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もはや従来の広告運用だけでは勝てない。広告外指標を活用したセプテーニの新たなAmazon販促支援[インタビュー]

 

数多のメーカーや代理店がひしめき合いながら結果を追い求めているAmazonでの販促。その中で一歩抜きんでることが至難の業であることは言うまでもないだろう。

 

そんな状況下でSepteni Japan株式会社は2022年4月、Amazonを中心としたECプラットフォームに特化したソリューションチームを立ち上げた。「管理画面上だけで効率を追っているのでは売上の最大化は実現できない」と語る同社は、どのような戦略を組み立てているのだろうか。

 

「Amazon Marketing cloud(AMC)」と「売り場連動ソリューション」を軸にしたセプテーニの新たな販促支援策について、Septeni Japan株式会社 Eコマース対策本部 パフォーマンスグロース部アカウントリード 高橋 侑也氏(写真:中)、福山 浩平氏(写真:右)、江島 恵氏(写真:左)に話を伺った。

(聞き手:ExchangeWireJAPAN 渡辺 龍)

(Sponsored by Septeni Japan)

 

 

売り場情報を可視化した上での総合的なアクションが必須

―自己紹介をお願いします

高橋氏:高橋 侑也と申します。Eコマース対策本部のパフォーマンスグロース部という部署に所属し、大手メーカー様への営業と運用コンサルタントを兼務する形で業務にあたっています。元々、2020年から21年にかけて、EC周りのソリューション開発に取り組んでいた経緯があり、現在のソリューションチームの前身となる活動をしてきました。

 

福山氏:福山 浩平と申します。私も同じ部署でEコマースに向き合っているお客様の窓口としての対応をしています。基本的には広告の戦略、施策の立案等を行っており、Amazonはもちろん、ヤフーや楽天など他のECプラットフォームにおいても知見も深め主体となってお客様のサポートに取り組んでいます。

 

江島氏:同じくパフォーマンスグロース部所属の江島 恵と申します。前職がAmazon専門のコンサルティング会社だったのですが、より幅広いECに携わりたいと考え、2022年にSepteni Japanに中途入社をしました。4月からソリューションチームに加わり、お客様に向きあいながら課題解決に取り組んでいます。

 

―ソリューションチーム立ち上げまでの背景や経緯はどのようなものなのでしょうか

高橋氏:Amazon広告は商品を売る広告であると同時に、自然検索で買ってもらう部分を補うような広告という位置づけです。考え方としては、広告を使って全体の売上を最大化していくことが最も重要になります。同時に、広告管理画面上だけで効率を追求していけば良いというわけではなく、実際に自然検索の順位や商品価格、在庫などの売り場の状況も踏まえた総合的なアクションを取らないとその考え方が実現できないという課題を抱えていました。

それを解決するために、まず売り場に関しての様々な要素を可視化して、情報を使えるように整えていくことが必要だと考え始めたのが2年ほど前になります。その後は既に市場に流通している外部ツールを使用したこともあったのですが、最終的には自分たちでツールを作っていくことが必要との結論に至り、この4月からチームとして本格的に取り組み始めました。

 

―Amazonでのサポートを専門にしたチームなのでしょうか

高橋氏:現在はAmazonが中心になっていますが、今後は楽天やヤフーなどEコマース全体のソリューションにも踏み込んでいきたいと思っています。

 

―Amazon販促をサポートする代理店が数多くある中で、セプテーニの強みや差別化のポイントはどの辺りでしょうか

高橋氏:CPAを下げる、ROASを高くするというシンプルな運用は他の専業代理店も得意としており、その部分で大きな差はないと思っています。一方で、広告以外の情報をキャッチしてPDCAに取り入れていくという部分まで体系化している例はまだ少ないと思っています。その点を先行して取り組めているのは当社の強みだと思います。

 

 

「AMC」と「売り場連動ソリューション」で、これまで取得できなかった指標を分析

―実際にソリューションチームではどのような取り組みをしているのでしょうか

福山氏:管理画面以外の数値を追っていく「AMC」の活用と、売り場情報を取得する「売り場連動ソリューション」の二軸で動いています。

AMCはAmazon版のデータクリーンルームで、そこに対してダッシュボード化やデータを抽出する要件定義を私たちで行っています。AMCの利点としては、管理画面で取得できるもの以外の指標やデータを自由に分析できることが挙げられます。当社がよく活用する事例でいうと、AMCを用いてスポンサー広告とAmazon DSPのオーバーラップのデータを見ています。中長期的な売上拡大を目指していく上ではAmazon DSPの活用が重要ですが、検索連動型のスポンサー広告に比べてROASが低いということで悩まれるメーカー様も多いです。そういった際に、スポンサー広告とDSPのユーザーの重複率を見られることが役立ちます。

重複していないDSPの中のセグメント、そこからの購買率、指名転換率などを確認できるので、直接的な寄与度は管理画面で見つつ、間接的な寄与度をAMCで分析してDSPの活用方法を探していくことに利用できます。

 

高橋氏:AMCの活用は他の代理店だと開発チームが担当していることが多いと思いますが、当社では実際にフロントでお客様に向き合っている私たちがその役割を担っているのが特徴だと思います。

 

―売り場連動ソリューションとはどのようなものなのでしょうか

 高橋氏:これは広告プラットフォーム上で確認できないデータ群を使用したものになります。具体的には「自然検索の順位」、「商品の価格」、「在庫状況」などです。この価格や在庫状況というのは、自社商品の価格の上下だけではなく、類似商品と比べて高くなったか低くなったのかまで含んでいます。こういったデータはこれまで可視化できていなかったのですが、パフォーマンスに大きく影響を与える要素となっていました。

これらをトラッキング及び可視化することで、より適切な広告配信アクションを取っていくというのが売り場連動ソリューションの全体像になっています。具体的な話でいくと、自然検索の順位が落ち込んだときに広告を多く出すことで、その順位を補い、棚取りに活かすというのが分かりやすい使い方です。

また、広告施策に直接繋がる話ではないのですが、カートを他のセラーに取られてしまっている状況を機械的に可視化し、企業様側でAmazon社との商談に活かしてもらうための情報として活用してもらうといった使い方も売り場連動ソリューションの1つになります。

 

福山氏:もう1つ、自社商品や類似商品の価格が変動した場合にSlackに通知を飛ばすツールも開発しました。商品価格や在庫状況自体は、Amazonに毎日入ればどの代理店でも見ることはできます。ただ、そこを仕組化したことで見逃すことがなく即座にキャッチアップできる。さらに広告運用や戦略の設計に活かしていくというのは当社特有の部分になると思います。

 

 

カートの獲得にも売り場連動ソリューションが寄与

―先ほどカートのお話もありましたが詳細お伺いしてもよろしいでしょうか

 江島氏:Amazon販促の難しい部分ではあるのですが、基本的にAmazonでは価格が一番低く設定されているショップがカートを取り、購入されやすいという状況になっています。楽天やヤフーは画面上にショップ一覧が並んでいて、そこからショップに入って商品を選んでいくといった形ですが、一方Amazonはカタログのような形でまず商品が並んでいて、そこにお店が紐付いているといったイメージになります。Amazonは商品軸、他のECプラットフォームは店舗軸の作りになっていると言っていいかもしれません。

 

福山氏:他のセラーにカートが取られている状態でユーザーが購入すると、当然自社への売上は立ちません。広告販促をしても有効な打ち手にはならないので、そういった場合には広告を停止し、他の策を練ることが必要です。

 

江島氏:この点については転売業者に悩まれているメーカー様も多いと思います。転売業者が正規販売店から商品を購入して正規品よりも安い価格で出品してしまうと、そちらに取られてしまうというのが現状です。この問題をどう対策していくのかについては、これまでの知見を踏まえてソリューションとして整えていきました。その辺りを解決するお手伝いも売り場連動ソリューションの一環として本チームで行っています。

 

―今後の展望とメーカーへのメッセージはありますか

高橋氏:現在はAMCと売り場連動ソリューションの2つが大きな柱になっていますが、今後は、市場に存在している新たなソリューションの仕入れについても取り組んでいきたいです。また、売り場連動ソリューションについてもプロダクトの作り込みの余地は残されています。現在は価格を日単位で見ていますが1時間おきに見るなど、ここの完成度を高めていくところも今後取り組んでいきたいです。さらにSizmek Ad Suiteの活用も視野に入れており、外部メディアへの配信に対しても商品売り上げの計測を行うことができるようになるので、さらに幅が広がります。

当社は広告運用に強みを持っていますが、広告運用と今回のソリューションの活用は必ずしも当社がセットで行う必要はないと思っています。メーカー様の中には、「売り場周りのソリューションに興味はあるものの、広告運用はインハウスでやりたい」という方もいるでしょう。そういった場合でも、ぜひお悩みをご相談いただければと思っています。メーカー様の課題を解決する中で、さらにソリューションの質を高めていき、それをまたメーカー様に還元するという形でお力になれればと考えています。

 

Septeni Japan株式会社は、 9月22日(木)に「Amazon運用2.0 高度化するAmazon販促に向き合うための手段とは?」と題したウェビナーを開催します。本インタビューを更に深掘りした形で、ソリューションの詳細やケーススタディを紹介する内容となっています。ご興味のある方は以下のサイトよりお申し込み下さい。

▼詳細&申込はこちら

https://bit.ly/3DoBx1Q

 

 

セプテーニへのお問い合わせはこちら

https://ln.septeni.jp/XenG7B5

 

 

株式会社セプテーニは、Amazon Adsが提供する「Amazon Adsパートナーネットワーク」にて、Amazon Adsのプロダクトに関する専門知識をもとに取り組みに注力し、広告主に対して成果創出を支援した実績のあるパートナーとして「Advanced partner」のステータスを獲得しています。

 

 

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当

立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。