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Teads Japan Summitレポート 電通&電通デジタルとKANTAR JAPANとの調査でわかったTeadsの強み[ニュース]

グローバルメディアプラットフォームのTeadsは、今夏都内にて、同社の取引先を始めとする国内の主なオンライン広告市場関係者を集めたTeads Japan Summitを開催した。コロナ禍を受けて一時中断していた本イベントは6年ぶりの開催となった。

 

 

開催の挨拶を行った東アジア地区、マネージングディレクターの今村 幸彦氏は

「我々Teadsのミッションステートメントは、質の高いジャーナリズムをサポートし、 ブランドと消費者を“丁寧”に結びつけることです。持続可能な広告とメディアのエコシステムを育成することを目指して我々は日々努力させていただいております。

Teadsを通じて配信された広告は、最も人の心を肯定的に動かすことができるプラットフォームであると、私どもは信じております」

と述べ、Teadsの価値を証明するために本イベントで

 

  • [電通×電通デジタル×Teads対談]Attention as a new matric、電通のアテンション調査で分かった事、新しい広告指標としての活用方法
  • マーケティングの調査とコンサルティングを行うKantarによるTeadsに投資する意義

 

という2つの広告のメジャーメントについてセッションを用意したとのこと。

 

本記事では、上記2つのセッションの模様をお伝えする。

 

Managing Director, East Asia, Teads 今村 幸彦氏

 

 

《セッションレポート その1》

[電通×電通デジタル×Teads対談]
Attention as a new matric

 

『Attention as a new matric』と題したセッションにはまず、株式会社電通のSenior Director of Innovation Strategyのジョシュア・グラント氏とSenior Manager, Media Partnership and Solutionのスティーブン・リョウ氏が登壇。2016年初頭から取り組んできた“デジタル広告がどのように見られているか”を調査したアテンション・エコノミー・プロジェクトの結果と活用方法を報告した。

 

アテンション・エコノミー・プロジェクトは、YouTubeやTwitch、Instagram、Xなどをはじめとした、ほぼすべての主要なプラットフォームで、消費者が広告(各プラットフォームごと)をどのように見ているかを調査するものである。

 

年々増加しているインターネット広告はビデオ広告の数字が大きく伸びている。2023年と2024年を比較した場合、インストリーム広告は12.1%増加、アウトストリーム広告は12.4%増加している。

日本の広告費は約538億ドルで、広告費は年々増加している。

 

 

これほど多くの広告が表示されている中で、各ブランドはどのような方法でアテンションを獲得するべきなのか? アテンション・エコノミー・プロジェクトでは、下記の環境で調査を行った。

  • パネルは8,000人の日本人、インプレッションは10,000超。参加者がどのように確認しているのかを追跡した。
  • 対象とした広告は、デジタル広告の標準ディスプレイ、リッチメディアビデオ、リッチメディアディスプレイ、ソーシャル、ライブストリーミング、インストリームビデオである。
  • アテンションの内訳は、配信されたインプレッションのうち視認可能だった割合、そしてその視認可能なインプレッションのうち、実際に消費者が視聴した割合。これらの割合を調べることにより、ブランドの影響力を計算することができる。

 

結果を受けてジョシュア・グラント氏は以下のように報告している。

「消費者のアテンションを引くには約2~4秒必要で、これを逃すと広告の効果は薄れてしまいます。例外として、YouTubeの6秒広告のような強制視聴の広告形式があります。これらは少し長く視聴されることもありますが、消費者のアテンション時間が短いことに変わりはありません。

重要なのは、広告主やブランドがデジタル広告でのアテンション時間が非常に短いことを理解し、さまざまな広告ユニットや広告タイプを組み合わせて最大限に活用することです。最大で約4秒間のアテンションを想定し、広告の効果を高める工夫が求められます。」

と述べた。

 

続いて登壇したスティーブン・リョウ氏は、消費者のアテンションを集めるための5つの重要な要素と、Teadsが優れている部分を3つ紹介した。

 

【消費者の注目を集めるための5つの重要な要素】

Viewable Time(表示可能時間)

・視認可能な時間とアテンション力(アテンション)との間には正の相関がある。*相関関係があり、一方が増えるともう一方も増える。

・視認性が高いほど、APM(広告がどれだけ視聴者のアテンションを引くことができるか)スコアが高くなる。

 

Forced Viewing(強制表示)

・スキップボタンを表示する強制視聴型広告は、比較的高いアテンションを集めるが、スキップ機能へのアテンションであるという可能性は否めない。

・強制的な露出に比べ、能動的な露出の方が、視聴者のエンゲージメントが向上する。

 

Duration(期間)

・広告が長いほど、アテンションを集める可能性が高くなる。

・視聴者は長い広告に何度も戻ってくる可能性があり、エンゲージメントが向上する。

 

Movement(動き)

・モーション要素(回転、垂直/水平移動、アニメーション)は、静的広告よりも優れたアテンションを集める。

・動的要素により、広告の平均表示時間が長くなる。

 

Size(表示領域の大きさ)

・ディスプレイへの表示領域が大きいほど、平均表示時間が短くなる。

・一方でディスプレイへの表示領域を大きくすると、視聴者の視野をより多く捉えることができ、アテンション力が高まる。

 

 

【3つの点でTeadsが優れている】

・「Viewable」と「Viewed」を考慮すると、Teads Creativeが標準ディスプレイの閲覧率を上回っている。

 Teadsのクリエイティブは、Viewableの割合で標準ディスプレイの平均を最大19ポイント上回っている(左グラフ)。すべてのTeadsクリエイティブは、標準ディスプレイの閲覧率を最大24ポイント上回っている(右グラフ)。

 

 

・APMの評価の場合、Teads Creativeは標準ディスプレイ広告よりもよい結果をもたらす。

Teadsのクリエイティブの4つのうち3つが、標準ディスプレイの平均よりも良い結果をもたらし、 APMスコアが最大3倍高くなる。

 

 

・ブランド選択のアップリフト率とブランド想起率を考慮した場合、Teads Creativeは、ブランド・パフォーマンスの向上に優れた効果を発揮する。

Teadsのクリエイティブの4つのうち3つが、ブランド想起率とブランド再認知で、類似のIn Article(記事中)フォーマットを大幅に上回っている。 ブランド・チョイス・アップリフトでも上位にランクインしており、ブランド・パフォーマンスの向上に優れた効果を発揮している。

 

 

最後に、スティーブン・リョウ氏は

「上記の結果をまとめた公式ホワイトペーパーを今秋公開する予定です。皆さまへ公開できることを楽しみにしています」

と締めくくった。

 

 

[電通×電通デジタル×Teads対談]
電通のアテンション調査で分かった事、
新しい広告指標としての活用方法

 

続いて「電通のアテンション調査で分かった事と指標としての活用方法」という題目で登壇したのは、Teads JapanでVP, Agency Partnership Leadを務める川口 瑞浩氏と株式会社電通デジタル 関西事業部 チーフマーケティングプランナーの根本 逸平氏。

 

左からTeads 川口 瑞浩氏と電通デジタル 根本 逸平氏

 

「西日本で最もTeadsのことを知っている代理店担当」というキャッチコピーで登壇した根本氏は、電通とTeadsが共同リサーチの調査結果として、アテンションに影響を与える4つの因子を紹介した。

 

【アテンションに影響を与える4つの因子】

Time in view(視聴可能時間)
視聴可能時間は、ユーザーの注目率を最も左右し、アテンションを高めることができる。

 

User Choice(能動的な視聴)
強制視聴型の広告は、スキップができる広告よりもアテンションを得にくいが、消費者が能動的に広告を閲覧する場合は、視聴時間(2秒または20秒)にかかわらず、ブランドリフトへ大きな影響を及ぼせる。

 

Creative(クリエイティブ)
クリエイティブは、アテンションを向上させるための最大の因子である。目に留まるビジュアルは、音声の有無よりもはるかに重要である。

 

Relevance(関連性)
広告と広告表示画面は、関連性がある方がより掲載広告へのアテンションを獲得することができる。

 

「1、2、3、4全部兼ね備えているのがTeadsやないかーい!」と関西でいつも行っているという営業トークでTeadsの強みを紹介した。

 

その上で川口氏は「Teadsには、クライアント様が伝えたいメッセージに適したクリエイティブを、広告戦略から一緒に考えていくワークショップ・L’Atelierを開催し、さまざまなサポートをしています。そして、広告認知だけでなく、ブランド理解、行動喚起を狙うクリエイティブワークが多数あります」と述べた。

 

電通デジタルの根本氏は「アテンションを獲得するためのクリエイティブ要素を多数提供できると同時に、Teadsはさまざまな指標にも対応しているため、代理店営業マンとしては、顧客に対し主観だけでなく、客観的なデータを用いた営業を行いやすい」と述べている。

 

これに対し、同社の川口氏は「CPC(平均クリック単価)などの指標の他、TeadsではアテンションにフォーカスしたAPM(Attention Per Miles)という“視聴者のアテンション”を測定する指標に、早い段階でアプローチしたことで、APMを高めるために必要なクリエイティブ分析のノウハウを蓄積することができました。

また、キャンペーンごと、クリエイティブごとのAPMを計測する技術も用意していますので、クリエイティブの最適化や運用の最適化、そして結果の分析と、クライアント様をサポートする体制は整っています」と述べた。

 

 

 

 

 

クリエイティブごとのノーム値の蓄積、APMという新しい指標も搭載しているTeads Ad Managerの活用など、Teadsならではの、Teadsだからこそできるアテンション獲得の方法を紹介してくれた川口氏と根本氏。

 

根本氏が着用していたTシャツ文字の「アテンションプリーズ」という言葉の通り、終始Teads Japan Summit参加者のアテンションを獲得するセッションであった。

 

 

《セッションレポート その2》

[KANTAR×Teads対談]
PMP Media Effectiveness - The power of inRead
プレミアムメディアに支えられるTeads PMPの強み

 

右手からTeads 奥村 愛来留氏と左手KANTAR JAPAN吉本 潤一氏

 

 

同社のSenior Sales Managerを務める奥村 愛来留氏とKANTAR JAPAN Insight Directorを務める吉本 潤一氏のセッションでは、PMPにおけるTeadsの強みを、クロスメディア分析で実施したブランドリフト調査の観点から報告した。

 

 

今回行った計測対象について

  • キャンペーンでは主に若年である25~34歳の層をターゲットにし、70%以上のリーチを目標にした。
  • ブランドには、継続起用したセレブリティが出演し、新クリエイティブをもって、昨年末にTVCMやデジタル広告を展開した。

 

と背景情報を説明し、今回の調査では、以下3点のことを明らかにすべく、調査・分析を行った。

 

  1. ターゲットである25-34歳の層に対して、どのくらいリーチすることができたのか?
  2. リーチできた層に対して、どのくらいブランド効果を生み出すことができており、メディア間ではどのように効果が異なったのか?
  3. どのメディアがより効率的にブランド効果を生み出せていて、そこから今後のキャンペーンに向けてどのような示唆が得られるのか?

 

今回のキャンペーンでは、ターゲットへのトータルリーチが8割以上になり、当初目標は達成できた。そしてブランドリフト効果では、Teadsの貢献が大きかったと語っている。

 

今回のキャンペーン効果として

  • Video MediaとTeadsに統計的に有意な(有意確率90%以上の)ブランドリフトが見られ、両メディアが認知と意向を高めることに成功していた。
  • SNSも上昇傾向があると言えるが、統計的には有意ではなく、Teads やVideoの効果がより高いと言える。
  • TVについては、各指標のControl(非接触)のスコアをベースラインとしたときに他メディアよりも高いことが見て取れる。これは、過去に展開していた広告の効果の蓄積により、TVの視聴者層はすでに一定の態度が形成されていたことによって、インクリメンタルでの効果が生まれにくかったためと考えられる。

 

とした。

 

 

 

そして、このブランドリフト効果を踏まえて、キャンペーン全体の効果と効率性を見た場合、

  • 投資配分はTVが最も大きく、Video Mediaがその半分、SNSとTeadsはTVの1/10程度の規模であったのに対して、効果のシェアではファネルを通してVideo Mediaの次にTeadsの貢献が大きい。

 

これに投資効率を掛け合わせた場合、

  • 今回のキャンペーンにおける効率面では、投資規模が最も小さいTeadsの投資効率がファネル全体を通して最もよく、投資に対して約5倍の効果をもたらしていた。
  • Teadsに対して投資をすることで、効率的に効果を生み出すことが期待できるということが明らかになった。

 

と報告している。

 

なぜTeadsの効率が良かったのか、に対して吉本 潤一氏は

「Teadsは、PMPとして質の良いメディアに広告が掲載されることで、少ない露出でも最大限の効果を生み出していることが、効率の良さにつながっていると考えられます。PMPは比較的お高めという印象もありますが、高いだけでなく投資した費用がしっかりと効果に還元されることが、この結果で数値的に立証されたのではないかと考えています。」

と述べた。

 

これに対し、奥村 愛来留氏は

「忖度なしでこの数字・結果が出て安心しました。広告主がTeadsにかけてくださるコストシェアはまだまだ小さいですが、効率の面では、大きな成果を証明した実例と言えるでしょう。
ウォールド・ガーデン上だけでの配信では、リーチの面で苦戦することもあるかと思います。オープンウェブも活用した、全域での配信をすることで、より大きなリーチを獲得すことができます。そして、Teadsを利用していただくことで、効率よくリーチを獲得していただければと思います。」

と締めくくった。

ABOUT 町田貢輝

町田貢輝

ExchangeWireJAPAN 編集担当 日本大学法学部法律学科卒業。編集プロダクション、出版社でエンタメ、健康、IT関連の雑誌と書籍の編集・進行管理に従事。2024年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。DX領域のメディア運営全般ならびに、調査研究を担当する。