやコスト構造など、理解すべき要素が多岐にわたります。正直技術力の高さ云々とかっていうよりは、自分の中で仮説を持って調べるとか、そういう調べるのが上手な人が来てくれると嬉しいです。まとめると自走力みたいな感じなのかな。 中村氏:僕もそうだと思います。あえて違う言い方をするなら、自分の成果物に対して強いこだわりを持てる方かな。単に指示された通りに作業をこなすのではなく、明確な目的意識と根拠を持って取り組める方、つまり「自走できる人」なんですけど、そういうところにこだわってプロダクトを作りたい人に来て頂きたいなと思います。 —最後に、今後のキャリアビジョンを教えてください 東原氏:事業を作る人材になりたいという思いでサイバーエージェントに入社し、アドテクを選びました。まずはアドテクで事業を作れる人材になり、その後も新しい事業を生み出していきたいです。どんな業界であっても、ものづくりをし続けるキャリアを歩みたいと思っています。 青木氏:東原さんとほぼ同じなのですが、補足するとすれば競争力の高い事業を作りたいです。商品そのものの価値がビジネスの核だと思うので、商品力の高いものを提供することが目標です。また、人の気持ちを考えたりとかすることも好きで興味があるので、人材育成のようなことにもすごくやりがいを感じると思いますね。事業を作ることと人材育成でそれぞれの軸で何かできたらいいかなと思っています。 千手氏:技術的な面では、アドテクのように一般的かつ抽象的な課題に対してアプローチできるきっかけがあったのは非常に良い経験だったかなとは思っています。 もしアドテクを離れるという選択肢を取る場合、多様な経験を積むという観点で、全く別の技術を必要とするサービスに携わりたいと考えています。 アドテクでこのままキャリアを築いていくとなったら、きちんと市場にプロダクトの名を残すぐらいのものを作らなきゃいけないなっていう感覚はあります。 ビジネス職の2人と同じですが、ものづくりを続けていきたいです。 中村氏:ビジネスサイドと共に大きな戦略を考えられるマネージャーになりたいです。組織作りにもチャレンジし、事業にも貢献できるような存在を目指しています。 サイバーエージェントAI事業本部の「アドテクディビジョン」では、若手社員が存分に力を発揮し挑戦できる環境を整えています。また、最近では広告主様やメディアパートナー様からの直接的なご要望を通じて、国内事業者ならではの柔軟なサービス展開も積極的に進めています。ご興味ある企業様とともに、アドテクの未来を一緒に切り拓いていく仲間をお待ちしています。 <関連リンク> ▼AI事業本部紹介 https://cyberagent.ai/careers/ ▼全社新卒採用(ビジネス職) https://www.cyberagent.co.jp/careers/students/biz/ ▼全社新卒採用(エンジニア職) https://www.cyberagent.co.jp/careers/students/tech/ ▼中途採用 https://hrmos.co/pages/cyberagent-group/jobs?category=1789123080632266752 ▼オウンドメディア記事 ハイブリッドクラウドを駆使したコスト最適化:SREと連携したDynalystの移設
ExchangeWire ATS Tokyo 2025、11/21(金)開催が正式決定[ニュース]
ExchangeWireが、欧州やアジア地域を中心に開催する大型イベントとなるAd Trading Summit(ATS)が、昨年に引き続き、東京で開催することが正式に決定しました。 今年は2025年11月21日(金)に東京ドームホテルにて開催します。 ATSは、広告主、広告代理店、パブリッシャー、テクノロジー企業やデータ企業などに所属するオンライン広告関係者の方々が、一つの空間に集まり、プレゼンテーションやパネルディスカッションを通じて集中的に議論を行う形式が特徴的なイベントです。 またロンドンに本社を構えるExchangeWire社の知見やネットワークを最大限に駆使してスピーカーやコンテンツを用意しているので、グローバル動向の最前線に触れることができる機会としても評価されています。 昨年は延べ421名にご来場にいただき、多くの方々には終日にわたりご参加いただきました。 ATS Tokyoは、2014年に開催されて以降、今回で7回目を数えます。 11月21日に東京ドームホテルで皆様にお会いできることを、ExchangeWireそしてExchangeWire JAPANのメンバー一同楽しみにしております。 今後、イベントのプログラム、チケットの先行販売、スピーカー情報などを随時更新してまいりますので、ご期待ください。 【開催概要(予定)】 ■日時:2025年11月21日(金)終日 ■場所:東京ドームホテル ■定員:400名 ■お問い合わせ イベントに関するご質問・お問い合わせは、以下までお問い合わせください。 Mail: info@digitalinfact.com
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