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ExchangeWire ATSTokyo2024が終了、明日のネット広告のあるべき姿を議論

※写真左は2年連続プレミアムスポンサーの、UNICORN 代表取締役社長 山田翔氏、右は2年連続大トリを務めた高広伯彦氏。ATSTokyo非公式アフターパーティー会場にて撮影

 

ExchangeWireJAPANは、11月22日(金)、ATSTokyo2024を開催した。場所は前年に続き、東京ドームホテルで、昨年を上回る420名超が一堂に会し、昨今のインターネット広告の課題や期待、そして明日のネット広告のあるべき姿がうかがえる

当日会場には、昨今のオープンインターネット広告業界のエコシステムを構成する400名超の国内外のエキスパートが一堂に会した。

IAB TechLab CEO Anthony Katsur氏による、デジタル広告業界のテクノロジーのトレンドレビューを皮切りに始まり、これに電通デジタル山本 覚氏が続き、AIを活用したマーケティング・広告の研究開発の現状やAIが切り開く未来像が提示された。その後、インターネット広告、とりわけオープンインターネット広告における、配信や運用型広告の収益性をはじめとする諸課題が多く話し合われた。

広告事業者、媒体社、広告主それぞれどの立場であっても、意図せず「やらかし」てしまうことはあるという話からは、現場のリアリティーが伝わってくる。また、媒体社として運用型広告ビジネスとは一線を歩引いた立場で、どのようにメディアビジネスを成功させているのかという話も共有化された。

オープンインターネットの世界では現状、売り手と買い手、そしてこれをつなぐエコシステムのバランスが崩れており、広告主にとっては広告を出稿しづらい場所に、そして媒体社が運用型広告で高い収益を上げづらい環境になってしまっている。現状のエコスステム全体を解決する一つとして、KDDIの高村氏は、ユーザー、媒体社、広告主が三方となる関係性を構築することが必要であり、そのためには広告主もまた色々な場に出向いて関係者とコミュニケーションをしていくべきと提唱した。

 

 

UNICORNの山田翔氏は、ユーザーから嫌われているインターネット広告の在り方を再考するカギとして、今注目されている新しい指標であるAttentionを提唱し、業界皆で実証を進めていこうと働きかけた。そして、2年連続大トリを務めた高広 伯彦氏は、過去のネット広告の歴史を振り返り、「過去から未来を学ぶことの重要性」を説き、明日のネット広告のあるべき姿を提示して幕を閉じた。

その他にも、近年注目されているデジタル広告の新しい配信面であるデジタルサイネージ、リテールメディア、コネクテッドテレビといった、成長領域における期待と次のステップに向けた課題など、ポジティブなトピックスにおける有益な議論や、広告主にとってアドテクを理解することとは何たるかを議論するセッションなどでも深い議論が交わされた。

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。