CRM/CDP活用に伴うパートナーの重要性―セプテーニが掲げる一気通貫での伴走支援[インタビュー]
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on 2022年10月03日 in
昨今デジタルマーケティング/データマーケティングの領域では、CRM、MA、CDPに取り組み、マーケティングツールを活用することで成果を創出しようとする企業が増えてきている。しかし、ツールを導入したもののスムーズに売上に繋げられず、どのような施策をするべきか、どうツールを活用するべきかという壁にぶつかり、二の足を踏んでいる企業も多いのではないだろうか。
そんな捉えどころのないCRM領域の現状について、Septeni Japan株式会社と株式会社データXへのインタビューを行った。新たなデータ活用領域としてCRM支援サービスを展開しているセプテーニ。そして、SQLの知見やエンジニアを必要とせず、ノーコードで活用できるデータマーケティングツール「b→dash」を提供するデータXはCRM/MA/CDP領域の現状をどのように見ているのだろうか。
強力なパートナーの選び方や取り組み事例について、Septeni Japan株式会社 データ事業本部 データインテグレーション部 コンサルタント 青木 洋氏、株式会社データX マーケティング管掌執行役員 福井 和典氏にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWireJAPAN 長野 雅俊)
(ライター:同 渡辺 龍)
(Sponsored by Septeni Japan)
導入から施策実行、その後までを一貫してサポート
―自己紹介をお願いします
青木氏:Septeni Japan株式会社の青木と申します。セプテーニといえば運用型広告というイメージが強いかもしれませんが、ここ3、4年はクライアント企業のデータ活用支援にも注力しています。私が所属するデータインテグレーション部では、MAツールを用いてユーザーとのパーソナライズな接触をどのように進めていくかをお客様に提案しています。
福井氏:株式会社データXでマーケティング管掌執行役員をしている福井と申します。当社ではb→dashというデータマーケティング実現のための機能をAll in Oneで備えたツールを展開しています。また、それらを実現するために必要なデータを管理統合するCDPの機能を備えています。このCDPにb→dashの一番の特徴がありまして、一般的にはSQLを使って、エンジニアがお客様のデータを統合しないといけないのですが、b→dashであれば、SQLを使わずにGUIで操作できるのでエンジニアの稼働が必要なく、企業がデータマーケティングを推進しやすい環境を提供しています。
―なぜセプテーニはCRM領域の事業を展開しはじめたのでしょうか
青木氏:昨今のデジタルマーケティング市場のデータ環境の変化に対応するためです。プライバシー保護の観点でクッキーの取得制限がかかり、企業がデジタルマーケティングで活用できるデータは年々少なくなっています。そこでクッキーの代替として、ユーザーのメールアドレスや顧客IDなどの事業会社が持つ顧客データを企業のビジネス拡大に活用するために、CRM、MA領域のサービスを展開してきました。
―他のCRM支援企業と比べたときの、セプテーニの差別化ポイントはどこでしょうか
青木氏:他社との差別化として、当社ではCRMの伴走型支援ということを打ち出しています。一般的に見られるCRMの課題として、いざツールを入れたものの長期的なプランニングができていないことや、実行した施策に対して振り返りができずに、漫然とメルマガなどを配信しているといったことが挙げられます。何故このようなことが起こるかというと、どういう検証を重ねていけば収益に繋がるPDCAを回せるのかといったノウハウの不足があるからです。当社では運用型広告で培ってきたPDCAの概念やスキームをCRMに応用することで、CRMを導入して終わりではなく、施策実行後の伴走支援まで行っています。サービスは大きく3段階あり、1つ目がMAツールの導入構築、2つ目がコンテンツの作成とプランニング、最後にMAツールの設定代行です。これらCRM領域で必ず発生するポイントを一気通貫した体制でお客様の要望に応じてサービスの提供を行っております。
―市場感として、CRMなどデータ活用の意識の高まりは感じますか
福井氏:かなり高まっているなと感じています。CRMという言葉自体は10年以上前からあったと思いますが、今では当時よりもう一段上の使い方を目指している企業が増えている気がします。その一例がCDPです。昔のCRMでは情報を管理・共有して終わりでしたが、CDPは、集めたデータから細かくセグメントを切り分けて、そのセグメントに基づいてデジタルマーケティングの販売促進施策を実行することで売上に繋げていくために活用されます。当社のクライアント様もただ単に顧客データを管理したいということではなく、顧客データを活用して売り上げに結び付けたいという、成果ベースでご相談される方が増えています。
―b→dashを利用している企業は、どのような業種や規模の会社が多いのでしょうか
福井氏:4、5年前と今とで変わってきています。4、5年前は、ECサイトを運営しているアパレル会社や百貨店などが中心でした。ここ1年ほどは人材派遣、不動産、銀行、証券会社、学習塾など業種を問わず幅広いお客様が取り組み始めた印象です。規模感でいうと以前は大企業が取り組むことが多かったのですが、最近では準大手や中堅・中小企業まで裾野が広がってきています。どの業界も生き残りをかけて新たな戦略を取り入れているということも根本にあると思いますが、ノーコード、ローコードのサービスが流行っている点も大きいのではないでしょうか。
ノーコードツールでも求められるパートナーとの協業
―そういったインハウスで簡単に扱えるツールを導入していても、セプテーニのようなパートナーは必要になってくるのでしょうか
福井氏:おっしゃる通り当社のb→dashは、データを準備するCDP機能に関してはエンジニア要らずで活用できるため、クライアント企業だけでもデータ活用が出来ると思います。ただすべての企業においてパートナーとの協業が全く必要ないか、というと決してそうではなく、運用面ではパートナー会社の支援を求めた方が良いケースもあります。例えば、導入後はMA施策の策定、データに基づく売上の傾向や課題の分析などが必要になってきますし、メール1つ取っても、文面や画像を差し込み、誰にどういうサイクルで送るのかなどを考える必要もあります。結局、b→dashというツールがあったとしても、コンテンツの作成や施策の分析、結果に基づいて微修正を繰り返すという作業は導入企業に求められるので、そこにパートナーのサポートが入ることは非常に大きなメリットになります。
―確かに忙しい企業だと、施策の設定や振り返りまで手が付けられないというのは想像できます
青木氏:会社によっては配信するだけで終わりになってしまい、配信結果をきちんと見られていないこともあります。そこに対して筋道を立ててプランニングを行うというのは、パートナーだからこそできる部分でもあります。
―これからCRMに取り組む企業は具体的にどのようなパートナーを選べばいいのでしょうか
福井氏:基本的には、お客様の要望や課題を明確にでき、それに対する施策実行、改善まで行ってくれるパートナーと協業されることにメリットが大きいと思っています。パートナーの中にはコンテンツ作成のみを請け負うところもありますし、逆にコンサルティング会社のように、企画は委託できるがコンテンツ作成は自社で行わなければならないというケースも珍しくありません。そういった意味ではセプテーニさんのような一気通貫してPDCAを回してくれるパートナーは、お客様にとって大きな助けになると思います。
―セプテーニが実際に支援された事例としてどのようなものがあるのでしょうか
青木氏:クリーニング業界最大手の白洋舍様との事例があります。白洋舍様は当社との取り組み前に既にb→dashを導入済みでしたが、大きく3つの課題を抱えていました。1つ目はb→dashの管理画面上でHTMLを使用したメール配信はしていたものの、デザイン的にリッチなコンテンツ制作ができていなかったということ。2つ目は、スポット的な配信となっていることから、シナリオを組んだメール配信によるOne to Oneマーケティングを十分に行えていなかったこと。そして3つ目に、施策からPDCAをどのように回せば収益拡大していけるかの道筋を設定できていなかったことです。
そこで、担当の方がデータXさんに相談され、当社をご紹介いただきました。現在はコンテンツ制作とPDCAコンサルティングの両軸で伴走支援を行っています。施策を実行する上では、メルマガ1つ取っても見るべき点は多くあります。たとえばメルマガ内の要素の検証とシナリオ全体の検証の2軸でPDCAを回していきます。要素検証では配信曜日や時間帯の検証・件名の検証によって開封率の改善を図ったり、メルマガ内のデザインのブラッシュアップによってCTR、CVRの改善を図ったりしています。そのように都度検証をしていって、より良いものに次回施策を寄せていくといったイメージです。
さらに今のような要素検証の話だけでなく、シナリオ全体のPDCAも重要です。たとえばEC業種のお客様ですとF2転換を促進するようなシナリオをプランニングすることが多いのですが、どんな商品や訴求をすれば転換率が上がるのかを検証し、よりユーザーのLTVが高まる訴求にブラッシュアップします。
また、メルマガを見ないユーザーもいらっしゃいますので、そういう方にはSMSやLINEでコミュニケーションを取るようシナリオの分岐を作るなどの検証を行うこともあります。
客単価の低さはCRM導入の障壁にならない
―CRMの費用を気にする企業もあるかと思います。客単価が低い業態の企業でもCRMを導入して費用対効果が得られるのでしょうか
福井氏:得られると思います。クリーニング店のような業態は、自動車や不動産に比べ確かに単価は低いですが、同時に顧客の母数は多いです。単価だけ見るのではなく、単価×会員数から判断することが重要です。また、工数面でも費用対効果はあると思います。どの業態でも抱える課題として、1回利用していただいた顧客に2回目を使ってもらえないというものがあります。例えば、クリーニングでいうと、1回目は家の近くにある店舗を利用したけど、2回目は、別の店舗やネットクリーニングを利用する、ということはよくあると思います。企業にとっては、1回目の利用者をスムーズに2回目の利用に繋げていくアプローチがポイントになってきます。
ただ、アプローチする際に顧客の母数の多さがネックになってきます。アプローチを手動でやる場合は、どうしても顧客母数に比例して工数が増えてしまいます。ツールを導入することで自動化、効率化ができることを踏まえると、顧客単価が安い業態でも問題なく高い費用対効果をあげられます。
昨今データマーケティングやCRMという言葉が流行っている一方で、企業からすると「興味はあるが何から手を付ければいいのか分からない」、「取り組んだところで成果が出るのか不安だ」という状況もあると思います。しかし、成功イメージが持てないからといって新しい取り組みを行わないということは今後の大きなチャンスを逃していることにもなりえます。
まずはご相談だけでも構いませんので、当社やセプテーニさんのような会社にご連絡いただけると、必ず課題解決のお力になれると思います。
青木氏: b→dashのようなMAツールはマーケティングに必要な作業を自動化してくれる機能を持っていますので、むしろ顧客単価が低い代わりに母数が多く、企業からのアクションを増やさなければならないようなシーンで必要とされるものと認識しています。
ただ先ほどお話しした通り、活用のイメージがつかないままCRM・MAツールを導入してもツールのパフォーマンスを生かしきれず宝の持ち腐れになってしまうケースもあります。
少しでもCRM周りに課題をお持ちのお客様はぜひ一度お問い合わせください。
ABOUT 渡辺 龍
ExchangeWireJAPAN 編集担当
立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。