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AIとヒトの共創で効果を最大化!セプテーニのクリエイティブメソッド「Odd-AI Creation」の全容[インタビュー]

 

AIの活用がバズトレンドとなって久しい中、Septeni Japan株式会社は2021年にAIを活用したクリエイティブメソッド「Odd-AI Creation(オッドアイ クリエイション)」を構築した。これまで難しいとされてきたクリエイティブの効果事前予測や好調要因などを可視化し、広告効果の最大化に繋げるツールになる。

 

これまでの課題であった分析に対する属人性をAIで補えるようになった一方で、AI一辺倒ではなくヒトの介在も不可欠と語る同社の戦略はどのようなものなのか。

 

Odd-AI Creation の概要から差別化のポイントに至るまでを、Septeni Japan株式会社 クリエイティブ本部 第一ディレクション部 ディレクター 戸田雅也氏、クリエイティブ本部 データコミュニケーション部 プロジェクトマネージャー 下室孝平氏に話を伺った。

(聞き手:ExchangeWireJAPAN 野下 智之)

(ライター:同 渡辺龍)

(Sponsored by Septeni Japan)

 

好調要因を可視化し、これまで難しかった再現性を担保

―自己紹介をお願いします

戸田氏:戸田雅也と申します。金融業種を中心としたお客様のデジタル広告のクリエイティブディレクションを担っています。

 

下室氏:下室孝平と申します。入社後4年間はクリエイティブディレクターとして、アプリのお客様を中心に担当してきました。今年の4月から同本部のデータを活用する部署で、Odd-AIの機能開発や活用促進に従事しています。

 

 

―AIを活用したクリエイティブメソッド「Odd-AI Creation」とはどのようなものなのでしょうか

下室氏:セプテーニ独自のクリエイティブソリューション「Odd-AI」を用いた、ディスプレイ広告制作用メソッドです。AIとヒトが協力して分析・制作を行い、効果の高いクリエイティブを配信することを目的にしています。

Odd-AI Creationを構築する以前はクリエイティブ運用で2つの大きな課題がありました。1つが配信結果に対する分析において、ディレクターの属人性が高いことです。もう1つが、仮説をもとに制作をして、効果が良くなる前提で入稿を行うものの、実際に配信をしてみないと効果が分からないことです。

それに対してOdd-AI Creationでは、AIでクリエイティブの好調要因を可視化して、それを基にヒトがデザインを制作、さらに配信前にAIがCTRを予測するフローになっています。これにより、効果改善確度の高いクリエイティブを制作・配信でき、検証に必要なお客様のコストを削減することができます。

 

 

―ヒトとAIとの共創が特徴とのことですが、実際に利用してみた感想はどうでしたか

戸田氏: Odd-AIを現場で活用したところ、好調クリエイティブ内のCTRに好影響な要素がヒートマップで見える化されるので、仮説を立てやすくなったりお客様に要因を伝えやすくなりました。

実際にお客様から、論理的な仮説を基にクリエイティブ制作を行えている点について高評価をいただいております。

論理的な仮説を持って検証を回すことで、検証回数が少なくなり、最短で広告効果に結び付けられる可能性が高くなるのはお客様にとって一番のメリットになると考えています。

 

 

 

ヒトが介在することでブランドの世界観を損なわない

―AIの活用は他社でも進んでいますが、セプテーニの特徴や差別化ポイントはどこになりますか

戸田氏:様々な業種のお客様と対話させていただく中で、AIだけに任せると、企業のレギュレーション観点やデザインそのものの知識や考え方が反映されておらず、クオリティが低く見えるクリエイティブが完成するイメージがあり、不安を感じる、ということを耳にする機会もあります。

 

 

 

その点Odd-AI Creationの場合は、すべてAI任せで作成するのではなくヒトが介在する範囲(ブランドイメージの担保、組織内に溜まっている業種やメディアのユニーク性への高い知見)とAIが介在する範囲(広告効果起点の改善余地の明確化、事前予測による無駄コストの削減)が明確に棲み分けられています。このように両立・共創できているクリエイティブメソッドは、当社だからこそ構築できる強みだと思います。

 

 

下室氏:開発目線でお話をすると、特徴が3つあります。1つ目は高い実績です。Odd-AIはセプテーニの膨大な配信データを現在進行形で学習し続けているので、モデルの精度は非常に高いです。また実際にOdd-AIを積極活用しているアカウントでは、Odd-AI制作のクリエイティブにより配信規模が5倍以上に拡大し、広告効果最大化に大きな影響を与える事例も出ています。

 

 

2つ目に、ヒトが関わることが大きなポイントです。戸田も言うように、AIにすべてを任せるのではなくヒトと協力することで、クオリティの担保が可能です。

 

最後に、Odd-AI Creationに向き合う専門のオペレーターとデザイナーを揃えていることも特徴です。アカウントに最適な制作本数や頻度を算出するツールを独自開発しており、それをもとに専門組織が対応することで、安定して高品質なクリエイティブの供給が可能になります。役割を棲み分けることによって、ディレクターは新しい施策の提案や、訴求や表現の開発に注力できます。これによって、お客様へさらなる価値提供が可能です。

 

 

―ブランドの世界観のお話がありましたが、AIのみの利用だとブランドを毀損するようなクリエイティブができてしまうことがあるのでしょうか

戸田氏: 極端な例ですが、特に健全さを訴求したいマッチングアプリがあったとします。一方で肌の露出が多い人物画を使用した方が広告効果の予測が高い、など相反する結果が発生した場合に、AIによる効果ドリブンに寄せすぎると、お客様の意図せぬクリエイティブが出来上がり、ひいてはエンドユーザーに誤解を招き、意図と異なるサービス利用を促してしまうリスクが生まれます。こういったリスクは、お客様との対話を通し、深く商品理解をしたディレクターがクリエイティブの制作プロセスに携わることで回避していくべき事象だと考えます。

 

 

―開発や活用促進をする中での課題はありますか

下室氏:Odd-AIの機能価値が高いことと、現場が使うかは別問題だと強く感じました。どんなに精度が高くても使いづらければ普及しません。またディレクターの中には、AIという言葉に得体の知れない不信感を感じる方もいました。もしかするとこの感覚は、お客様の方が強いかもしれません。

Odd-AIを使ってもらうためには、概要やメリットを分かりやすく伝える必要があると感じています。そのために、利便性を担保するワークフローや、価値を感じやすくするためのデータ活用、可視化にセプテーニ一丸となって取り組んでいます。

 

―今後のサービスの発展についてお願いします

下室氏:3つの軸で考えており、1つ目が対応メディアと広告フォーマットの拡充です。需要の高いものへの対応を順次進めています。2つ目が新機能の追加です。今回お話したOdd-AI Creation以外にも、動画のサウンドやLPのCVR向上などへOdd-AIを活用するべく開発中です。3つ目は新領域の検討です。現在はダイレクトレスポンスを目的とした活用がメインですが、ブランディング広告など、AIが価値を発揮する分野の拡張に向け研究開発に取り組んでいます。

このようにOdd-AIの対応範囲を広げていくことで、お客様の課題の解決を目指しています。

 

戸田氏:ディレクター観点だと、今後AI活用が主流となっていく中で、ブランドや世界観の担保はもちろんのこと、いかにお客様の複雑化する課題にダイレクトに応えていくか、エンドユーザーのニーズに合致するメッセージを広告表現に落とし込めるか、などは引き続きヒトが介在する価値として残り続けると考えています。

AIの性能が上がり続けていく中で、やはりヒトも成長し続けなければならず、真の意味で共創していくために、ヒトがAI以上の価値をお客様に発揮できるようにしていきたいと考えています。

 

 

セプテーニへのお問い合わせはこちら
https://ln.septeni.jp/XenG7B5

 

 

Odd-AI Creationサービス概要資料はこちら

 

 

 

戸田 雅也

Septeni Japan株式会社

クリエイティブ本部 第一ディレクション部 ディレクター

 

 

2018年4月に中途入社し、クリエイティブディレクターとして従事。

金融業種のダイレクトレスポンス領域を中心にコミュニケーション戦略立案と実行を担ってきた。

社内アワードに2回ノミネートされた後、2021年10月よりクリエイティブ本部の課長に就任。

 


 

下室 孝平

Septeni Japan株式会社

クリエイティブ本部 データコミュニケーション部 プロジェクトマネージャー

 

 

2018年4月に入社し、クリエイティブディレクターとして従事。

通信キャリア、ゲームアプリなどを中心に担当。

その後、2022年4月よりクリエイティブ本部のデータ領域へ異動。

ツール「Odd-AI」の機能開発や活用促進に取り組んでいる。

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当

立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。