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電通デジタル、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」を大型アップデート

株式会社電通デジタルは、3月24日都内にて、AIを活用したマーケティングソリューションブランド「∞AI」に関する新発表についてメディア向け発表会を行った。株式会社電通デジタルCAIO(Chief AI Officer:最高AI責任者)兼執行役員の山本覚氏が登壇し、「∞AI」における各ソリューションにAIエージェント技術を導入した大型アップデートについて説明した。

 

デジタルマーケティングの分野において、生成AIとの協働が加速する中、電通デジタルは2023年にAIサービスブランド「∞AI」を発表している。これまでの同サービスでは、企業の目的に沿った最適なAIソリューションの活用や、企業が保有するデータとAIのシームレスな連携などを提供していたが、今回、生成AI活用において必要なシステムやデータに能動的にアクセスしタスクを実行するAIエージェント技術を、「∞AI」の各ソリューションに導入した。

 

AIエージェントの導入により、担当者がAIエージェントと自然に対話する中で解決策を生み出すことができ、施策の分析から戦略立案・改善までPDCAサイクルの高速化が期待される。「∞AI Marketing Hub」の中に、以下4つのソリューションを開発する。1,2ではAIエージェントに適したデータの整備、3,4ではデジタルマーケティングのエージェント化を目的としている。

 

 

1, ∞AI Customer Data Hub

ファーストパーティデータやAIチャットで取得した対話や各種調査から得られたデータに加え、電通デジタルの各種マーケティングデータなどを自動的に統合し構造化する。顧客一人一人のカルテとしてリアルタイムで生成が可能となる。

 

2, ∞AI Customer Twin

∞AI Customer Data Hubにて蓄積・統合されたデータをもとに、仮想顧客AI(カスタマーツイン)を生成。担当者は仮想顧客AIと対話し、インタビューや調査を行うことで、施策における仮説検証や施策の提案・検討を迅速に行うことができる。

 

3, ∞AI MC Planning

AIエージェントの対話によって、広告配信におけるメディアプランニングや広告コピーの企画・効果予測などを実現する。AIエージェントは∞AI Customer Data Hub・∞AI Customer Twinと連携し、顧客一人一人がどのような特性でどういったマーケティング施策が効果的か、などを提案する。

 

4, ∞AI CX Planning

AIエージェントの対話によって、顧客体験(CX)の改善を目的とした、サービスのアイデア創出や既存事業の高度化を実現する。蓄積された顧客データとの連携により、広告担当者はよりスピーディに顧客体験を設計することができる。

 

上記4つのソリューションの開発に加え、これまでの「∞AI Ads」にもAIエージェント技術を融合し、こちらでもAIエージェントとの対話を通じてより効率的な広告運用を目指す。

 

今回のアップデートでは、「AIとの対話」を通じて、デジタルマーケティングにおけるプロセスの自動化、マーケターの業務支援が可能となる。山本氏は質疑応答の中で、「AIに任せられるところは任せ、もっと人間の頭脳を社会現象を起こしていくことに使っていくことができるとよいのではないか」と述べ、さらなるAI活用に意欲を見せた。

 

ABOUT 角田 知香

角田 知香

イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。