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楽天、広告関連事業の記者説明会を開催。楽天独自のテクノロジーによる広告とは。

楽天グループ株式会社は、10月7日、都内にて「楽天市場」の広告関連事業に関する記者説明会を行った。楽天グループ株式会社コマース&マーケティングカンパニー 市場広告部ジェネラルマネージャー・春山宜輝氏、アカウントイノベーションオフィス ジェネラルマネージャー・堀川直裕氏が登壇し、「楽天市場」出店店舗の流通最大化を図る「市場広告部」、ならびにナショナルメーカーを対象にマーケティング支援、販促支援、店舗運営支援を行う「アカウントイノベーションオフィス」より、各部署の取り組みを説明した。

 

 

 

最初に登壇した春山氏は、市場広告部が取り組むオンライン・オフラインの両方でのリテールメディアについて説明した。

オンラインでは、もはや一般的になりつつある検索連動型広告(ワード検索の際上位ページにでてくる広告)・ターゲティングディスプレイ広告(楽天市場トップ、RakutenLink、楽天ペイなどサイト内外で表示される広告)に加え、非出店者むけのBrand Gatewayと呼ばれる「楽天市場の中にメーカーの自社サイトを実現する」広告運用や、Meta提供メディアと連動した広告などが紹介された。

中でも、記者の注目を集めたのはSales Expansionと呼ばれる、メーカーが楽天市場内の各リテーラーを横断的に支援することができるブランド広告主向けの広告。楽天に直接出店していないメーカーが販促活動をできることから、かなりの成長率で伸びているという。

一方オフラインでは、楽天ポイントカードや楽天ペイといった楽天独自のエコシステムを活用するほか、オフライン販促サービスの「Rakuten Pasha」、流通のID-POSを活用した広告配信・効果測定をするInstore-Trackingなど、楽天が誇る膨大な会員数・データを駆使した販促施策が行われている。

 

 

二人目の登壇者・堀川氏は始めに、楽天内のメーカー向けのサポート組織として機能するアカウントイノベーションオフィス(AIO)に触れ、大手ブランドの戦略パートナーとして認知拡大から売上拡大までを支援する取り組みを紹介した。

 

楽天がメーカーに提供できるソリューションとして、すでに春山氏が紹介した広告運用Brand Gatewayの取り組みについて、いくつかの具体的な成功例を交えて深掘りする。

資生堂・レゴジャパンといったメーカーによる活用例を挙げ、マーケット開発から認知拡大・メッセージ訴求・販促キャンペーンと一気通貫で行う広告展開を紹介した。Brand Gatewayにおいては、日系企業よりも外資系企業のほうが効果的に活用し売り上げを上げているとのことで、楽天と大手ブランドとのデジタルコマースの加速をアピールした。

 

バズワード化するリテールメディア・クッキーレスなどの流れに左右されず、圧倒的な会員数とマーケティング戦略を誇る楽天ならではの広告戦略に、今後も期待がふくらむ。

ABOUT 角田 知香

角田 知香

イギリス・キングストン大学院にて音楽学の分野で修士号を取得。学校・自治体文化講座等にてアート講座講師として活動後、2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。