先週のアドテクシーン:Magnite、SpotXを11億7000万ドルで買収
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
Magnite、SpotXを11億7000万ドルで買収
グローバル最大手のSSP、Magniteは、動画配信プラットフォームグローバル大手のSpoXを、買収することを公表した。
買収総額は11億7000万ドル。Magniteは、今回の買収により、SpotXの強みでもあるコネクテッドテレビ領域を強化する。
コネクテッドテレビ領域は、グローバルレベルで今後の成長領域とされている。日本においても同様であり、SMNとデジタルインファクトの調査では、2024年のコネクテッドテレビ広告市場規模は558億円に達すると予測している。
SpotX社のアドサーバーは、日本においても多くの放送局で採用されている。
なお、Magniteは、2020年にRubiconProjectと、Telaria との経営統合により誕生した。
【新サービス・新機能】
マイネット、「GAME ASO with Apple Search Ads」の提供を開始
マイネットは、2月より「GAME ASO」の新サービスとして、「GAME ASO with Apple Search Ads」の提供を開始した。
提供開始に先立ち、マイネットが運営する「未来家系図 つぐme」において、「GAME ASO with Apple Search Ads」を実施したところ、コンバージョン・レート(CVR)は50%以上の向上、Apple Search AdsのCPIは40%以上の削減を実現いたしたという。また、実施した全てのタイトルにおいて、CVR向上、Apple Search AdsのCPI削減を実現した。
【サービス連携・業務提携】
マイクロアド、ビデオリサーチとエンタメ業界向けマーケティングデータプラットフォーム「Circus」を強化
マイクロアドは、ビデオリサーチが保有する「VR LINC(ブイアール リンク)」を使用し、マイクロアドが提供するエンタメ業界向けマーケティングデータプラットフォーム「Circus」のターゲティング機能を強化した。
本取り組みにより、「Circus」を活用したエンタメ領域の広告配信において、より精度の高いターゲティング配信が可能となる。
Adjust、TikTokマーケティングパートナープログラムに加入
adjust(アジャストは、TikTokのビジネスマーケティングパートナープログラムに加入したことを発表した。
これによりAdjustはモバイル計測パートナーとして、モバイル向けショート動画配信プラットフォーム大手のTikTokと連携し、広告主による広告キャンペーンの作成、最適化、ターゲティングおよび計測をサポートする。
テレシー、IRIS社と提携し、タクシー広告の提供を開始
CARTA HOLDINGSのグループ会社で、電通と共同で運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」を運営するテレシーは、タクシーサイネージメディア「Tokyo Prime」を運営するIRISと提携し、2021年4月より、タクシーサイネージメディア「Tokyo Prime」を活用したタクシー広告の提供を開始する。
テレシーでは、「Tokyo Prime」が提供する、全国メニューや東京限定メニューなど、全ての広告メニューの取り扱いが可能で、タクシーCM向けのクリエイティブ制作から広告配信、効果測定までをトータルでサポートする。
【資本提携・買収】
AppLovin、モバイルアプリ計測市場のAdjustを買収
AppLovinは、モバイルアプリの計測・マーケティングのグローバル企業であるAdjustを買収することを公表した。
両社において正式な合意に至ったとのこと。Adjustは自社ブランドと文化を維持し、独立した会社として運営を継続する。
AppLovinは「MAX」と「SafeDK」を買収し、デベロッパーに対して収益の向上、作業時間の削減、ユーザー体験の保護を支援するソリューションを拡充してきた。
Adjustは言わずと知れた、アプリ計測ツールグローバル最大手の1社。2012年に設立され、自社が提供するマーケティングプラットフォームを通じて、モバイルデベロッパーに対してはカスタマージャーニーをより深く理解できるように、また、マーケティング担当者に対しては計測、アトリビューション、アドフラウド防止を通じて、よりスマートな意思決定ができるための支援を行っている。
【新会社・新組織】
BitStar、九州支社を開設
BitStarは、2021年2月1日より九州支社を開設し、営業を開始する。
同社は、2020年7月1日に大阪支社(現:関西支社)を開設。今回の九州支社設立は、エリア展開の第二弾となる。
【決算】
Zホールディングス2020年10-12月期決算、広告関連は前年比6.7%増
Zホールディングスは、2020年10-12月期の決算を公表した。
広告関連売上収益は934 億円で、前年比6.7%増と堅調。検索連動型広告が前年比2.8%減であった一方で、ディスプレイ広告が、運用型広告好調により16.1%増となった。
【調査】
トレンダーズ、音声メディアに関する利用実態調査を実施
トレンダーズは、「音声メディアに関する利用実態調査」を実施した。
対象者は、20~30代男女526名。「日常的に使っている音声メディア」について聞いてみると、31.6%が「何かしらの音声メディアを利用している」と回答。
最も利用が多かったのは「radiko」(68.1%)という結果。以降は「Spotifyポッドキャスト」(18.1%)、「ポッドキャスト(AppleまたはGoogle)」(13.3%)、「Discord」(12.7%)、「ラジオクラウド」(4.2%)となった。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。