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グローバルブランドの動画プロモーションで、MediacomがTeadsを選んだCookielessソリューションと広告クリエイティブのある工夫とは[インタビュー]

認知獲得を目的に動画でプロモーションをするという命題を与えられた時、メディアプランニングにおいて、恐らくまず思い浮かぶのはテレビCMと、デジタルではYouTubeという組み合わせであろうか。
昨今デジタル広告においてはYouTubeに続く媒体も増えつつある中、グローバルブランドのプロモーションでTeadsを選択した理由とはいかなることであったのか。
Mediacom プランニングマネージャー 道山 奈美子氏、Teadsボルワニ・ラヴィン(Bolwani Lavin)氏にお話を伺った。

 

(聞き手:ExchangeWireJAPAN 野下 智之)

 

-自己紹介をお願いいたします。

道山氏:GroupM社のMediacomでプランニングマネージャーを務めています。デジタルエージェンシーを数社経験した後、5年前にGroupMに転じました。その後はオフラインメディアを含めた統合的なメディアプランニング担当しています。

GroupMはWPPグループの一員として、グローバル大手クライアント様をご支援しており、私も大手複数のグローバルクライアントのメディアプランニングを担当させていただいております。

 

ラビン氏:私はインド出身で、日本に来て13年ほど経っております。

2021年より、Teadsでアカウント・エグゼクティブとして、GroupMのお客様を始め、外資系のクライアント様・代理店様を担当させていただいております。

私は主にデジタルマーケティングを専門とし、デジタル広告の静止画・動画・ソーシャル媒体など多様なメディアプランニングに加え、オフラインメディアを含むマルチチャネルコミュニケーション戦略に長年携わってきました。

 

 

Teads選択の理由の一つはクリエイティブ

-今回ご紹介いただける成功事例のキャンペーンの概要と背景についてお聞かせいただけますでしょうか。

道山氏:今回ご紹介するのは、Elanco社の犬用のお薬Credelio(犬用ノミ・マダニ駆虫薬)というブランドのケースです。日本でご予算をいただいて、広告宣伝活動をするということが、初チャレンジでした。マーケットでは、競合他社がテレビCMの出稿をはじめプロモーションを積極的に展開しており、独占しているという状況でした。

Credelioの日本での認知を上げていくところから、一般認知を効果的に獲得していくために、テレビを中心としたプランニングを行い、予算全体の大部分を割り当てました。一方で、テレビを見ない層に対してデジタルメディアを選定するにあたり、インストリームではYouTube、アウトストリームでTeadsを提案しました。

 

 

-動画広告のメディア選定においてYouTubeTeadsを選んだ背景や理由はどのような点でしょうか。

道山氏:インストリーム動画広告で認知を取る上で、YouTubeは商品のターゲットの利用率が90%以上を占めており、一択でした。アウトストリームにおいては、複数のプレイヤーがいますが、今までのお付き合いの中で最も実績が良かったということと、営業担当者のラビンさんのレスポンスがいつも素早く、頼もしい人柄という部分が大きかったです。笑

また、Teadsさんのほうで、スキンクリエイティブを作って下さるという点も評価しました。

動画素材自体はワンちゃんが登場する、かわいらしいものなのですが、商品そのものが常に表示されているわけではないということが、ほぼゼロから商品認知を獲得していくうえにおいては欠点でした。

そこでこのスキンクリエイティブを使い、動画プレイヤーの下の部分に商品コピーを掲載することで、ユーザーには動画を30秒間全て見ていただかなくても、CredelioのCMであることを認識してもらうことが出来るようになりました。

この提案をいただいたことも、Teadsさんを選んだ理由の一つです。

 

 

―Teadsではスキンクリエイティブは以前からお持ちのフォーマットだったのでしょうか?

ラビン氏:はい、Teadsが持つクリエイティブスタジオであるTeads Studioのデザインチームがサポートをさせていただきました。今回の課題はブランド認知を獲得していこうということでしたので、ブランドロゴや広告コピーをスキンに加えました。これによりブランドリフトを促すことが出来ました。

 

 

Teadsが検証した、クッキーベースvs.クッキーレス

キャンペーンの成果は数値として、どのように表れたのでしょうか?

道山氏:今回の結果は、私が担当した案件の中で、Teadsさんにお願いした過去の案件と比較しても、コンプリーションレートが60%を超える高い結果が出ました。これにより、クライアントの満足度も高かったです。また、注目すべき点として、CPCが200円前後と、動画広告としてはサイト誘導という点でも相当高いコストパフォーマンスが得られました。

今回、私たちはTeadsのアウトストリーム動画広告により、認知獲得から興味関心、商品理解までのアッパーファネルからミドルファネルくらいまでをカバーすることが出来るという素晴らしい結果を得られたのではないかと振り返っております。

 

 

クライアントからの今回の結果に関するフィードバックは得られましたか?

道山氏:サーチリフトについて、ブランド名「Credelio」に関する検索数の伸びを報告させていただいたのですが、今回テレビCMやデジタル広告を配信したタイミングで、検索数がドラスティックに伸びたことから、広告活動の意義をさらに理解したという大変ポジティブな振り返りの声をいただきました。

 

 

―Teadsさん側からの提案にあたり、スキンクリエイティブのほかに、何か他にポイントはありましたか?

ラビン氏:道山さんのお話の通り、今回のキャンペーンの目的は、ペットオーナーに対するCredelioのブランド認知を高めるという点です。

ペットに興味がある人や、ペットオーナーをターゲットセグメントすることが求められましたが、Teadsでは2年ほど前からクッキーレス対応として技術開発に注力してきたコンテキストターゲティング広告を提案しました。ユーザーのモーメントをとらえて、適切なターゲットにリーチができました。

結論から言いますと、クリエイティブのメッセージとコンテキストターゲティングとの相性が大変良く、高いターゲティング精度であったことがこのような結果につながりました。

 

 

キャンペーンにおける広告配信の結果についてお聞かせください。今回のキャンペーンでは、クッキーレスによるコンテキストターゲティングと、クッキーベースの配信とを分けて配信したのですね。

 

 

ラビン氏:はい、同じキャンペーンをクッキーレスとクッキーベースとに分けて配信しました。Teadsのコンテキストターゲティングの活用により、クッキーレス配信は、ほぼ全ての指標においてクッキーベースの配信に勝る、高いパフォーマンスを得ることが出来ました。

また、同時に実施したブランドリフトサーベイの結果から、Teadsのコンテキストターゲティング配信が、クッキーベースとの配信よりも、26%も高いブランドリフト効果が得られることが明らかになりました。
コンテキスト配信でのブランド認知度は25%、購入検討は22%・購入意向は99%高まっています。

 

 

 

 

―数あるプレイヤーがコンテキストターゲティングを提供している中、Teadsの優位性はどういうところにあると自負されていますか?

ラビン氏:Teadsの「Respect User」という思想がこのコンテキストターゲティングに融合されています。Teadsの広告は、ユーザーにとって優しいものであり、ユーザーをRespectしたものであるという点が大きな特徴です。また、配信先は全てプレミアムパブリッシャーの広告枠です。さらに先ほどご紹介したようなクリエイティブを生み出せるTeads Studioがあります。

これらを集約すると、「ハイインパクト&エンゲージメント、美しいクリエイティブ。」という言葉で表現できます。これこそがTeadsのコンテキストターゲティングの強みになっています。

Teadsのコンテキストターゲティング技術は、フランス・モンペリエにあるR&Dチームによって、日々進化していまして、独自開発したA Iやセマンティック解析など揺るぎないテクノロジーが散りばめられています。

また、以前よりコンテキストターゲティングのバックエンドの一部には、Oracle Contextual Intelligence (オラクル コンテクスチュアル インテリジェンス)の技術も採用されています。国内ではOracle社と2019年より一緒にCookielessイベントを実施するなど、揺るぎないパートナーシップを続けさせていただいています。

 

 

みんながハッピーになれる-コンテキストターゲティングの魅力

―道山さんは、今回の結果をご覧になられて、コンテキストターゲティングに対する印象はなにか変わられましたか?

道山氏:そうですね。今後の私が取り扱っている他のキャンペーンにおいても、積極的にコンテキストターゲティングを活用していきたいと考えております。自分の生活を考えたときに、私の興味関心に対してターゲティングされるよりも、今何を読んでいるかでターゲティングされたほうがユーザー視点でも心地いいなと思いますね。

例えば私は個人的に山登りが好きなのですが、とても忙しく働いているときに、山登りに関わる広告を出されても全く興味が湧きません。むしろ少し鬱陶しい広告としてみてしまうと思います。
自宅でリラックスしている状態で、次にどこの山に登ろうかと調べているタイミングで、登山に関するコンテンツを視聴しているとします。そこに登山用ギアの広告が出ると、「今度試してみようかな。」というように、広告に対してポジティブな印象を持つことができると思います。

コンテキストターゲティングというソリューションは、雑誌とインターネットの良いとこ取りだなと思っています。雑誌はユーザーの細かい興味関心に対して、まさにそれを満たそうとしている瞬間に、それに合った広告を出すことができると思っています。雑誌は細かくセグメントされていて、例えばファッション1つとっても年代であったり、“かわいい系”なのか“クール系”なのか、趣味やスタイルによって様々な雑誌が発行されています。私たちメディアプランナーは最適な雑誌を選ぶことがお仕事だと思っています。

一方で、無数のメディアが存在するインターネットの世界において、メディアを一つ一つ選んでいくというのは、現実的ではありません。そこで、コンテキストターゲティングを活用することで、雑誌のようにユーザーの細かい趣味嗜好が満たされようとしているその瞬間に、最適な広告を配信することができると考えています。今後もTeadsさんのようなソリューションをお持ちの企業と協業して、適切なターゲットに適切なタイミングで広告を見せていくというプランニングをしていきたいと思っています。

今後、サードパーティー・クッキーが制限されていくなかで、今までは人ベースで行ってきたターゲティングが見直されていくと思います。ユーザーがその時見たいものに対して関連性の高いコンテンツを見せるというコンテキストターゲティングを改めて再評価していきたいなと思っています。コンテキストターゲティングは、広告主、媒体社、ユーザーのみんながハッピーになれるソリューションなのではないかなと思っています。

 

 

―Mediacomさんとしての、今後のお取組みをお聞かせください。

道山氏:今後実施してみたいTeadsさんのソリューションがあります。
Teadsリーチキャストというソリューションなのですが、これはある1日の1つのコンテンツカテゴリー、例えばスポーツや音楽などを買切ることができるというものです。

私は、例えば大きなスポーツイベントがあるときに、このソリューションを使ってプロモーションを展開してみたいと思っています。
スポーツイベントの決勝の直後、例えばプロ野球の決勝の直後であれば野球関連の記事が一気に世の中にぱっと出ると思うのですね。
これらを全てジャックするというのはとても面白いのではないかなと。スポーツイベントと広告主に対する親和性を高めることができるのではないか、何かイメージを1つにさせることができるのではないかと思っています。Teadsさんとは、今後そのようなお取組みもご一緒していきたいと、勝手に私が思っております。笑

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。