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RTB House Japanが6周年記念パーティーを開催[ニュース]

最先端のAIディープラーニング(深層学習)によるデジタルマーケティングテクノロジーを提供するRTB House Japanは5月16日、都内のホテルにて、6周年記念パーティーを開催した。

(Sponsored by RTB House)

 

日本事業は順調に成長

本イベントでは、RTB Houseのヤコブ・ラタイチャックAPAC代表が冒頭の挨拶にて関係者一同への感謝を述べた後、日本支社のカントリーマネージャーを務める奥内鉄治氏が日本市場における事業概況を報告。2018年の事業立ち上げ以来、売上及びアカウント数ともに順調に成長してきたと振り返った。

 

2024年1月からは、eコマースサイトやトラベルサイトなどのプラットフォームを運営する事業者が、そのサイト内に出店する企業(セラー)に対してオンライン広告商材を提供できるサービスとなる「リセラープログラム」が本格的に稼働。セラーにとっては広告運用の負荷を軽減し、プラットフォーム事業者は新たな広告収益を創出するための仕組みとして提供を行っている。

 

プライバシーボックス最新動向

RTB Houseは、クッキーレス環境下においても有効なターゲティング広告技術の開発に早期から取り組んできた。2020年から総計45名で構成されるCTO直属の専任チームを結成し、ウェブ技術の標準化団体であるW3Cコミュニティに積極的に参加。同社が提案したレコメンデーションロジックとなるProduct-Level Turtledoveと入札ロジックのOutcome-Based TurtledoveはGoogleが開発中のプライバシーサンドボックスの機能の一部として採用されるに至った。

 

奥内氏は、ユーザーのプライバシー保護機能強化を目的として開発されたプライバシーサンドボックスは「ユーザーごとのデータセットを金庫(Lockbox)の中に格納している状態」であると表現。広告の入札機能を併せてこの金庫に保管することで、広告の入札からオークションまでがChromeブラウザ上で完結するため、外部サーバーにユーザーデータを送信する必要がなく、ユーザーのプライバシーを保護することができる仕組みとなっている。

 

さらには「金庫(Lockbox)」の中に格納された広告主サイトでの閲覧商品データに基づき、該当商品や関連商品を含んだバナー広告のクリエイティブを生成することが可能である。ただし、ユーザーが特定されることを避けるため、閲覧ユーザーが50人に満たない商品はこの仕組みを活用することはできない。

 

 

なお、奥内氏は2023年時の事業説明において、「Cookieターゲティングが個人ペースであったのに対して、プライバシーサンドボックスはグループ単位でのターゲティングとなる」との見通しを発表していたが、仕様変更があったためにプライバシーサンドボックスでも引き続き個人ベースでのターゲティングが実施可能になったと報告。従来のCookieターゲティングとの主な違いとして、プライバシーサンドボックスではあくまでも個々の目的ごとにユーザーのデータセットを格納することになり、複数のデータを用いたターゲティングができないという特徴や、Cookieシンクが必要ではないためにユーザーデータの脱落が発生しないという利点があると説明した。

 

ふるさと納税返礼品のレコメンドで差別化

イベント後半部では、RTB House Japanのアカウントディレクターを務める森雅斗氏による進行の下で、同社シニア・ビジネス・ディベロップメント・マネージャーの加藤貴大氏と株式会社アイモバイル 事業企画本部マーケティング戦略部部長としてふるさと納税サイト「ふるなび」のマーケティングとカスタマーサポート領域を管掌する赤松史規氏との間でパネルディスカッションが開催された。

 

赤松氏の部署では、テレビCM以外はすべてインハウスで広告運用を行っており、リスティング、ディスプレイ、アフィリエイト、動画を含む様々な広告キャンペーンを多種多様な媒体に展開している。注視する指標は「①広告費、②ROAS、③売上(ふるさと納税寄付金額)」のみ。広告運用の現場で月次目標を達成するために活用し得る指標はこの3点のみであると考えており、新規顧客と既存顧客の獲得率といったより細かいKPIについては、媒体ごとの広告予算決定者の管轄事項であると述べた。

 

 

赤松氏によると、ふるさと納税の返礼品の価格帯は幅広いため、ユーザー行動に応じて異なる商品を広告クリエイティブに反映させるダイナミックリターゲティング広告を通じてCPA最適化を図ると、事業収益が十分に得られなくなる場合がある。そこで深層学習を活用したROAS最適化に強みを持つRTB Houseの技術を高く評価しているという。

 

赤松氏は成功事例の一つとして、同社が提供する広告メニューの中でも強化カテゴリとして指定した商品をバナーに表示させる「強化キャンペーン」に言及。駆け込みでの寄付が殺到する年末期間には競合事業者のバナー広告が肉や果物といった人気商品を集中的にレコメンドする一方で、ふるなびの広告は高単価の電化製品などを表示することで差別化を図ることができたと語った。この仕組みを活用することにより、商品単価は42%増、ROASは14%増を達成したという。

 

パネルディスカッションの終了後は、株式会社FLUX メディア・マーケティングソリューション本部長の柳田竜哉氏による乾杯の挨拶を受けて、立食形式の懇親会が開催された。

 

 

その後、RTB House JapanでHead of Sales Japanを務める富松敬一朗氏がRTB Houseのテクノロジーを活用して効果的な広告運用を行った広告代理店11社を発表。最も取引規模が大きかった株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部ADNW・DSP・CPI局局長の白井光輝氏が表彰を受けた。

 

 

ABOUT 長野 雅俊

長野 雅俊

ExchangeWireJAPAN 副編集長

ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 ロンドンを拠点とする在欧邦人向けメディアの編集長を経て、2016年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。 日本や東南アジアを中心としたデジタル広告市場の調査などを担当している。