ブランドセーフティ、ブランド適合性に続く未来の指標とは?-DoubleVerify事業説明会[ニュース]
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on 2022年5月25日 inデジタルメディア測定、データ及び分析のソフトウェアプラットフォーム大手のDoubleVerify Japanは、5月19日、オンラインにて日本市場に向けた事業戦略説明会を開催した。
同社日本法人代表を務める武田隆氏は、デジタル広告の計測環境に関する最新動向を解説。アプリ、SNS、コネクテッドテレビなどの領域で新興プラットフォームが台頭したことで測定対象が劇的に増加したことに加えて、サードパーティCookieの終焉に象徴されるユーザーのプライバシー保護の強化、アドフラウドの手口の複雑化といった課題を挙げた。
このような環境下では、ブランドセーフティの確保やアドフラウドの排除が最低限必要な対策になるという。その上で、広告の質を高めるためにはブランドスータビリティ(ブランド適合性)、ビューアビリティ(視認性)、ジオ(位置情報)といった指標も重要であると強調。さらに今後は広告の画面占有率、動画広告再生時の音声や途中停止の有無などを示すデータを広告クリエイティブごとに示すことで、精緻な広告効果を計測できるようになるとの見通しを伝えた。
さらにユーザーのプライバシーを保護した上でデモグラフィック属性と広告表示を紐づけるために、大手広告プラットフォームや媒体との連携を進めていると報告。また同社はコンテクスチュアルターゲティングを中心とした技術を扱っているため、サードパーティCookieやIDFAなどの利用制限の影響は受けにくいと述べた。
同社ビジネス開発部長の八木拓也氏は、デジタル広告のエコシステムに関わるパートナー企業との提携にまつわる基本戦略について説明。DSPやSNSの⼊札機能との連携を通じてターゲティング、アドサーバーとの連携では不正または不適切な広告のブロッキングとフィルタリング、媒体社との協⼒関係構築によって計測を、といった具合に各領域の環境整備に取り組んでいる旨を伝えた。
また同社では、今後大きな成長が予測されているコネクテッドテレビ広告市場を重視。コネクテッドテレビは、大画面にて音声付きで再生され、視聴者のエンゲージメントが高いために広告効果は非常に高いとされている。これまではスマートテレビでのみ視聴可能なコンテンツであったことから視聴者数が限定されていたが、近年ではスティック型の外付け端末やゲーム機を通じた視聴形態が普及したことでリーチ規模が急拡大。利用者数は今後さらに増大することが確実視されていることから、広告媒体としての価値は一層高まるとの期待を述べた。
ただし、iOSとAndroidの2種類しか存在しないモバイルアプリとは異なり、コネクテッドテレビでは様々な規格が乱立していることから、計測環境を整備するのは容易ではない。テレビ端末の電源を切っても、その端末と連携するコネクテッドテレビ視聴用端末の電源が入っている場合には広告表示が行われたと計測されてしまう可能性もあるという。同社はこれらの課題解決に向けて、引き続き研究開発を続けていく。