×

ツール移行だけではもったいない!「攻め」のGA4活用術

(Sponsored by Septeni Japan)

 

2022年の3月に、現行のGoogle Analytics(以下、GA)であるUniversal Analyticsのサポート終了が発表され、継続してウェブサイトの計測を行うにはGoogle Analytics4(以下、GA4)への移行対応が必須となりました。

しかしGA4は多くの新機能を搭載した最先端のツールでありながら、その活用ハードルの高さ故に移行だけで手一杯になるなど、活用のフェーズまで十分に検討できていないケースが多いのではないかと推察されます。

 

そこで本コラムでは、改めてGA4というツールの内容をおさらいした上で、セプテーニが考える「攻め」のGA4活用術についてご紹介いたします。

 

 

■GA4について

Universal Analyticsのサポート終了

現行GAであるUniversal Analyticsのサポート終了により、2023年7月1日(有償版であるGA360については2023年10月1日)以降、データが計測できなくなります。そのため、現状Universal Analyticsを利用してウェブサイトの計測を行っている場合は、最新版のGoogle AnalyticsであるGA4への移行が必須です。

 

 

GA4の概要

GA4とは、前述の通りGoogleが提供しているウェブサイト解析ツールであるGoogle Analyticsの最新版で、第4世代のモデルとなることからこのように命名されています。

このGA4誕生の背景には近年のユーザー行動の変化があると考えられます。ユーザー行動が大きく変化するのに伴い、その解析に必要な要素にも変化が求められています。

 

具体的には以下のような点が挙げられます。

・従来の「ページ」単位での計測ではユーザー行動を正確に把握しづらくなっているため、ページを横断して計測する必要がある

・WEB/APPを横断して計測する必要性が高まっている

・一人が複数のデバイスを持つことが当たり前となってきており、デバイスを横断してユーザーを特定する必要がある

・プライバシー保護への感度の高まりによりCookieに依存しない計測が必要となってきている

 

GA4はこのような変化に対応するべく登場したものであり、それゆえにユーザー行動の解析における最先端の要素を取り揃えているツールであるといえます。

 

Universal Analyticsからの変更点

GA4はUniversal Analyticsと比較して、管理画面のUIをはじめ根本の計測仕様や各種機能など様々な箇所に変更が入っており、もはや別のツールであると捉える事業者も多いです。

 

Universal AnalyticsからGA4への変更点について、主なものは以下の通りです。

 

Universal Analyticsの管理画面

 

GA4の管理画面

 

GA4のメリット

GA4のメリットをまとめると、以下が挙げられます。

 

  • 近年のユーザー行動の変化を反映した計測

「ページ」軸の計測から「イベント」軸の計測にシフトするなど、種々の計測仕様・計測指標にアップデートがなされています。これは近年のユーザー行動の変化を鑑みてのものであり、よりウェブサイトやアプリ上でのユーザー行動を本質的に追うことが可能になります。

 

  • プライバシーに配慮した計測

GA4は昨今のプライバシー保護の観点で十分な配慮がされているツールです。

GDPR(※1)やCCPA(※2)に準拠した計測仕様となっているほか、Googleシグナルとの連携強化などによりCookieに依存しない計測が取り入れられています。

(※1)EUにおける個人データ保護やその取り扱いについて定めている法律
(※2)米国カリフォルニア州における個人データ保護やその取り扱いについて定めている法律いずれもプライバシー保護の法律として世界的に注目されている

 

  • Web+APP統合での計測

GA4はもともとGoogle Analyticsの「アプリ + ウェブ プロパティ(App + Web プロパティ)」がアップグレードされたものであり、同一プロパティでウェブとアプリのデータを統合して見ることができます。

GA4で計測の軸が「イベント」に変更されているのは、ウェブとアプリのデータを統合しやすくするために、ウェブのデータをアプリ寄りの形式で扱うようにする意図もあったためと見られます。

 

④ 機械学習活用機能の搭載

GA4には、取得したデータを機械学習にかけることで得られる予測指標を活用する機能が標準搭載されています。現時点(2022年7月)では、「購入の可能性」「離脱の可能性」「収益予測」の3つの指標が利用可能で、Google広告に連携して広告配信などに活用することができます。

 

⑤ BQエクスポートが無償版で利用可能

Universal Analyticsでは有償版のみでしか利用できなかったBigQuery連携機能が、GA4では無償版で利用可能(※3)になっています。BigQuery連携をすることでGA4の加工前のローデータをエクスポートすることができ、自由に加工して活用することができるようになります。

(※3)無償版では「BigQuery連携機能」が利用可能であり、BigQueryの利用料は別途発生

 

新機能の搭載もあり、いくつものメリットがある一方で、その分活用ハードルが高くなっている側面もあります。

 

 

 

■セプテーニが考える、「攻め」のGA4活用術

ここからは当社が考える「攻め」のGA4活用術をご紹介します。

 

GA4は、以下のような4STEPのロードマップで順次活用幅を広げていくことでそのポテンシャルを最大限に引き出せると考えています。

 

各ステップの詳細をご説明します。

 

STEP1:GA4への移行 - 現行Universal Analyticsの計測内容をGA4で再現

まずは現在利用しているUniversal Analyticsでの計測内容をGA4で再現する必要があります。GA4はUniversal Analyticsとは仕様が異なる部分が多くあり、すべての計測内容をそのまま移行することはできません。

そのため、GA4の各種仕様を把握した上で、現在利用しているUniversal Analyticsの各種計測設定について、GA4ではどう表現するのが適切かを検討する必要があります。また、ほとんどの場合タグの実装作業も改めて行う必要があります。

 

 

STEP2:GTMサーバーコンテナの導入 - GA4計測のCookieレス環境対策

GA4への移行設定が完了したら、次は計測におけるCookieレス環境対策としてGTMサーバーコンテナの導入を推奨しています。

現在すでにiOSデバイスと iPadOSで利用するすべてのブラウザ、およびSafariブラウザが適用対象となっているITP(※4)の環境下では、GA4がユーザーを識別するために使用しているJavaScript発行の1st Party Cookieは、24時間で削除されてしまいます。これは、同じユーザーからのアクセスでも、前回のアクセスからの間隔が24時間以上空いてしまうとCookieがリセットされることにより別ユーザーと識別されてしまうことを意味します。

(※4)様々な規制を含むトラッキング防止の仕様。Cookieに関する規制は以下の通り

3rd Party Cookie:即時削除

1st Party Cookie:最大保持期間24時間

 

そこで、GTMサーバーコンテナを導入すると、サイト来訪ユーザーを識別するためのCookieとして、ITP環境下でも規制を受けないサーバーサイドCookieが発行されるようになります。

これにより、ユーザーが前回のアクセスから24時間以上経過して再度アクセスした際にもCookieが保持されるようになり、サイト来訪ユーザーを正しく識別をした状態でデータを収集することができます。

 

 

GA4は「ユーザー」に関する分析に重きを置いているツールなので、サイト来訪ユーザーの識別が妨げられてしまうことへの対応は重要であり、GTMサーバーコンテナの導入は必須に近いと考えています。

 

 

STEP3:BigQuery導入 - BigQuery導入によるGA4データの有機的活用

STEP2にてCookieレス環境での計測対策をお伝えしましたが、GA4にはもう1点環境整備の部分での懸念事項として、データ保持期間(※5)が最長でも14ヶ月(※6)という仕様があります(Universal Analyticsではデータ保持期間は最長で「無期限」)。

しかしこれは、GA4のメリットである「無償版でもBigQuery連携が可能」(※7)という点で解決することができます。

(※5)探索レポートでのデータ閲覧のみが対象。デフォルトのレポートでのデータ閲覧は14ヶ月以降も可能

(※6)有償版GA4の場合は最長保持期間は50ヶ月

(※7)BigQueryの利用料は別途発生

 

GA4をBigQueryと連携することでGA4のローデータをエクスポートすることが可能になり、データを外部管理できるようになります。これによりデータ保持期間の制約を回避して保管しておくことが可能です。このデータは自由に加工して利用できるため、以下にさらなる活用案を提案します。

 

<GA4ローデータの活用案1 – 可視化ダッシュボード構築>

活用案としてまず考えられるのはBIツールを利用した可視化ダッシュボードの構築です。

GA4のデータは通常管理画面で見ることができ、「探索」機能である程度自由にカスタムしてレポートを構築することは可能ですが、やはりGA4管理画面上でのレポート構築では表現できないものが出てくることもあります。

BigQueryにエクスポートされたローデータを活用してダッシュボードを構築すれば、表現を一からカスタマイズできるので、ニーズに応じた柔軟なダッシュボードを作成することができます。

また、GA4以外の、オフラインの購買データや詳細な顧客属性のデータといった、自社データとかけ合わせたダッシュボードを作成できるようになる点でも大きく活用幅が広がります。

 

<GA4ローデータの活用案2 – 機械学習への応用>

活用案の2つ目は、機械学習への応用です。

ローデータを整形して機械学習にかけることで得られる予測モデルを用いると、見込みユーザーの行動に関して様々な予測指標を算出することができます。

例えば広告配信の文脈では、配信の最適化のための学習データ母数の拡充や、広告クリックからタイムラグの大きいイベントに対して最適化をかける、などといった形での活用が考えられます。また、可視化ダッシュボード構築同様、GA4以外の自社データとかけ合わせて活用することも可能なので、オフラインイベントを最適化地点とした配信などもできます。

 

このように、BigQueryにローデータをエクスポートすると、データを自由に加工できるようになることで、GA4のデータを多方面で応用的に活用できるようになります。

 

 

STEP4:CDP構築 – BigQuery(Google Cloud)でCDPを構築

STEP3で可視化ダッシュボードの構築や機械学習のためにBigQueryである程度データの統合や整形を進めることができたら、次のSTEP4ではその他の自社データも同様に統合・整形し、BigQuery(Google Cloud)でCDP(※8)を構築しましょう。

(※8)Customer data platform:顧客に関するデータを統合・整理し、各種マーケティングツールとの有機的な連携を可能にするためのデータ基盤。

 

 

 

CDPを構築し、各種データを統合・整形して一元管理するデータアーキテクチャを構えておくことで、自社で収集している様々な種類のデータを最大限に活用できるようになります。

 

この4STEPで段階的に活用していくことで、GA4でデータを集めるところからその収集したデータの活用、さらにはデータ基盤構築という各側面に関して、GA4が持っているものを最大限に引き出して活用できると考えています。

 

 

■最後に

このコラムでは、当社の考える攻めのGA4活用術をお伝えしました。今回ご紹介した活用案が、今後のGA4の利用方針を検討する上での参考になれば幸いです。

 

当社ではこのようなGA4活用を一気通貫でサポートできる「GA4活用パッケージ」を提供しておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

【Septeni Japanデータ事業本部へのお問い合わせ】

ai_sep@septeni.co.jp

 

【プレスリリース】

セプテーニ、Google Analytics 4活用パッケージの提供を開始

 

【ホワイトペーパー】

GA4活用パッケージ概要資料

 

【ウェビナーアーカイブ動画】

ツール移行だけではもったいない!「攻め」のGA4活用術

 

コラム執筆者
亀井康介
Septeni Japan株式会社
データ事業本部データソリューション部 コンサルタント 

 

 

2019年4月にセプテーニに入社後、UA・GA4を含む計測ツールやタグマネジメントにおけるサポート業務の他、ダイナミック広告に使用するメディアフィード設計などに従事。2022年1月よりデータ事業本部に異動。現在はGA4やS2S連携ソリューションをはじめとしたデータ活用支援に注力している。

ABOUT 渡辺 龍

渡辺 龍

ExchangeWireJAPAN 編集担当

立教大学社会学部現代文化学科卒業。大学卒業後は物流企業にて海外拠点と連携し、顧客の輸出入サポート業務全般に従事。
その後、2021年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。デジタル広告市場調査などを担当している。