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インフォマーシャル動画で新たな広告表現を開拓するセプテーニ。大規模な動画制作もパッケージ化によって提供可能に[インタビュー]

近年デジタル広告市場において話題となっている動画広告。なかでも、デジタル広告の新たな表現として「インフォマーシャル動画」を提供しているのがセプテーニだ。これまではテレビの通販番組や情報番組のコーナーで放送されることが多かったインフォマーシャルを、動画としてウェブ上で提供するようになった背景やメリット、構築した動画制作パッケージや社外パートナーとの座組などについて、Septeni Japan株式会社 クリエイティブ本部 ブランドコンテンツ開発室 責任者 江村雄一氏と、クリエイティブ本部 第二ディレクション部 ディレクター 池村治那氏にお話を伺った。

(Sponsored by Septeni Japan)

 

新たな広告表現としてインフォマーシャル動画を提供

—インフォマーシャル動画をスキームとして提供するようになった背景をお聞かせください。

江村氏:動画広告市場の持続的な成長が今後も見込まれる中、YouTubeのインフィード広告やインストリーム広告を中心とした出稿が増加していますが、長く動画枠へ出稿を続けているお客様ほどクリエイティブ案が枯渇するおそれが高まるという問題も出てきています。また訴求幅の拡大には限度があるため、見た目を大きくリフレッシュさせるといった新たなクリエイティブ表現も常に求められています。

我々はお客様に対して常に豊富なクリエイティブ案をご提供することをミッションに掲げており、このような動画広告における課題に対して様々なアプローチを続けてきました。その中のひとつとして、表現幅を拡大するとともに、PDCAを回しやすい動画クリエイティブサービスとしてインフォマーシャル動画のパッケージ化に取り組みました。

 

—具体的にどのようなインフォマーシャル動画を提供しているのですか?

江村氏:テレビの通販CMに近いものをイメージいただけるとわかりやすいかと思います。あるいはコロナ禍で数は減りましたが、スーパーなどの売り場で行われている実演販売の様子を動画で撮影したようなイメージです。テレビではよく見かける手法ですが、デジタルの動画広告ではまだ少ないため、クリエイティブとしての見た目もリフレッシュでき、新たなスタイルでの訴求が可能です。

インフォマーシャル動画にプロの実演販売士が出演する場合、軽妙なトークで説明することで商品のメリットも分かりやすく伝わりますし、音声も人の声で自然に入ってくるためインパクトも強くなります。

 

 

外部パートナーと連携し、動画制作をパッケージ化することで、作業を効率化

—インフォマーシャル動画を制作・提供している広告代理店は増えているのでしょうか?

江村氏:デジタルを中心としている広告代理店で、セプテーニのようにインフォマーシャル動画を多数制作・提供しているのは、現時点では非常に稀です。インフォマーシャル動画は従来の動画制作に比べ、キャスティングやシナリオ設計、トークスクリプト制作などの準備に膨大な時間を要しますが、セプテーニでは外部パートナーと連携し、動画制作をパッケージ化することで作業を効率化できたため、多数のお客様に提供することができています。

 

—ディレクターとしてインフォマーシャル動画を制作するうえで、パッケージの使いやすさなどメリットを感じる点についてお聞かせください。

池村氏:やはり制作にかかる工数を抑えられることで、インサイトの深掘りや商材の訴求内容や表現方法など、どのように商材のメリットをターゲットへスムーズに伝えるかを「考える」ことに時間が使えるようになった点です。

特にインフォマーシャル動画では、撮影を行うまでの手前の工程で、実演販売士をはじめとするキャスティングや出演料の交渉なども含め様々な作業が生じるため、負荷を感じることも多かったのですが、パッケージ化されていることで、各種工程が非常に簡略化されており、納期自体も短縮できています。

 

—お客様にとってのインフォマーシャル動画のメリットはどのような点でしょうか?

池村氏:デジタル広告における新たな表現としてクリエイティブの幅を拡げられると同時に、獲得効率の向上を目指せる点です。最近では、SNSの普及からユーザー投稿風のクリエイティブなど、獲得を狙う上で広告色を薄めたクリエイティブの配信が増加傾向にあります。しかしながら、今まで同様、商材のメリットを端的に訴求するクリエイティブはインパクトが強く、ユーザーの記憶にも残りやすいため、引き続き獲得に寄与しているのも事実です。

インフォマーシャル動画も、実演販売士が商材の価格やメリットをストレートに伝えるスタイルのクリエイティブなので、獲得を狙う表現として適しています。その上で、デジタル広告においては新たな表現であるため、既視感が薄く、訴求の摩耗も防げるというのはお客様にとってはメリットになるのではないでしょうか。

 

 

コストを抑え、最大限の獲得効果が狙える

—セプテーニのインフォマーシャル動画の特徴について教えてください。

江村氏:従来の撮影を要する動画クリエイティブに比べ、費用を抑え時間も短縮できるので、PDCAが回しやすいというのが特徴です。これは自社グループ内の大規模な動画制作チームと連携しているセプテーニと、実演販売士を多数抱えるパートナー企業との協業によって実現できています。

外部パートナーからは事前に検証パターンを加味して撮影された動画素材のみを提供いただき、実際の動画クリエイティブへの落とし込み(編集作業)は自社グループで行っています。この動画の編集作業を自社グループで行うことで、広告効果を見てすぐに次の制作・検証へ移ることが可能になり、制作コストも大きく抑えて提供することが可能になっています。また制作パターンや広告効果などのノウハウを自社グループに溜めることで、お客様の商材特性に合わせたプランニングが可能になっています。

 

—インフォマーシャル動画の効果について教えてください。

池村氏:実際に実演販売士が軸となって説明するインフォマーシャル動画と従来の動画広告を比較配信した結果、インフォマーシャル動画の方が CTR約1.25倍、CV数約1.5倍という良好な結果を得られました。また、撮影した動画素材を自社で管理し追加制作ができる体制が整っているため、他メディアでの配信やお客様のLPに掲載するなどのアレンジをすることができます。結果的に広告配信だけでなく、様々な場面で活用できるクリエイティブとして、お客様の商品やサービスの露出拡大に貢献できています。

 

—セプテーニのインフォマーシャル動画ですが、今後の展開やどのような企業に使っていただきたいとお考えですか?

池村氏:実演販売がデジタル化しインフォマーシャル動画へ変化していったように、今後はインフォマーシャル動画がライブコマースへ発展して行くのではないかと考えています。ライブコマースとはインフルエンサーがライブ配信を活用してユーザーへ直接購買を促すオンライン販売の形態で中国を中心に市場規模を伸ばしています(※)。インフルエンサーマーケティングが浸透してきた日本でも近い将来ライブコマース市場の発展は想定されるため、今後もデジタル領域での商品販売を強化したい企業にとってこのタイミングでインフォマーシャル動画のノウハウを蓄積しておくことはプラスになると考えています。

※参考:Jetoro「地域・分析レポート『ライブコマース、健全な発展を見据えて(中国)』」

 

江村氏:表現面における今後の発展として、TikTokの動画コンテンツ要素や、情報整理に長けたYouTuberのテクニックを言語化してインフォマーシャル動画に活かすなど、実現できることは多岐に渡ると考えています。常識に囚われないインフォマーシャル動画の表現開拓と、その上で新しいクリエイティブ表現を活用しやすいパッケージとしてお客様に提供することで、トレンドの波が激しいデジタル広告業界において先んじてお客様にとって最適な表現を提案し、お客様のビジネス成長に貢献したいと思っています。

 

江村 雄一

Septeni Japan株式会社

クリエイティブ本部 ブランドコンテンツ開発室 責任者

 

 

 

2006年入社。クリエイティブディレクター、マーケティングプランナーとして従事してきたほか、

様々な部門立ち上げも歴任。現在はデジタルマーケティングのクリエイティブ領域における新規サービス・事業開発を担当。

 


 

池村 治那

Septeni Japan株式会社

クリエイティブ本部 第二ディレクション部 ディレクター

 

 

2019年入社。クリエイティブディレクターとして従事。

撮影を含めたディレクション、EC、金融、ライフスタイル/ゲームアプリなどを担当。

ABOUT 加納 奈穂

加納 奈穂

ExchangeWireJAPAN 編集担当
武蔵野美術大学卒業後、出版社に入社。WEBサイトや広告の運営に従事。その後コスメ情報サイトのコンテンツマネージャーを経て出版社での通販事業において販売促進業務を担当する。通販会社にてSNS運用に携わったのち、2022年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。現職に至る。