×

プログラマティックCTVには透明性が不可欠、その理由は?

日本では、コネクテッドTV(CTV)デバイスの販売増と、ストリーミングサービスの幅広い浸透を受け、CTVのチャンスが一気に伸びています。

(Sponsored by OpenX)

 

予測では、2025年までに国内CTV広告市場の規模は1700億円に達し、2024年だけでCTV広告費が30%以上増加する見込みです。そして市場の成長に伴い、日本のブランドにとっても、高度にエンゲージされ、認証されたオーディエンスに関連性の高い広告体験を提供できる可能性が高まっています。

 

アジア太平洋地域(APAC)の消費者はCTV広告に好意的です。調査によると、APACのCTV視聴者の40%が広告視聴後にモバイルアプリをダウンロードしており、広告に表示されたQRコードをスキャンすると回答した割合は、「おそらく」「ほぼ必ず」を合わせて57%に上ります。

 

当然ながら、日本のメディアバイヤーも、エンゲージメント率が高く新規オーディエンスにも到達できるプラットフォームとして、CTVに関心を持っています。キャンペーンの効果を測り、結果を追跡できる点も、CTVの魅力を高めています。ただし、CTVが国内外で余すところなく力を発揮するには、エコシステム内における透明性の課題に対応しなければなりません。

 

 

広告主にとってCTVがこれほどまでに魅力的な理由

 

CTVは、まったく新しいデジタルチャンネル自体というよりは、視聴者とテレビとの関わり方の変化を指します。理論的には、ブランドセーフティな環境をもたらすという点でリニアTVと似ていますが、デジタルならではの利点もいくつかあります。ブランドは、プレミアム・コンテンツとともに、リアルタイムで識別された視聴者にリーチすることができます。

 

視聴者がQRコードをスキャンしたり、リモコンのボタンを押したりすることでさらに詳しい情報を得られる要素を盛り込めば、インタラクティブな広告にすることも可能です。CTVはリアルタイムで最適化することも可能で、キャンペーンを即座に調整して広告パフォーマンスを向上させることができます。これは、リニアTVを数段上回る機能です。

 

広告主にとっては、デジタル広告のため購入プロセスを簡素化できるところもCTVの利点です。従来のテレビ広告の購入に基づく前払い契約やプログラマティック保証型(PG)モデルの場合、ブランドは購入するものをある程度予測できます。しかし、各パブリッシャーと個別に交渉すると大量のリソースを消費するおそれがありますし、キャンペーン直前に柔軟な決定がしづらいという問題もあります。

 

パブリッシャーも、インベントリの価値を十分高めるには、ただ前払い金とPGに頼るだけでは足りないと認識しています。そこで入札型CTVの出番です。CTVであれば、変化にも対応できるリアルタイム入札という、これまで活用されてこなかった可能性が開けます。

 

 

入札型CTVのポテンシャルの活用

 

入札型CTVにおける一番の課題は、正確にカテゴリー分けすることです。意図しないインベントリを適切に排除することで、プレミアムなCTV市場を強化できます。意図しないインベントリとは、消費者が通常「テレビ」とは見なさないコンテンツ(ゲーム、ユーザーが作った動画、一部のアプリなど)です。こうしたコンテンツにも価値はあり、収益化も必要ですが、CTVのカテゴリーに入れて販売すべきではありません。

 

透明性に問題があることは、広告主からすると、自社の広告の表示時期や場所、その広告を流すコンテンツとの関連がはっきりわからない場合がよくあるということです。とはいえ、オープンWebのプログラマティック入札では、ブランドセーフティが一切確保されず、広告がどこに表示されるかもほとんどわかりませんでした。CTV広告には、こうした過ちを繰り返さないための可能性があります。

 

 

CTVエコシステムの改善

 

広告主は、透明性、購入しやすさ、リーチの拡大を求める資格があります。これらを実現する第一歩は、CTV広告エコシステムの強化です。そのためには、あらゆるコンテンツを正確かつ適切にカテゴリー分けし、ブランドと広告代理店がキャンペーンの実施内容を完全に把握できるようにする必要があります。

 

パブリッシャーの手元には、自社で収集したデータがあります。これを使ってアイデンティティソリューションツールでオーディエンスを照合することで、バイヤーは入札可能なインベントリから希望するセグメントを正確にターゲットすることができます。つまり、バイヤーは決まった予算に縛られることなくプレミアムインベントリで競争でき、リーチできる範囲も広げられるということです。

 

バイヤーの信頼を築くには、しっかりとした測定システムも必要です。パブリッシャーは、自社のキャンペーンがどのように機能しているのか、また、キャンペーンが望ましい結果をもたらしているのかをブランドが理解できるように、その手法がどのように機能しているのかを完全に透明化する必要があります。

 

 

公正で透明性の高いCTVエコシステムの構築

バイヤーが入札内容やパフォーマンスの測定方法を信頼できると感じるまでは、CTVの可能性を最大限に活用することは難しいかもしれません。

 

そのため、CTVのオファーから意図しないインベントリを排除し、コンテンツの分類に関する強固で信頼できるシステムを開発することで、ブロードキャスターとパブリッシャーのインベントリの価値を保護するための措置を講じる必要があります。これにより、パブリッシャーはプレミアム在庫の価値を最適化し、高品質なコンテンツに再投資することができます。

 

CTVの未来は、広告主、パブリッシャー、視聴者に大きな利益をもたらす、素晴らしい将来性を持っています。しかし、このビジョンを実現するには、エコシステム全体の協力が必要となることは間違いありません。

 

コラム執筆者

目黒 圭祐

OpenX 日本カントリーマネージャー

 

 

 

10年以上、オンライン広告にて媒体社のマネタイズの領域でコンサルティングなどに従事。2009年にNobotの初期メンバーとして参画、スマートフォンアプリ向けアドネットワークAdMakerのセールスとして、2011年、KDDIグループのmedibaへのExitへ貢献。medibaに合流後は、mediba adのセールスやau スマートパスのプロモーションなどに従事。2013年にOpenX Japan立ち上げに伴い、参画。パートナー開拓と新サービスの日本展開など、日本でのビジネス開発に貢献。現在、同社のカントリーマネージャーとして、日本における全ての戦略立案、事業拡大の責任者として従事している。

 

 

ABOUT WireColumn

WireColumn

WireColumn
ExchangeWireJAPANが推薦する、スペシャリストによる執筆記事。ここでしか入手することが出来ない専門性の高い情報をお届けします。